41.読書の秋
【タイトル】読書の秋
【作者】ルト
【掲載サイト】四季ノ国屋 超時空支店
【URL】http://www7b.biglobe.ne.jp/~marboh_plus/10_gatu.html
久々にカレンダー小説企画の短編。最近、他の作品を読むの優先してたからね。気になる作品はたくさんある。別にカレンダー小説企画のことを忘れてたわけじゃない。というか、ペース的にはこれくらいゆっくり楽しんだ方がいいのではないかな。
当月のやつを読もうということで、10月の作品。作者のルトさんは、なろう内にアカウントを持っているけれど、数年前から活動の痕跡がない。Twitterアカウントは今も生きてるっぽいな。息災でなにより。
ちょっと構成に驚いた一本だった。
10月のイベントといえばハロウィンが思い浮かぶし作品内でも言及されているけど、本作のテーマはタイトル通り、読書の秋。というか秋そのものと言うべきかな。
この短編企画全体のゆるい繋がりとして、時空を超えてあちこちの世界に書店員が出没して、それぞれの作品にちらりと出てくるというものがある。今作は、そんな書店員さんに焦点を当てて主人公とした作品だ。
他の作品とは少し違う枠からの書き方に驚いた。けれど先日企画主さんから、この書店員の存在を教えられた後にこの短編を読むことができたのは僥倖と言えるな。
書店員が10月のテーマは何にしようと悩むというメタ的な構成もしつつ、異世界の獣人を相手に自由に振る舞う姿が主題だ。そう、舞台は異世界である。これも驚かされた。
そこの本屋さんで、妙にこちらの世界と似通った秋の味覚を食べる下りが好きだな。突然の異界からの訪問者に驚きながら対応する獣人の書店員のキャラもよくできている。
異世界だけど共通の話題は存在する。そこで人は通じ合うことができるわけだ。
もちろん異世界ゆえの、こちらの世界との常識の差が驚きを作る場面もある。共通項と差異のバランスがよくできていると思う。
そして読み終われば、タイトルの読書の秋以外にも、秋の楽しみを散りばめた作品なのがわかる。メタ的な視点で読者に驚きを提供しつつ、そのワンアイディアだけで終わらないまとめ方をしているのが、良かった。




