7.Dawn(夜明け)
【タイトル】Dawn(夜明け)
【作者】突撃レーザー
【掲載サイト】スーパーロマンチカBEEP
【URL】https://super-romantica-beep.jp/Diary/Dawn.htm
読んだ。
これは小説(白目) 個人サイトに掲載されている(白目)小説投稿サイトではない(白目)
という構文(突撃構文)でTwitterをやってることで一部界隈にも有名な突撃レーザーさんの書いた短編小説。
もちろんこれは至って真面目な小説で、突撃構文で書かれているわけではない。けれどこの形容詞し難い小説の中には、たしかに突撃レーザーさんの精神が確かに息づいている作品である。
端的に説明すると……なんなのだろう。これは。説明できない。
最初から崩壊して未来のないコミュニティに訪問した三人の姉妹の登場から物語は始まる。
彼女たちは作中で宗教で祭り上げられる神とも悪魔とも呼ばれるが、それはいずれも他者からの評価に過ぎない。本当はなんだったのかは明かされず、ただ人智を超えた存在だと書かれるだけ。その不気味さが、物語の余韻に直接繋がる。
三姉妹による終わりかけていた街の延命は、老人たちに幸福を与える。しかし延命と呼ぶには歪なほどの長生きを強いることとなる。
人が生きられる長さ以上に生きることを強いる悪辣さが恐ろしく、外から見ればそれは恐ろしいディストピアである。ただし本人たちは幸福なユートピアに暮らしていた感覚だ。この二面性が正しいのか否かについて、物語の中では結論を出すことはない。それを投げっぱなしとは言うまい。簡単に答えは出せないし、読む者によっても答えは違うだろうから。
外からの来訪者によって始まった理想郷は、やはり外からの来訪者によって唐突に終わる。ただ姉妹だけが残る。でもたぶん、そこから先こそが真の理想郷と言えるのではなかろうか。僕はそう考えた。
姉妹が何者かは、最後までわからない。だが圧倒的な存在感をもってして、そこにいる実感がある。それが最も重要なことではないだろうか。
投げっぱなしというか、突き放したような展開ながらも、奇妙な余韻が残る良い短編だった。