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「小説家になろう」以外掲載の作品の評論集  作者: そら・そらら


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17/116

17.戦鬼伝

【タイトル】戦鬼伝


【作者】鈴奈


【掲載サイト】ノベリズム


【URL】https://novelism.jp/novel/D8x04s5dT1mbxbOs10_yNw/

小説投稿サイトとしては現時点で新興の方でありながら、契約作品という特殊な制度を採用することで一定数の規模を誇っているノベリズムというサイト。Twitterでも結構名前を見ることが多い。

ここで投稿されている作品を読むのは、今回が初めて。

ちょっと興味があるのだけど、投稿サイトとしてはどうなのかな。右クリックできないから気になった言葉の検索とかが出来ないとかは今回実感したけれど。

契約作品って夢がある言葉だよな。あとは読者がどれだけ来るのかなーって感じ。詳しい人いたら教えてほしいな。


そんなノベリズムに投稿されているのが、この作品。17万字程度で完結作品。

現代日本を舞台にしたファンタジーなのだけど、物語の内容が充実しているので、実際の文字数よりも分量は多く感じた。設定の作り込みや登場人物の心理描写が巧みな作品という印象で、複数の登場人物の思惑が絡み合い、単純な人間と怪物の戦いの物語とは異なる奥深さがある作品。


その特徴が出ている象徴的な箇所が、主人公の立ち位置だ。実のところ、僕はこの小説の主人公が誰なのか、終盤までわからなかった。ひとりに決められなかった。

候補はふたり。陽と竜なんだけど、このふたりのどっちかなんだと思う。


序盤の視点となり、読者の感情移入の対象となるのは陽の方。しかし彼は序盤での周囲からの低い評価をずっと変えることができず、物語が進んでもあまり報われることがない。

主人公としての活躍をしているのは、圧倒的に竜の方だと思う。このちぐはぐさが、独特の雰囲気を出している。


陽の報われなさに理由は最後に明かされるのだけど、物語の濃さ故にそこに至るまでが長く、やきもきさせられる。読み終わってみれば、こういう印象を与えるのは作者の狙い通りなんだと思う。

最後まで可愛そうな子だったと僕は同情してしまった。この感情を持たせる技量は、素直にすごいと思う。


これも、複数の濃いキャラクターをしっかり書けているからこそできたこと。面白い話だった。

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