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迷宮世界に生きる  作者: panda
序章
1/22

0-1.これまで、そしてこれから

序章は原作内の時系列で、原作と重複しないエピソードを主体に再構成したものです。

オリジナル部分は第1章から始まります。

雨が降っていた。

芽吹いたばかりの木々の葉を揺らして。


若い女が黒い服を着て頭を垂れていた。

その髪を、その服を濡らすことに気がつかないように。


しばらくして顔を上げると初めて雨に気がついたように折りたたみ傘を開いた。

そして重い足取りで墓地を後にした。



雨を降らした雲は朝のうちに去り、空はさわやかな五月晴れが広がっていた。

しかし部屋の主、玲奈の表情は晴れやかとはいえなかった。

昨日は実家のあったA市まで出かけ先月亡くなった祖母の納骨をすませ、雨の中1時間かけて県庁所在地で借りたアパートのあるB市まで帰宅して、疲れで着替えてすぐベッドに倒れ込むように眠ってしまったのだ。

高校時代に両親を相次いで亡くした玲奈にとって祖母が最後の肉親であった。

高校の卒業から大学の入学にかけての時期に祖母が病に倒れ亡くなったので、入院の手続き、看病、葬儀、死後の手続き、相続関係、自宅をはじめとした財産の整理をしながら自分の大学入学関係の手続きやアパートの賃借、引越しを並行して進めなくてはならなかった。

そのため入学式に出た後は履修手続きをすませるのが精一杯だった。

部屋に戻った今、改めて家族を失い生まれ育ったA市にはお墓以外残っていないこと、大学には1人の友達もいないこと、それどころかB市にも知り合いがいない事実が胸に迫った。


玲奈はよろよろと立ち上がると机に向かいパソコンを立ち上げた。


「私にはもう何もない……」


このところハマっているオンラインゲームにログインした。

現実逃避だとわかっている。


「私のことを気にかけてくれる人もいない……」


バッグの中に入れたままのスマホには何件か着信があった。

それを気にかけず、玲奈はゲームのドロップアイテム『異世界移住券』をクリックした。

玲奈はゲームの中にトリップした。



玲奈が気がつくと硬いベッドに横たわっていた。

天井の木目がアパートとも昔の実家とも違う。

ゲームでプレイしていた魔法学園の寮にいるらしい。

着替えて身支度をすると入学式の時間が迫っていた。


玲奈が講堂に駆けつけると式が始まるところだった。

既に五十人ほどの生徒がイスに腰掛けている。

礼服を着た初老の男性が壇上からあいさつした。


「皆さん入学おめでとうございます! 私は副学長のラシュフォードです。」


学長は王太子がつとめる名誉職だそうで、副学長が事実上のトップとのことだ。

退屈なあいさつの間、玲奈は配られた案内の冊子を見ていた。

その冊子には、学園で教えている様々な魔法やスキルの種類が記載されていた。

玲奈は冊子を読みながらどんな魔法を取ろうか思案する。


「どうしよう、攻撃魔法は魔法職の花形だけど魔物から目の敵にされるからなぁ」


ブツブツつぶやきながら冊子を見ていると周囲で拍手の音がして副学長のあいさつは終わったことを知る。

続いてメガネをかけた気難しそう初老の婦人が演壇に上り注意事項を説明し始めた。


「私は学年主任のチェンバースです。皆さんにいくつか注意して欲しい事項があります。まず学園の迷宮に入るのは焦らずしっかり準備してからにしましょう。初心者向けの迷宮と言われていますが、出てくる魔物が他の迷宮と比べて弱いわけではありません。」

玲奈はチェンバース主任が話す注意事項をメモしながらも、取得する魔法についてまた考えていた。くだくだと注意事項の説明時間が終わりチャイムが鳴ると、学生たちは一斉に席を立って別の教室に移動を始めた

この後のスケジュールを確認していなかった玲奈は、なんとなく人の流れに身をまかせてついて行ってしまった。別の部屋で席に着いてから改めてこの日のカリキュラムを確認すると、攻撃魔法講座の重鎮ロックウェル教授の特別講義となっていた。

攻撃魔法を取得するつもりがなかった玲奈はこの講義は聞かずに外に出て生産系の工房や体育館で武術を見て過ごそうと思って席を立ちかけた。

しかし教室には続々と受講者が集まって、立ち見はおろか2箇所の出入り口周辺は立錐の余地がなくなった。教室から出ていくことが困難になったので、玲奈は気を取り直して魔法に関してヒントや今後の参考になることが聞ければと思い、講義を聞いていくことにした。

チャイムが鳴ってまもなく、黒いローブを着込んだ初老の男が入室した。白髪交じりの髪を撫でつけた額の後退したこの男がロックウェル教授らしい。ざわめいていた教室が静まり返ると教授は重々しく口を開いた。


「諸君、入学おめでとう! 栄えあるエリュシオール魔法学園に諸君を迎えることができて喜ばしく思う。」


ロックウェル教授はそこで一旦言葉を切り、教室を見渡した。


「諸君もご存知のとおり、このエリュシオール魔法学園は今を去ること946年前に偉大なる創世の賢者様によって設立されて以来、数多の傑出した魔法使いを育ててきた。その一翼を担うであろう若き魔法使いの卵たちに先達のことを語ろう。まずはこの学園の創設者でもある『創世の賢者様』について触れなくてはならない。」


過去の偉大な魔導師たちがどのような魔法を行使し何をなしたのかには興味をひかれたので、玲奈は思わず身を乗り出し耳を傾けた。しかしロックウェル教授の口から出たのは、初代王や王妃となった聖女アナスタシアがいかに深く創世の賢者を信頼していたか、いかに後世の魔法使いから尊敬されていたかのみで、肝心の魔法についてはなにも言及がなかった。この時点で玲奈はロックウェル教授の話に期待が持てなくなってしまった。魔法学園で魔法使いの話をするのに魔法についてまったく語らないのはいただけない。

玲奈はメモを取るふりをしてカリキュラム表を眺め、今後の履修予定を考え始めた。この後はお昼休みをはさんで、支援魔法や治癒魔法、生活魔法などの講義があるので出てみようかと予定している。教壇ではロックウェル教授が自分の師匠の勲功を自慢げに話しているうちに時間になったようだ。とりとめのないこんな話でも聴講者から盛大な拍手が起き、どこが聞きどころだったのだろうかと玲奈は首をひねった。

ロックウェル教授の特別講義が終わると聴講者は一斉に教室から廊下にあふれ出し、ごった返している。貴族のお坊ちゃんは従者を連れて正面から外に出て、車止めで待たせている馬車に乗って王都の自邸に帰って行く。そこまで裕福でない下級貴族や平民は食堂に並んだり、中庭でお弁当を広げたりすることになる。玲奈は弁当の用意もないので食堂に並んだ。学生なら代金がかからないためか30人を超える学生や職員が並び、列に入った玲奈が食事にありつけるまでしばらくかかりそうだった。待つ間、玲奈はぼんやり食堂の壁の貼り紙を見ていた。1週間の基本メニューや追加の有料メニュー、アルバイト募集の貼り紙もあった。10分ほど待ってようやくパンとスープのお皿を乗せたお盆を受け取り、空いているテーブルを探して座った。玲奈はスープを一口含むとと顔をしかめた。味付けが薄く、かなりまずかったらしい。それでもそれなりに空腹を満たせたことでよしとして、次の講義を受けに教室に戻った。

午後の一コマ目には付与魔法の講義を受けた。教官は先ほどのロックウェル教授と異なり30歳前後に見える若くスラリとしたスケルターという教授だった。


「付与魔法には可能性があります。」


スケルター教授はそう切り出した。


「初歩の付与魔法である防御力上昇だけでも戦いを有利にできます。あなた方が仮に攻撃力、攻撃速度、防御力、体力とも同等な魔物と戦うとして、何もなければ力関係は五分五分です。しかし防御力上昇の付与魔法をかけると2割防御が硬くなりますから、約2割ダメージを小さくできます。付与魔法をかけた場合の戦闘を模式で表してみますね。」


そう言ってスケルター教授は教壇の後ろにある黒板に数字を書き始めた。双方初期の体力を意味する『100』を二つ並べて書き、その下の段左側に1回の攻撃で削られる体力として『20』と書いてその脇に残りの体力を意味する『80』を書き添え、左側には防御力上昇の付与魔法をかけると2割低減したダメージ値『16』を書いて脇に残り体力値『84』を黒板に書き加えた。これをさらに4段重ねると左側の残り体力は『0』となり、右側は『20』となった。スケルター教授は右側の列にさらにもう1段『16』と『4』の数字を書き加えると両手をパンパンと打ち鳴らして手に付いた白墨の粉を落として学生たちに向き直った。


「このように大まかな仮定ですが、互角の者が戦った場合、片方が防御力上昇の付与魔法をかけていると、かけていない方の体力が尽きたとき、かけた方はまだ2割体力が残っている計算になります。さらに相手に先制されたりこちらが空振りしたりで相手の攻撃回数が1回多くなったとしても、まだ辛うじてこちらが有利です。これはあくまで模式化したものでこのとおりうまく進むとは限りませんが、付与魔法の有用性については理解してもらえたのではないでしょうか。」


確かに現実がこのように進むとは玲奈にも思えなかったが、現実と仮定が異なるのなら仮定をより細かく組み直して精度をあげていけば、仮定は現実に近づき有用な公式となるだろう。玲奈が聞きたかった講義は学園の歴史や過去の魔法使いの履歴ではなく、現在実際に使われている魔法についてだった。この講義のように数値をあげて実証的に説明してくれるのなら大歓迎だ。後でこの教授の研究室にお邪魔して話を聞いてみようと思った。

スケルター教授はさらに攻撃力上昇の付与魔法をかけた場合も同様に説明をした。


「付与魔法は単独で使うだけでなく、他の魔法と併用することもできますよ。詳しくは後から私の研究室に聞きにきてください。まだまだ未開拓の分野なので、興味を持った人はどんどん試して欲しいと考えてます。このことはまたの機会にお話しましょう。」とスケルター教授は講義を締めくくった。


スケルター教授の研究室には次のコマの講義が終わったら行ってみることにして、玲奈はこの日最後の講義である神聖魔法の講義に出てみた。講師は学園の教員でなく、白いローブを着た聖職者であった。彼は王都の神殿に勤める神官で週に1日講義に来るそうで、治癒を中心に神聖魔法の概略について説明してくれた。彼は学内の派閥争いなどには無縁なせいか、淡々と個々の神聖魔法の使用法や効果について説明した。これはこれで有意義で、玲奈は神聖魔法もいずれ覚えたいと思った。もし迷宮に潜るなら負ったケガをその場で治すことができて安全性が高まるし、ポーションや薬を使わずにすめば経済的にも助かる。もし魔法学園以外で神聖魔法を習得するとなると聖職者になるしか道はない。

そうするうち聖職者の講義は終了し、玲奈は隣の棟にあるスケルター教授の研究室をドアをノックした。


「お邪魔します。午後の講義を受けた学生のレイナと申します。付与魔法のお話を聞きにきたのですが、お時間よろしいでしょうか?」


中からどうぞと声がかかり、玲奈はドアノブを回して部屋の中に入った。研究室は間口はともかく奥行きがあり、奥にある教授の机の周りは積み上げられた本と植物の鉢植えで足の踏み場がなかった。スケルター教授は軽やかに本と鉢の密集地帯を抜けて、入り口付近にある小テーブルの丸イスに腰掛けるよう玲奈に促した。


「さっきの講義を最前列で聴いていた子だね。」


「えっ、見えてたんですか?」


「うん、攻撃魔法の講義に比べると人数が少ないからね、で聞きにきたのは付与魔法についてかな?」


自嘲気味の話に相槌を打つと教授は表情を引き締めて、


「付与魔法には可能性があります! ってこの話はしたね。どんなことを聞きたいのかな?」


「単体でかけるほかに他の魔法と併用できるってどう使うんですか?」


「うん、たとえば神聖魔法の講義にもあったと思うけど、その中に解毒の魔法があったよね。付与魔法でその解毒作用を対象に付与すると、一定時間解毒効果が持続するんだよ。たとえば毒ヘビがウヨウヨいる場所に踏み込む場合に、毒を受けてもその都度解毒の魔法をかける必要がないから便利なんじゃない?」


「そのとおりですね。それに四元魔法みたいな属性魔法とも併用できるんじゃないですか?」


「ご明察! と言いたいところだけど、実地に試してみたわけじゃないんだ。」


「あれ? 教授は攻撃魔法も使うんでしたよね?」


「うん、ただし恥ずかしながら戦闘が得意なわけではないから自分で実証はできていないんだ。そうだ! レイナ君は付与魔法を取る予定なんだろ。実際に戦ってみてデータを提供してくれないか?」


「ええ、かまいませんよ。でも他にも先生の教え子はいないんですか?」


「毎年数人が受講するくらいで、付与魔法を主力とする学生はいないかな。あとはパーティメンバーのうち弓なんかの中衛が付けることがあるね。」


「そうなんですねぇ。だとすると、私が先生の教え子で初めて付与魔法をメインとした支援魔法職になりますね!」


「おっ、そうきたか! じゃあ教え甲斐があるなあ。でも付与魔法がメインだと自分が武器を取って物理で戦闘するんでない限り前衛が必要だよ。従者がいる貴族でないならパーティメンバーを募るか奴隷を買うかする必要があるね。」


ここで玲奈は迷宮に潜るにあたっての最大の課題に突き当たり思案顔になる。体を動かことが好きで敏捷性や器用さにはそれなりに自信があるとはいえ、武術は授業で剣道をやった程度では自分の戦闘力をあてにしない方が身のためだろう。そうなるとソロは選択肢にない。


「教授は、パーティを組んで前衛を入れるときにどうしてましたか?」


「僕はパーティを組んで迷宮に行ったことは数えるくらいしかなくて、いいアドバイスができるかわからないな。普通は前衛の戦闘職として奴隷を買うんじゃない? でなければ従者として優秀な戦闘職を抱えている貴族のお坊ちゃまに頼んで入れてもらうかだね。」


「えっ、貴族のパーティ?」


「ははっ、パーティといっても晩餐会やお茶会じゃないよ。さっき話した神聖魔法も覚えて、付与魔法のほかにケガした場合の治癒も無料で請け負うなら、条件次第で入れてくれるところもあると思うよ。獲物の取り分はナシかごくわずかになるかもしれないけど。」


「厳しいですねぇ。教授はどうやってたんですか?」


「僕は貴族でも末端で分家の末っ子だから従者なんていないし、質の高い奴隷を買う余裕もなかったからね。仕方なく本家の伝手で騎士団が迷宮に入るときに混ぜてもらってたんだ。」


「苦労してるんですね。そのころから付与魔法を使っていたんですか。」


「うん、攻撃魔法と併用していたよ。攻撃魔法は直接ダメージを与えられるけど連続して発動できるわけでないし属性の相性によっては効果が薄いから不安定なんだよね。その点付与魔法なら掛けたときと掛けなかったときで前衛が実感できる差があるから、役に立ってると思ってもらえたみたい。でも騎士団につながりができてポーションを売ることで身が立てられるようになったから、戦闘からは足を洗ったんだ。」


「あらら、だから付与魔法の他に調合の講座もやってるんですね。」


「うん、僕は調合が主だと思われているけど、心情的には付与魔法が中心だと思ってるよ。でもこの部屋の中を見ると薬草が多くて調合師みたいだね。そうだ! その薬草を運ばないといけないんだった。ねぇレイナ君、アルバイト代を出すから薬草を外にある薬草園まで運んでくれないかい?」


「かまいませんよ。薬草園の場所はどこですか?」


玲奈はスケルター教授から場所を聞き出し、台車に乗せた薬草の鉢植えを薬草園まで運びつつ、ゲームでやったお使いクエストを思い出していた。生活用品や服を買わないといけないし、お金を貯めないと前衛の奴隷が手に入らない。玲奈は食堂の壁にアルバイト募集の貼り紙があったのを思い出した。

研究棟の裏口を出て倉庫の脇を抜けると、意外と広い緑の畝が目に飛び込んだ。奥に作業小屋が見えるので、そこまで台車を押して行く。小屋に近づくと、中からグレイの作業着を身に付けた女性が出てきた。


「こんにちは! スケルター教授の依頼で薬草の鉢をお持ちした玲奈と申します。鉢はどこに置きましょうか?」


ここの管理者らしい30過ぎくらいの女性にあいさつすると、小屋の入口脇の軒下に置くよう指示され台車から降ろした。


「ご苦労さま。私はエリーズと言います。だいたいここか薬草学のジュビリー教授の研究室にいます。あなたがスケルターさんのところの新しい子ね。」


笑いかけるエリーズに玲奈は小さくうなづいてあいまいに肯定した。それよりも薬草学という言葉に耳が反応した。


「薬草学の講座があるのでここに薬草園があるんですね!」


「そうよ。栽培や調合の実習もやっているの。そのほかに騎士団に調合した薬剤を供給もしているからそれなりに広い面積を確保しているのよ。でも実際に作業をするのは私で、教授は薬効の分析や分類の研究ばかりで薬草園にはめったに来ないの。葉や実を採取するとき人手が足りないとアルバイトを雇うことがあるから、よかったらレイナさんもいらしてね。」


「機会がありましたら是非!」


伝票に受領のサインをもらい、手を振ってエリーズと別れて玲奈はスケルター教授の研究室に戻った。


「やあ、お帰り!」


玲奈はスケルター教授にサインの入った伝票を渡してアルバイト代の入った封筒を受け取る。


「学園内に広い薬草園があるなんて意外でした。」


「薬剤やポーションの材料でも学内でまかなえるものはまかなわないと安定供給できないからね。相手が王立騎士団や宮廷魔導師だから手を抜けないし。こんなだから僕は調合でばかり知られて、魔法の教授として認知されてないんだ。」


スケルター教授は自嘲する。


「それならまた騎士団と組んで成果を出せばいいじゃないですか?」


「いや研究では被験者と観測者が同一では精度が担保できないだろ。そもそも僕は戦闘が苦手だし、無理ってもんだよ。代わりにレイナ君がやってみないか? 魔法に興味あるならこの本を貸すから。」


スケルター教授はいい笑顔で魔法の入門書を玲奈に渡して、戦闘データの提供を依頼した。また、魔術運用のスタローム教授と属性魔法のロザラム教授の名を挙げ、攻撃魔法を使わないにしても魔法の基礎的汎用スキルを習っておくよう教えた。

玲奈は困惑している態だったが、早く魔法に関する知識を蓄え使えこなせるようになりたいとも思っていたので、スケルター教授の申し出は好都合だった。

あとはアルバイトで資金を貯めて奴隷を買い、迷宮での戦闘とポーションや薬剤の調合をやってもらえば早いところ経済的に自立できるとソロバンをはじいた。


玲奈はスケルター教授の研究室を辞すると、アルバイト募集の貼り紙があった学生食堂に寄り、翌日から働くことになった。


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