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日本国、異世界へ。(旧題 異世界転移は唐突に)  作者: スライム小説家
第二章

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47話 YOU(揚陸艦)は何しに艦隊へ

 護衛艦いせ CIC


「F35B部隊から連絡です!敵軍の大規模駐屯地への爆撃に成功とのこと!」


 船員の報告に、室内全体が沸く。


「おお!上手くいったのか!」


「無誘導でよくやれたな!流石空自だ!」


 だが、そんな空気を群司令の竹沢はバッサリ。


「そりゃ当たるとも。何せ敵は何万もの大軍が巨大な陣地に集まっていたわけだからな。無誘導爆弾と言えど当たらないわけがない。………当たらなければそれはそれで大問題だろう?」


「そ、そりゃそうですが………にしたって、何で制空権を確保せずに爆撃させたんです?危険じゃないんですか?」


 艦長の前田が、竹沢にそう問いかける。

 それに対する彼の回答は、予想外なものだった。


「それがな。敵の主力の航空戦力はアークドラゴンという飛行生物らしいのだが」


「ああ。インベルド王国が使っていたのと似たようなやつなんですっけ」


「その通りだ。で、そのア―クドラゴンの性能なのだが、相当に低いらしくてな。武装は小銃レベルの威力らしい火炎放射だけ、最高速は時速400kmほど、限界高度は3000フィートほどに過ぎないらしいんだよ。おまけに、レーダーに関してもまだ実用化に至っていないようで、わざわざ制空権を取るために敵機を撃墜する必要はないということらしい」


 竹沢の語ったその内容に、問いかけた前田も絶句である。


「それじゃ、そもそもある程度の高さにさえいれば絶対に撃墜されないということですか!?」


「ああ。それと、ここだけの話だが上層部はミサイルを温存したいようだぞ?何せ海外からの輸入品や部品が手に入らなくなったからな。全部自前で用意できるように色々やってはいるらしいが、派手に使うと在庫が厳しくなるんだろうよ」


「う、うーん………そういうことなら分かりますけど………」


「今回の爆撃も、そこまでの被害は与えられていないだろう。これはあくまで敵に心理的な動揺を植え付けるための爆撃なんだから、ほぼ被害を与えられなくても良いんだろうよ」


「う、うーん………」


「まあ、この話は一旦終わりだ。とりあえず、今日はもうこれで任務はないからな。後はこっちへ来る敵部隊がないか見張るだけだ」


 竹沢がそう言うと、前田はさらに驚く。


「えっ!ついてきてる揚陸艦の連中は何しに来たんです?爆撃だけなんて中途半端な」


「まあ、総攻撃と上陸はまだ待てということらしいからな。我々はその通りにやるだけさ」


 あっけらかんとした態度で竹沢はそう言うが、前田は納得がいっていないのかうーんとうなっている。


「………連合も本当に動くのかね」


「何か言いました?」


 前田が、竹沢へそう聞く。


「いや、何でもない。それより、今日の昼飯はなんだ?」


「何でしたっけ、えーと………」


 和気あいあいとした会話は、とても戦争中の軍人とは思えないものだった。

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