表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本国、異世界へ。(旧題 異世界転移は唐突に)  作者: スライム小説家
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/103

35話 嵐は去った………去った?

(sideライリア)


「ほ、本当に、本当にやるんですか?」


「大丈夫、これに書いてある内容を君の通信魔法とやらで伝えてくれればそれで良いんだ。これが終わったらご褒美を上げよう。お金が良いかい?宝石の方が好きかな?それとも広いおうち?」


「………子供扱いはやめてくださいとは言いましたが、そういう生々しいのも嫌ですね………」


 たった今、私は大仕事に取り掛かろうとしていました。


 二ホンのメッセージを、何者かに通信魔法で伝えるという大仕事をです。………その何者かが普通の相手じゃないのは読めています。余程の魔力の多い相手出なければ使えない私の通信魔法がわざわざ意思疎通の手段として抜擢されるということは、相手がとんでもない魔力を持っているのはほぼ確定。

 そして、普通こういう場合に使うような魔法通信機が使えない相手となると。


 恐らく、かなりの実力を持った魔族でしょう。

 下手に無礼を働けば、私が死ぬ。


 そんな風に考えていると胃がキリキリと痛んでくるのですが、泣き言は言っていられません。


「それじゃあ、始めてもらっていいかな?」


「え、ええ。やりますとも、やります」


 周囲に二ホンの人たちが集まり、緊張感の漂う中で、私は通信魔法を発動しました。



『名も知らぬそこの強きものよ!私の名はライリア・セールフアラ!二ホン国の貴方への意思表示のためにこうしてあなたへ呼びかけている!もし聞こえていれば何りゃかの返答をしていただきたい!』



『うむ、聞こえているぞ!ところでなんりゃか?とは何なのだ?』


 即座に帰ってくる少女の声。




 …



 …



 …



『聞こえているのなら宜しい!二ホン国はあなたと戦うつもりはないが、あなたが二ホンの戦闘機を撃墜したのではないかと考えており、イマイチあなたを信用しきれていない!また、現在は二ホン側の都合もあるのでとりあえずあにゃたには帰っていただき………』


『あにゃた?』




 …



 …



 …



『しゃ、しゃん………3か月後にまたこの近海でまた連絡をとりあおうということに』


『しゃんか月後………ふ、ふふっ。ああ、それでもワタシは別にいいぞ!これでも数億年は生きているのだ、その程度なら全く構わないぞ!……にしても…ふふっ…ふふふっ…』




 …



 …



 …



『黙れクソガキいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!!!!!』


『わ、悪かったのだ!悪かったから帰るのだ!』


 そして突然、通信魔法の発動が停止しました。恐らく少女の魔族は去っていったのでしょう。


 ………今のめっちゃ失礼だったのでは?



 …



 …



 …



「みーなさん♪無事、友好的に、仲良く、和気あいあいとした雰囲気で終わりました♪」


「おお!そ、それは本当ですか!?では、そこの紙に記した内容も全て………」


「はい♪快諾してくれましたよ♪」


 わ、私は悪くない。私は何もしていない。


 ともかく、私の『正確』な報告を聞いて、周りの皆さんも喜んだり何かを話し出したりと様々な反応をしている。



「よし。とりあえず、これで帝国に専念できるな」


「ああ、だが、例の相手が何なのかについても対策を………」


「クラート王国側に連絡したのだが、やはり『魔族』の可能性が高いらしい。それを踏まえると~」


「しかし、ライリアさんの通信魔法は魔力とやらがそうとう高い相手にしか使えないのだろう?そうすると相手も魔力がたくさんあったということか………空飛ぶヒト、魔力………ファンタジーだな」


 難しそうな話が多めで良く分かりませんが、とりあえず反応は悪くなさそうです。


 ………これで良い、これで良いんです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ