81.アンビバレント・ヘル
【タイトル】アンビバレント・ヘル
【作者】落水 彩
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16818093076163422297
引き続き、ハッシュタグで募集した作品。2万字ほどで完結している短編作品だ。
この分量の中で起承転結がかなりしっかりしている。短編の魅力が詰まっていると言っていい。
生者の願いを叶えて魂を貰う悪魔と、それに願いを託す少女の話。
幼く、物事をよくわかっていないが善性に満ちている少女の描写がいい。幼すぎて舌足らずながら、それで己の主張は貫き通す。それに悪魔が感化されていく。
悪魔は文字通りの存在であり、普段は邪悪な人間の魂を刈っていたのだけれど、それが異質な相手と出会うことによる変化を書いていく。
考えてみれば、よくある話なのかもしれない。力はあるが荒んだ心の男が、少女と出会って心境を変えていく。たとえば「レオン」とか。「SCP-120-JP」とか。
普遍的なテーマだからこそ、こういうのは名作になりえる。
ふたりの交流の暖かさにも主題を置きつつ、ラストは強敵との戦いになる。戦闘シーンはラノベっぽさもありながら、これまでの描写も反映していて堅実な作りにもなっており、楽しめた。
願いが叶えば魂は奪われて死ぬ。そのルールに幼い少女だからと例外が認められるわけではない。そのルールを適用した上で、どう話の着地をつけるかも見どころであり、なかなか良い終わり方をしていると思った。よく出来た作品だった。




