54.八時の魔法~記憶喪失の僕は、猫になってクール系タラシの女子大生に拾われる~
【タイトル】八時の魔法~記憶喪失の僕は、猫になってクール系タラシの女子大生に拾われる~
【作者】水涸 木犀
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16816700429221531909
半年ほど前にTwitterで、#RTした人の小説を読みに行く で募集した所、来た作品のひとつ。
僕がこのタグをやるのは、ひとつはこの評論や、なろうのイチオシレビューを書くためのネタを探すため。小説を読んでほしい人たちに喜んでもらえる瞬間を楽しみに書いている。Twitterなどで、喜びの声を伝えてくるのが良いなと。
それから、自作の宣伝も兼ねてたりする。よかったら読んでねという感じで。大事なことだ。
今月24日に、また新規に募集をかけるつもりなので、よかったら応募してほしい。
やるたびに大量に来るから、全部読めないのは残念に思っている。中には数十万字もある大作なんかも送られてきて、それを最新話まで読んで感想を書くのは時間がかかるからだ。
例えば、最初の一万字だけ読む、とかの方針なら全員分読めるし、そういう募集をかける人もいる。そうやって書いたレビューの数を稼ぐ人もいるだろう。個人的には、その作品の魅力を知るには全部読まなきゃと思っているので、必然的に読む作品数に限界が出てくる。頑張って読んでるのだけどね。
そういう前置きを長々とやったのは、新しく募集をかける前に、前に来た作品を消化しておきたいなと考えてこの作品を選んだ、ということを説明するためだ。
カクヨム掲載の、10万字で完結している現代ファンタジー。
記憶を失い、一日の半分を猫として過ごすことを強いられた男が女子大生に拾われ、奇妙な共同生活を送るお話。自分は人間のはずだけど猫の姿としてこの世界に存在して、しかも毎日午前と午後八時を区切りに人間と猫の姿が入れ替わる。そして、自分が何者なのかわからない。そんあ状況に放り込まれた主人公の困惑が面白い。描写も、リアリティがあってよかった。
メインのストーリーは、男の正体や猫化の性質の謎を追うこと。しかしミステリーというよりは、優しい感じの日常生活を描写するパートに力が入っている。
謎が解かれた後にも彼の人生は続き、その時に必要になるのが同居パートの思い出だからだ。ある人間の人生に焦点を当てたお話なんだよ。
だからこれは、ミステリーではなくファンタジー。暖かな雰囲気に包まれている、優しいファンタジーだ。不穏な展開や登場人物の悩みなんかが容赦なく襲ってくるけれど、最後は綺麗に終わっているのがとても良い。
タイトルにある通り、ヒロインがクール系の人たらしなキャラをしている。雰囲気に反して、今どきのweb小説っぽい軽い感じの文章タイトルだけど、これが物語の重要なポイントだ。
このキャラ故に、男との同居という普通ではない展開を可能にしている。不思議な子ではあるけど、とてもわかりやすい性格の子で、謎多き主人公との対比になって内面を変化させる構図が、とても好きだな。




