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13話 二ホン攻略作戦会議

「これより、二ホン攻略作戦に関する帝国軍会議を開始する!」


 軍部大臣であるシャーカーの一言で、会議は始まった。


「まずは、二ホンについて現段階で判明している情報を諸君に把握してもらおう。カルロ、アレを配れ!」


「はっ。了解いたしました」


 シャーカーが部下のカルロにそう命じると、カルロや小間使いたちが、部屋に集まった帝国軍人に書類の束を配っていく。配り終わったのを確認してシャーカーは再度話し出す。


「まずは1ページ目を見たまえ。そのページには二ホンのおおよその位置と、二ホンの同盟国の位置が地図に載っている。二ホンの国土の形や詳細な位置に関してはいまだ不明だが、その海域に存在することは間違いないだろう」


 それを聞いて、軍人たちは書類の表紙をめくって1ページ目の地図を見る。


「二ホンはウィストラ大陸の北西に位置するのか………」


「この地図で見る限り、二ホンは国土が大きくなさそうだな」


「新興国だし、当然ではないか?」


「なぜ聞いたこともないような小国相手にここまで準備を……」


 軍人たちの反応は、ぼちぼちといったところであろうか。彼らにとっては、聞いたこともない小国をひねりつぶすために何故こんな会議を開くのか不思議なのだろう。


 だが、そんな彼らの認識は次の瞬間に打ち砕かれることとなる。


「次に、2ページを見てくれ。二ホンの兵器の性能や見た目などの情報が載っている」


 その言葉を受けて、それぞれがめくって次のページを見てみる。


「こ、これは本当なのか!?金属の艦艇が二ホンにあるとなると、厳しいのでは……」


「砲の射程は10kmほどか。我々の5倍近くあるな」


「こんな兵器が本当に……?」


 そこに記載された二ホンの兵器の性能は驚異的なものばかり。帝国軍人たちに動揺が広がる。


「落ち着け。確かに二ホンの技術は高く兵器の質も良い。だが、連中の『チナーク』なる飛行機は我々のアークドラゴンほどの空戦能力はないし、兵器の数も少ない。帝国軍全力の初撃で奴らを圧倒するのだ!」


 そんなシャーカーの威勢のいい発言に彼らも落ち着きを取り戻す。


「な、成る程……」


「最初の一撃なら、相手も準備を出来ていないところへの奇襲になる。それならいけるぞ!」


「制空権を取って、空と海からの同時攻撃をすれば連中の軍艦もあっさり沈むに違いない」


「砲が一門だけの軍艦など恐るるに足らずだ!」


「良いか諸君!二ホンは強いが我々が総力でかかれば勝てる相手だ!力と数でねじ伏せてやれ!」


「「「「おお!」」」」


 ヤーロピアル大陸最強であるアグレシーズ帝国軍。彼らは自国の運命をかけた一大決戦に臨もうとしていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「知らないということは恐ろしい」のひとことですね。 日本がこの世界で見せた力など、その本来の力のごく一部でしかない。 アグレシーズ帝国が日本に挑むなど、ライオンに仔犬が吠えつくようなもの。…
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