39.鬱持ち底辺web作家が、書籍化から打ち切りになるまで
【タイトル】鬱持ち底辺web作家が、書籍化から打ち切りになるまで
【作者】ぽみー
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16817139556557161303
あまり喧伝していないことだけど、僕は書籍化作家である。喧伝しないと言っているけどマイページの自己紹介の欄にはしっかり書いてあるし、Twitterのプロフィール欄も同様だ。一冊だけ出して続きが出なかった打ち切り作家だけど、その栄光を大事に書いているというのは情けないことかもと自分でも思う。
たった一冊だけだぞ。そこまで立派なことでもないぞ。そんなに自慢することだろうか。そんな葛藤もあるけど、書籍化した事実は間違いなく誇るべきだ。実際、いい思い出だし。そこに至れない作家志望は大勢いるのだから。
でも、一冊だけでそこまで大喜びするのは……。以下、無限に思考がループする。
なにをこんなに、自分の心情のことなのに煮え切らない態度になるのか。それに答えを示してくれるのが。本エッセイだ。
書籍化されたにも関わらず、打ち切りを食らって病んでしまった作者のエッセイといえば、名もなき多肉という方が描かれた作品が有名だ。残念ながら作者の手で削除されてしまったのだけど、ネットで探せば一部の文章が見つかることだろう。そんな感じの鬱々とした文章を、このエッセイにも予感していた。実際、なんとなく破滅的な雰囲気を感じさせるタイトルとキャチコピーだ。
けど、そんなことはない。書籍化の際の苦労はあるけれど、ちゃんと乗り越えられるよという前向きなエッセイだった。
小説を書く前から、出版時や打ち切りを食らった時の心情を叙述していったエッセイ。前半は主に不安。次第に、不安を乗り越えていく術についての話題に移っていく。
書籍化して商売の世界に飛び込んでしまう厳しさは確かにある。自分の小説が誰かに認められたという嬉しさや、もっとビッグになるのではという期待はつまり、夢が儚く散る不安と隣合わせだ。ネット上には心無い読者も、自分よりもうまくやってる成功者も大勢いる。確かに辛いことだ。
辛いけど、そんな辛さを直視する必要なんかない。気付きにくいことだけど、対処法は簡単だ。それで、気は随分楽になるものなんだ。
これは、これから書籍化する誰かに対するエールだ。恐れることなんか何もない。堂々と自分の作品を世に出せばいい。それって素晴らしいことじゃないか。僕はそう読み取った。
この作者は残念ながら打ち切りを経験してしまったわけだけど、ちゃんと立ち直れたし今も創作を続けている。そういう意味で誰も不幸になんかなっていない。
だから君たちも恐れるな。そういうお話だ。読めば元気になるエッセイだった。




