62.傷もつ僕ら
【タイトル】傷もつ僕ら
【作者】あやとり
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16817330662982491277
カクヨム掲載の作品が続くけど、わざとではない。やっぱりweb小説サイトでは、小説家になろうに次ぐ規模だし、そこのサイトが多いってことだろう。
なろうユーザーではないが複数のサイトを使っているという人も、そこにカクヨムが含まれているパターンがものすごく多いのだと思う。
というわけで、カクヨム掲載の能力系バトルもの小説が今作だ。同時にボーイミーツガールな感じもする青春ものでもある。
少年が唐突に非日常に放り込まれて、それでも前向きに生きようと戦う。ざっくり説明するとそんな物語。
主人公は幼き頃の因縁により、ツギハギのような傷を持つ恐ろしい外見の高校生と設定されている。名前からしてもフランケンシュタインの怪物がモチーフなのだろう。忌むべき過程で生まれたそれは、しかし心優しい性格をしていた。平穏な人生を送れていたかもしれない彼だが、世界はそれを許さない
事件が起こり、己の真の力を知り、少女と出会う。そして多くの仲間たちとの新生活を始めて、秘密機関にも関わる。ラノベチックなお話で、なかなかすんなり物語に入っていけた。
登場人物にも特殊能力者が多く、それぞれが個性的で物語の雰囲気は楽しいものだ。
一方で、能力者たちも己の特異な力の裏に影があるような描写もある。まだ全容が明かされたわけではないけれど、能力とは便利なだけのものではないらしい。
力にある光と影。それでも、自分の日常を脅かす悪意と戦うには能力を使わざるをえないジレンマ。
「傷もつ僕ら」というタイトルは、傷だらけの主人公だけを表す言葉ではないのだろう。きっと誰もが傷を抱えている。それを押し隠して戦い、日々を生きている。
その姿が眩しいと思った。
心優しいフランケンシュタインの怪物は、自分の日常を守ることができるのか。そして出会った少女との恋の行方はどうなるのか。
オーソドックスなラノベっぽい話ながら、かなり楽しめる作品だった。




