24.巫女のナイトは三種の神器
【タイトル】巫女のナイトは三種の神器
【作者】かなたろー
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16816452220840200590
この作者の作品は過去に二回紹介している。「安楽庵探偵事務所」シリーズの二本で、両方とも掴みどころが無いながらも読ませてくるという、なんとも奇妙な作品だった。
掴みどころの無さの正体は、占術要素にあるのだろう。作者はこの分野に関して深い知識を持ち、物語の根幹に密接に関わる要素として活用されつつ、それに関する説明をほとんど行わずに使っている点にある。
読者を置いてきぼりにするような構成ながら、独特の文章とテンポのいい展開によって読めるという、独特な作風となっている。
他の作品もこんな作風なのかと興味深かったから、手を出しやすそうな作品を選んで読んだ。それがこれだ。
結論から言えば、こんな作風だった。というか、安楽庵探偵事務所シリーズと繋がっている要素があった。登場人物にインパクトがありすぎる名字を見た瞬間に繋がった。なるほど、そういうことね。
作風も通じることがあり、少しだけスタイルが違いながらも見慣れた感じではあった。というわけで、なかなか楽しませてもらった。
今作も占い要素が根底にありつつ、タグに陰陽師があることから、そういう要素も含まれているのだろう。陰陽師って占術と深い関係があるんだっけ。僕にはそういう知識がないから、あやふやなことしか言えない。
けれどエンタメとして成立するギリギリのところを攻めているのがすごい。
神社の娘が実はすごい存在で、彼女を守る三人のイケメンが現れるというお話は少女漫画っぽさがあり、語り口は児童文学っぽさがあった。迫りくるモンスターを術でやっつける物語は、ライトに読める性質ながらも楽しめた。
児童文学としては、少し際どい表現とかもある。だから単純にこういう年齢層狙いの作品と呼ぶのも難しい。
とはいえ、登場人物が術を使う時の決めセリフとかは、独特でキャッチーで子供向けっぽさがある。このセリフも、たぶん元ネタがあるのだろう。わからないのが歯がゆい。
平凡な(はずの)女の子の一人称で書かれる語りは程よく幼く、程よく冷静であり読みやすさはしっかり保っている。出てくる術に関してはわからないけど、しっかり楽しめる。
本当に、掴みどころのない小説を書く御仁だ。侮れない。




