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「小説家になろう」以外掲載の作品の評論集  作者: そら・そらら


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96/116

96.色彩に歌い舞う、白き瞳の花嫁 ―火に灯る心―

【タイトル】色彩に歌い舞う、白き瞳の花嫁 ―火に灯る心―


【作者】葛西藤乃


【掲載サイト】カクヨム


【URL】https://kakuyomu.jp/works/16818093083626491962

RTした人の小説を読みに行くで応募があった作品。10万字程度で完結していて読みやすそうだから選んだ。募集すると、かなり気合が入った長編とかも送られてくるのだけれど、これくらいの長さが手軽に読めて良いなって思ってしまう。10万字でも十分な長さなんだけれどね。文庫本一冊分には少し足りなくても、それくらいの満足度を与えてくれる数字だ。


ちゃんとした話を始めて、しっかり終わらせる。そういう意味で満足できる。




今作は、大正くらいをイメージした和風ファンタジーもの。ただし文脈的には異世界恋愛的な作品なんだと思う。そして説明にもある通りシンデレラ的な話でもある。


虐げられていたヒロインが王子様に拾われるという要素が、それにあたる。男キャラは王子ではなく貴族的なやつなのだけど、それでもシンデレラな話なのは間違いない。ヒロインとヒーローがどう絆を深めていくかに焦点が置かれるから、恋愛ものだ。異世界恋愛をあんまり読んでないのだけれど、なんとなくそういうのが多いイメージだ。


カップルの両方ともが、かなり奥ゆかしい性格をしているのが特徴的だと感じた。

ヒロインもヒーローも、それぞれの家庭の事情から遠慮がちに相手に接している。相手のことは好いているが、なかなか本心を打ち明けられない感じは、恋ってものを端的に表していて良いと思う。ふたりの距離が近づいていくまでの悶々とした気持ちを主題として書く感じは、いかにも恋愛ものっぽい。


奥ゆかしすぎて、ちょっと話の進みがもどかしいという気もした。描写が丁寧で美しいのだけど、そこを、もっと踏み込んで相手とよく話し合え、みたいな気持ちにもなってくる。これは完全に好みの問題だけどね。僕の好みは、好きな気持ちを爆発させてストレートに告げるタイプのキャラだ。

とはいえ、こういうのもありだと思う。不器用な二人の恋路は、ちゃんと読んでいて面白いから好きだな。


サブキャラクターがそれぞれ濃くて、そっちの方が好感を持てた。それぞれが主役のスピンオフとかあれば、それはそれで興味がある。よかったら検討してみてほしい。みんないいキャラしてるんだよね。


そして続きを書ける感じで終わらせているので、ちょっと期待している面もある。そんな話だった。

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