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日本国、異世界へ。(旧題 異世界転移は唐突に)  作者: スライム小説家
第二章

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閑話 ラファー共和国議会 議案11「対アグレシーズ帝国牽制の為の艦隊派遣について」

 日本から西に10000km程離れた位置に、トーリブ大陸は存在する。トーリブ大陸にはいくつかの大国が存在するが、その中でもラファー共和国は突出した科学力を持っており上位列強として世界最強の候補にも挙がるほどだ。


 そんなラファー共和国の議会では、ある案について大もめしていた。


「ここ最近のアグレシーズ帝国による他国への侵略は目に余ります!協和党としてはここは我が国の誇る海軍によって帝国へ牽制を行うべきと考えます!」


「発展党としては反対だ!帝国を刺激して万が一戦争となってみろ。我が国のヤーロピアル大陸との貿易がより難しくなってしまうだろう」


「話によれば帝国は獣人やドワーフなどの亜人を奴隷のように扱っているそうです!彼ら彼女らの置かれた厳しい状況を見過ごしてはなりません!」


「それはそうだが、戦争となればろくなことにならんぞ!」


 ラファー国の中でも特に大きい勢力である協和党と発展党は、アグレシーズ帝国に対してどう出るかで真っ向から対立している。


 というのも、協和党の支持基盤は一般市民であり、当然ながら帝国の非人道的な行いを良しとしない世論にそった主張をしている。

 それに対して発展党は商人などからの支持が厚く、商人たちの戦争になれば貿易がしにくくなるという意見を元に今回の件を静観しようという考えが主流なのだ。


「では、議案11号に関する議員投票をいたします。各議員は投票箱へ賛成か反対を書いた紙を投じてください」


 議長のそんな一声と共に、各議員たちが列に並び次々と投票箱へ紙を入れていく。

 投票は十分程度で終わる。そしてすぐに、開票が行われて結果が議長の口から発表される。


「議案11号、セラバダ海への共和国第二艦隊の派遣は議員投票の結果、


             賛成261票・反対150票で可決と致します!」


 途端に議員たちがそれぞれ好き勝手に喋り出し、場は収拾がつかなくなる。


「議員諸君、落ち着きたまえ。こうも騒々しくては国家の代表として示しがつかないとは思わんのかね」


 大統領であるホドムスがそう呼びかけを行うが、収まる気配が一向にない。


「艦隊派遣をする必要など微塵もない。協和党は狂っている!」


「発展党は金の亡者も同然です。彼らは他の国の人々などどうでもいいのでしょう!」


「何を言う!」


「ふざけないでください!」


 言い合いはヒートアップして、ついには数十人ほどの議員での掴み合いにまで発展してしまう。


「で、では本日はこれで審議を終了と致します!ラファー共和国と国民に自由あれ!解散!」


 議長が慌ててそう言うが、興奮している一部の議員たちは聞く耳を持たない。結局、警備員が彼らを取り押さえるまで掴み合いや殴り合いは続いたのである。

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― 新着の感想 ―
[一言] ちょっと言葉が足りなかったみたいですね。 「ラファー共和国の直面する問題は自動的に解消される」とは、「アグレシーズ帝国が日本に惨敗し、アグレシーズ人がやっているような人種差別は、永遠に消滅す…
[一言] ところが、アグレシーズ帝国は日本に戦争を仕掛けて惨敗し、ラファー共和国の直面する問題は自動的に解消されるわけですか。
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