69.Resonance
【タイトル】 Resonance
【作者】緋那真意
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16817330669661000809/episodes/16817330669661030390
短編小説を応募したら来た作品。自薦作品だ。4000字ちょっとで、すぐに読めてしまう分量。
少女ふたりの視点から書かれる、お互いが出会うまでのお話だ。
どうやらこの作品、原作があるらしい。それも歌だそうだ。
小説を元に楽曲を作った例だと大ヒットした「夜に駆ける」が有名だけど、逆もあるものなのだなあ。
調てみたら作詞者のSNSアカウントは見つかったけど、残念ながら曲を聞くことはできなかった。アカウントでこの小説に言及していたから、間違いはないと思う。
なるほど、歌詞を元にしているというのはよくわかる作品だ。この短編小説は、実にシンプルな構成になっている。
歌詞というのは節をつけて歌うという前提で作られているために、制約が多い。その中で物語を作るのは普通に小説を書くよりも難しいだろう。故に、言葉選びに気を使い無駄なものを削ぎ落としたシンプルな文章となる。
それに最小限の肉付けをした。そんな印象の作品だ。
メインキャラクターであるふたりの視点がかなり目まぐるしく入れ替わりながら物語が進んでいく。
ふたりはどちらも孤独を抱えていて、その孤独を癒やす方法としてそれぞれの手段を取ることにする。その方法により変わっていく心情を追いかけることにフォーカスを当て、他の部分は必要最小限の描写にとどめている。
途中途中に他の登場人物も出てきたり言及されるけど、その書き方もとても簡素なもの。そしてふたりを導く道しるべに徹している。
ファンタジーな要素はないけれど、不思議な縁が結ばれていく感じはどこか非現実性もあって、童話みたいな感じで読めるのもいい。それも簡素さ故の効果だろう。
メインキャラの心情描写も複雑なものではなく、シンプルにしかし理解しやすいものになっていて。上手いなと思う。
最小限の情報で物語にしているという印象の作品で、おもしろかった。




