19.安楽庵探偵事務所 ~尋ね人は異世界です。~
【タイトル】安楽庵探偵事務所 ~尋ね人は異世界です。~
【作者】かなたろー
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16816452219064660229
RTした人の小説を読むっていうタグで募集した結果、来た作品。
このタグは時々、思ってもいないような作品に出会うことがある。こんなものが世の中にあるのか、webの世界は広いと思わせてくれる作品だ。今作も、そういうやつだ。
異世界もので探偵ものだとタイトルから類推されると考えながら読んだ。読んだのだけど、なんなのだろうこの小説は。
奇妙な小説と言いたいところだけど、そこまで奇妙でもない。表現したいことはわかるし、それに成功している。言うなれば独特さを突き詰めている作品かな。
異世界をテーマにした作品でありつつ、徹頭徹尾こちらの世界を舞台にしている歪さ。なのにちゃんと話が成立しているのがアイディアの勝利ということか。
八万字ほどの短い物語の中で、やたらと特徴的なキャラクターが数多く出てきて、しかも全員を扱いきれているのもすごい。
キャラクターのインパクトが大きいのだけど、それに頼りきらずにストーリーで読ませる話になっている。キャラがストーリーの中で生きているのが良かった。
なんだろう、要素が多いけど、短い話の中でそれがしっかり活かしきれてる作品という印象だ。
異世界転生絡みの人探しっていうメインストーリーのアイディアだけじゃない、細部までのこだわりがあるゆえに、成功しているのだと思う。
話ごとにルーティーンが決められていて、同じ文言が何度も繰り返されることがある。しかしそれすらも、さらに大きな繰り返しの枠を予感させるための仕掛けに過ぎないという構図も、ありだと思った。
話を聞けば、元ネタというか構図の参考になった話があるとのこと。それと、作者の趣味が混ざった結果、このような奇妙な話になったのだろう。
なるほど、すごい作品だ。同時に奇妙さが勝つから、なかなか感想を言いにくい。けど間違いなく、おもしろい話だった。




