21.クラス小戦争
【タイトル】恐竜騎士道
【作者】しんたろー
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/1177354055489588743
RTした人の小説を読むタグで募集された作品のひとつ。
カクヨムってタイトルの他にキャッチコピーみたいなのが設定できるらしくて、ツイッター上では小説のURLを張るとキャッチコピーがかなり目立つように表示される。
これが読者の興味を引きつけて読むかという気持ちにさせられるかどうかは、作者の力量次第。小説自体だけではなくキャッチコピーまで考えなきゃいけないのは大変だけど、おもしろい仕組みだと思う。
今作の場合は「クラスで起きた些細な出来事を引き金に悪夢が連鎖していく」実におもしろそうではないか。ヒューマンドラマであり、人間の悪意が介在する話であり、暗い物語であると直感的にわかる。
おもしろそうだと思ったから読んだ。つまりうまくいった例だ。
舞台は愛媛県松山市。登場する百貨店や学校は架空のものであるが、実際する地方都市を舞台にしていることが、物語にリアリティを与えている。実際にこんな後ろ向きな事件が起こるのではと薄ら寒い感情を湧き上がらせてくれる。
それなりに栄えているけれど、住民同士の距離は不必要に近い。そんな地方都市の高校で起こった事件を追っていくお話。平和な学校に、どんどん血なまぐさい出来事が重なっていく。
キャッチコピーから受けた印象である、人間同士の気持ちのすれ違いから大きな出来事に発展していく物語というよりは、数人の悪意ある人間が暗躍していくという趣で話が進む。
しかし悪役も人間であり、どこかで引き返せないところまでいってしまう。悪人が悪事に手を染めるのは思いっきりの良さがありつつ、そこの周りの心理描写は丁寧な印象。
こういうテーマの作品だから、途中でオカルト要素が出てきた時は驚いた。正直、物語の方針としては大きな飛躍がある箇所だと思う。ただ、なんとか元の軸からはブレなくて済んだという感じ。ここから先の予想がつかなくなってくるという効果はあった。
展開の急さや文章力には、もう少し成長の余地がある作品だと思う。けれど少し展開の荒っぽさはありつつ、テーマはこのまま突き詰めていけば面白くなるかと思われる。




