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「小説家になろう」以外掲載の作品の評論集  作者: そら・そらら


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28/116

28.ハイムリッカー

【タイトル】ハイムリッカー


【作者】白石 流


【掲載サイト】エブリスタ


【URL】https://estar.jp/novels/23567988

エブリスタという小説サイトの存在は前から知っていたけれど、掲載作品を読んだのはこれが初めて。

会員登録していないからかもしれないけれど、小説を読もうとするたびに年齢確認されて面倒だったな。そういう小説だから仕方ないのだけど。


というわけで、読んだ作品はここに掲載されていた。読んだきっかけは、去年の一時期TLでちょっと話題になってたから。その時からちょくちょく読み進めて、ようやく最後までいった。

トップページで謳われている通りのSFバイオレンス。ゴア描写がかなり多い。ところでエブリスタって、作品をツイッター連携でシェアしようと思ったら作者の設定したタグも一緒に出てくると知った。これは独自の特色だな。


作品の正直な感想を言えば、そんなに面白くはなかったかな。よく書けていると思う。硬めの文章はしっかりしてるし、出てくるギミックのアイディアもよく考えられている。作者の意図も意欲も理解はできるけど、空回りしてしまっているから娯楽としてうまく行ってない印象だった。


架空世界を舞台にした、ひとりの女の復讐譚。血と臓物に彩られたアクションが延々と続く。そのコンセプト自体は良いと思うけど、主人公の女に魅力を感じなかったのが好きになれない理由のひとつ。悲しい過去があるのはわかったけど、だから好き勝手に殺戮を繰り返す性格ブスを好きになれるかは別問題である。

悲しい過去があるから非道行為を平気で行う人間に感情移入はできない。敵として出てくると魅力的に思えるかもしれないけれど、あくまで敵だから好きになれるんだよな。というか、この女に殺されるモブの兵士にそこまで罪があるとは思えず胸糞なシーンが続いて読むのが辛い。これが楽しめなかった最大の要因だ。


主人公以外の、感覚的に心情が理解できる登場人物が出てくる中盤からは、まだ読める作品になっていた。敵キャラも割りと魅力的だと思う。狂気に侵された残忍キャラは大好き。敵だから好きなんだと再認識した。これは、自分の創作にも活かさなければいけない視点。


戦闘シーンについては、わかりにくいの一言。こっちが見たことがない兵器が、あまり説明されることなく次々に出てくる。わからない上に印象に残らず、けれど疾走感は出してくるから置いてけぼりにされた感じだ。もう少し描写を工夫すればいいのではと思った。アイディアはいいのだから。


評価できるポイントもある。次々に出てくるグロ描写は、正直かなり好きだ。それをやってる主人公が嫌いなだけなんだよ。

残虐行為の結果だけ見ると好物だし、もっと爽やかな感じでグロいのを入れると、印象が良かったのかも。突き放したようなラストも個人的には好きな箇所だった


10年くらい前に書かれた作品らしいから、今の作者ならもう少しうまくやれるのではと思っている。

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