80.俺の脳ミソを喰って行け
【タイトル】俺の脳ミソを喰って行け
【作者】外清内ダク
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16817330647877161380
引き続き「あなたの作品をプレゼンしてください」タグで募集した作品。
応募要項は、20万字以内の作品というもの。だから連載作品でそれなりの大作を持ってくる人もいれば、短編を持ってくる人もいた。こういうの、個性でるよなあ。「#RTした人の小説を読みに行く」タグでも、ものすごい長編を送ってくる人がいるんだよ。
いや良いんだよ。僕が条件つけてないから。送ってくるのは自由だし、良さそうだったら僕も読むから。ただまあ。数百万とかある大作を読んだってなった時に、なんかこう、すごいって言ってもらいたい気持ちもあるというか。
その点では、こういう短編を送ってくれる人は好きだな。読むのが楽というのは当然あるけれど、物語の起承転結を短くまとめた物語は、それだけで読んで充実感がある。
そして今作は、その点で満足のいくものだった。短編としての魅力に溢れている。
2万字程度の短編。なかなかに密度が濃いという感じがして、読み応えがあった。密度とは登場人物の成長や変化の描写という意味でもあるし、作り込まれた設定の多さでもある。
魔法学校で落ちこぼれの先生と生徒が出会う。生徒はたぐいまれなる才能を持ちながら、それを活かせないでいた。その才能を開花させることで己の評価も上げようとする下心を持つ教師の心情を追いかける話。
奇妙なタイトルが、ちゃんと意味を持つ展開になる鮮やかさがいい。
実力主義である学校の、どこか閉塞感あふれる感じとか、その中で断片的に語られる魔術の理論的なお話みたいなのが、ちゃんと設定を作ってるっぽい雰囲気を出していて、すごく良かった。
肩苦しい場所だという描写もうまく、故に一筋の光明を追いかける期待と絶望に心を揺らされる。
しかし天才はあくまで天才であり、何らかの刺激を受けてその才覚を開花させれば、周りの凡人など追い越して急成長する。おいて行かれるのは、教えを授けた師も同じ。
弟子はいずれ卒業して羽ばたいていくもの。当たり前のことが、しかし寂しく思えてくるという書き方、すごく良かった。
物語としては、ちゃんとハッピーエンドになっているのも好きなところ。
期待して、絶望して、話が盛り上がって、ちゃんと終わる。それをこの文字数のなかできちんと表現できているのが、上手かった。短編の醍醐味というのは、やはりこういうものだと思う。




