72.一閃断空のバーサーカーナイト
【タイトル】一閃断空のバーサーカーナイト
【作者】かむや
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16817330652382397195
ロボットアニメが流行っている。イサミがかわいそうな、スーパーロボアニメだ。
あのアニメは特殊な部類だと理解しつつ、でも僕らみたいなかつての男の子たちの小説書きは憧れるものなんだ。ロボット作品を書きたい。ロマンあふれるスーパーロボットも、理論的なリアルロボットも書きたい。できればその中間の、どっちのファンも唸らせるような名作を書きたい。そんなもの簡単に出来るものではないと思いつつ、書きたい。
翻ってweb小説界隈では、そういうロボットものってあんまりないよなあ。あるのかなあ。そんな疑問をXで投げかけてみた。
軽い感じの問いかけだ。自分でもロボットものを書きたいなあって思っていたから、前例はあるのかなと思っての問いかけだ。
すると途端に大量のリプライが飛んできた。みんなロボット好きなんだなあ。
ナイツ&マジックという作品があると多くの人から教えられた。知っているとも。名作だな。スパロボ参戦まで果たした傑作だ。けど、他には?
いくつも教えてもらったうちのひとつが、このひとつ。自薦だ。ロボット作品はweb小説界隈ではまだまだブルーオーシャン。そんな中で燦然と輝く作品だ。読んでみた。なるほどおもしろい。
完結作品……ではあると思う。第一章完という書き方だし、ストーリー的にもキャラクター的にも書ききれていない感じはする。そんな、18万字弱の作品。
宇宙を舞台にした学園ロボットもの。キャラクターの年齢層は全員がティーンで若めだけど、リアル志向の世界観とロボット描写と政治的駆け引きが良かった。
ワームビーストという敵性生物によって地球から追い出され宇宙での生活を強いられることになった人類が、ロボットを駆ってワームビーストとの戦いに挑む話。複雑な事情によって戦いに参加することになった少年と、参加させた少女を中心として話が動く。
ロボットを動かすのはうまいが、戦闘はさほどうまくない。主人公であるラスターという少年は、謎めいた経歴を持つような描写がされている。ここがうまい。他の登場人物たちも抱く違和感が読者にも共有されて、主人公なのに謎という怪しい立場を見せることで話に引き込んでいく
ミステリアスでありつつ、話をどんどん引っ張っていくから気にならないというバランスが良かった。主人公が魅力的なのがいい。生意気なクソガキだけど思慮深さもあって、欠点を持っているのだけどそれが気にならない感じの造形がいいな。
彼がロボットを動かして戦闘に臨むシーンも良かった。その性質がどのようなものか、設定に忠実で、緊迫感ある戦闘シーンが繰り広げられる。タイトルが意味することもだんだんわかってくる。上手い描写だと思う。
主人公以外の戦闘も、よく出来ていて好きだ。
一方で、物語に挿入される政治的なやりとりのくだりも、よく出来ているとは思う。よく出来てるけど、戦闘シーンやそこに付随する技術的なシーンと比べると落ちるかなという感じがした。盛り上がる戦闘に入るまでが長いというべきかもしれない。
ラスターと対比して、政治的な応酬担当のカンラギという美少女は、ラスターほど欠点が見当たらないから魅力を感じなかったのかもしれない。主人公とヒロインの関係が完全な協力体制じゃないのも一因かな
でもカンラギさんはサービスシーンが多いから、絵がつくと僕は逆に好きになってしまうかもしれない。
いやでも、とても面白かった。引き込まれた。小説でもロボットものはいけるんだなと思わされた。
他にもロボットもの作品はいくつか見受けられたから、今後も読んでいこうとおもう。そしていつか僕も書きたいと思った。




