14.はらぺこドラゴンと究極の料理
【タイトル】はらぺこドラゴンと究極の料理
【作者】鯨ヶ岬勇士
【掲載サイト】ステキブンゲイ
【URL】https://sutekibungei.com/novels/574f0c9d-2a13-496b-bd72-35b2a621f045
ステキブンゲイでは今、ステキブンゲイ大賞なる文学賞が開催されているらしい。既に三次選考まで発表されていて、ハイレベルな作品が残っていることだろう。
三次選考突破作品の中に、普段から親交がある作者さんの作品が含まれているということで、応援の意味も兼ねて読んでみた。
まあ僕みたいな、大賞とは無関係な木っ端小説書きが読んで何になるのかって疑問はあるけれど、応援は応援だ。
以前「毒枝篇-火竜殺し-」という短編作品の評論を投下したことがあるが、同じ作者の別の短編である。
ドラゴンに関して造詣の深い作者で、ツイッターでも普段からドラゴンツイートを投下している。とても詳しくて僕にはすべては把握できないけれど、あふれるドラゴン愛は伝わってくる。
そんな作者が書いたこの短編も、ドラゴン殺しにまつわる物語なのだろう。
話のジャンルとしては、それで間違っていないはずだ。人々を脅かすドラゴンがいて、ある男がこれを退治して人々を救う。専門的な知識を持つ者がそれを駆使して目標を達成するお話。
シチュエーションが限定的というか、外界から隔絶された舞台設定もおとぎ話的で、いかにもな雰囲気を出している。
ただしドラゴン殺しの手段はかなり特殊なもの。タイトルにもある通り、料理が絡む。専門的な知識とはすなわち、食材にまつわるものだ。それでいて、普遍的なドラゴン退治と同じ結果が生まれるのだから、この着眼点には関心せざるをえない。
料理の腕自体を全力で振るい、ひたすらポジティブな要素を並べ立てて、竜を殺す。本当にストーリーだけ見るとストレートなものなのに、かなり捻っているようにも見えるから一筋縄ではいかない話だ。
けれど寓話は寓話。少しだけほろ苦い展開ながら、前向きなメッセージが語られている。故に短いながら、味わい深い作品である。
なにはともあれ、選考突破おめでとうございます。




