四話 最近付近で神隠しが起こるらしい
「上坂君、最近この辺で神隠しが報告されているのを知っているかい?」
真剣なまなざしでおっさんが聞いてきた。
神隠し?〇と〇尋のやつか?どうせ誘拐事件とか遭難事件だろう。
この時代の人は無知だなぁ。
「神隠し?そんなん誘拐事件かなんかじゃないの?」
「もし女児や女性が狙われるならわかるんだが。。。」
「もしこれが誘拐事件なら犯人は相当な性癖の持ち主か本当にヤバい奴のどちらかだろうな」
さらに意味が分からない。
「どういうことだ?」
「実は被害にあっているのは老若男女バラバラなのだよ」
(なるほど、それは確かに恐れるのも分からんでもないな。)
「まあ心配することはないだろう!!」
(上坂は盛大なフラグを建てた)
「それよりもヒナのシャーペン量産事業は進んでるのか?」
「ああ、私は資金提供だけで運用はすべてヒナ君が執り行ってくれている」
「あの者は商売の才能があるのだろうな」
(いや、たぶん腹黒で金に目がくらんだだけだと思う。。。)
「そうだな、あいつは出会った時から才能あると思ってた」
(無論嘘だ。あいつは腹黒確定。)
ヒナが珍しく深刻な顔をしてこちらにやってきた。
「かみざかさん。」
「うえさかだ。」
「すみませんうえさかさん。問題が起きてしまったのですが、助けていただけませんか?」
「早速なんだ?」
「実は、この付近で神隠しが多発しすぎて、それをみんなが恐れているせいで働き手が集まらないのです。」
「そこで、うえさかさんの時代の科学で神隠しの正体を解明していただきたいんです」
「なるほど、上坂ならわかるかもしれないな!未来人だし!」
「おっさんもいるんだ、あんま大きな声で言うな」
「もちろんいいが、いくら恩人でもただでというわけにはなぁ。報酬は?」
「報酬、ですか。。。」
「報酬。。。どうしましょう」
「ああ!良いことを思いつきました!」
「ではこうしましょう!」
「報酬は、、、、、、わ♡、た♡、」
「「ちょ~っとまったぁ!!!」」
「R指定されるからやめて!!!!」
「おい!妹よ! とち狂ったか!?!?」
「え? 川の渡し銭のお釣りと言おうとしたのですが。。。」
「「。。。」」
「「。。。」」
「「。。。申し訳ございませんでした」」
(はぁ、何期待してたんだ俺は。。。情けねぇ)
「はあ、なんだかわかりませんが、それでよろしいですか?」
「あ、ああ、だが一つお願いがある」
「護衛を付けてくれないか?」
「おいおい、まさか、そんなに危険なのか?」
「おう、まだ確定ではないが大体原因の見当はついているからな」
「わかりました、護衛を付けていただけるようトラ様にお願いしてまいります」
「トラって誰だ?」
「え、お前貴族の名前知らずに4日も泊めてもらってたのかよ。嘘だろ」
(あ、あのおっさんトラって名前だったのか。。。)
「いや、普通におっさんって呼んでた」
「普通に引くわ。。。」
「あ、あと護衛のことだけど良ければ俺が行くぞ?」
「こう見えて村随一の体術の使い手だからな。剣道もそこそこ」
「それは心強いな。ぜひ一緒に来てくれ」
翌日、俺はシュンと他数人を連れ付近で神隠しが報告されている場所へ行った。
俺は前に言った通り誘拐説が濃厚と踏んでいる。
が、一つ引っかかる点があるとしたら。。。
『実は被害にあっているのは老若男女バラバラなのだよ。』
男が女を誘拐するのはよくあることだ。では男をさらう理由は?
強制労働?
いや、それならわざわざ体力の少ない子供や老人をさらう必要もないだろう。。。
「なあシュン、俺は強制労働のための奴隷集めが理由の誘拐事件と踏んでいるんだが、お前の意見を聞かせてくれ」
「ああ、正直俺もそう思うぜ。しかし。。。」
「なんでお前もついてきてんだよヒナ」
「足手まといになるからついてくるなとあれほど言っておいただろうが」
「こう見えても私、兄に次いで村で二番目に体術が――」
「はっはっは!冗談はいいからw本当の理由を言ぶふぉ"あ"ぁ!?!?!?」
ヒナの膝蹴りが。。。男の。。。大事な。。ところに。。クリーンヒット。。した。。。
シュンが笑いながら自分の股間を抑えている。。。
「私はぁ、体術がぁ、兄に次いで村で二番目に強いんですよぉ(笑み)」
(お、女ってやっぱこえぇ。。)
豹変したヒナを見て俺は震え上がった。
同時に、もし誘拐犯にあってもこの二人がどうにかしてくれるだろうという心強さも感じた。
いや、俺だけおいていかれる可能性も。。。いやいや。今はそんなこと考えないでおこう。
「着きました。一件目の被害者家族宅です。被害者は山に狩りに行ったところ、そのまま帰ってこなかったそうです」
「ってことはこの山で動物か、はたまた人間に襲われた可能性が高いわけだ」
「ああ、そうなるな。しかし上坂、どうよこの山。なんだか変な感じがしないか」
「ああ、この山は普通に見えるのだが、本能のような何かが入ってはならないと伝えている」
(なんなんだ、この違和感は。幽霊が出そうな感じもない。この辺に大型の獣は出ないと聞いたし。)
俺ら一行はそんな違和感を感じながらも山に足を踏み入れるのだった。
今回は少し小説の勉強をして書き方を改善してみました。
逆に読みにくくなってないかな。
次話お楽しみに。