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異世界・オブ・ザ・デッド ~才能ゼロの魔術師だけど世界を救いたい~  作者: 結城 からく


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第六十一話 思わぬ参入者

 ゾンビ化したスライムを撃破したルフトとシナヅは、すぐに東門へと向かう。

 召喚魔術の時間制限がある以上、早めに目的をこなしておきたかったのだ。

 ルナリカの施したマジカルアーマーもいつまで持つか分からない。


 東門周辺の光景もまた悲惨なものであった。

 ゾンビ化した凶暴な魔物が蔓延り、建物は軒並み焼けていたり倒壊している。

 肝心の門も破壊されて見る影もない。


 こっそりと様子を窺ったルフトはシナヅに問う。


「あの門の部分を封鎖したいのですが、なんとかできませんか?」


『可能だ』


 シナヅは簡潔に答えると、近くの廃屋に手を置いた。

 まるで空気の抜けた風船のように、廃屋は段々と縮んでいく。

 ついには跡形もなく消えてしまった。

 物質吸収の能力で身体の一部として取り込んだのだろう。


『こうして集めた資材で壁を形成する。尤も、敵の排除が済んでからだが』


 そう言ってシナヅは、物陰から堂々と歩み出た。


 すぐさまゾンビ化した魔物が襲いかかる。

 真っ先に近付いてくるのは、浅黒い肌をしたオーガだ。

 全身のあちこちに紫色の血管の筋が浮かび、目は濁り切っている。

 ゾンビ化の症状がかなり進行しているのだろう。


「グロアガガエェヤァッ」


 口から血肉を垂らしながら、オーガはシナヅ目がけて拳を叩き付ける。

 剛腕から繰り出される一撃は、鋼鉄の鎧すらも容易に潰しかねない威力を秘めていた。


 対するシナヅは、軽いバックステップで殴打を躱す。

 地面に炸裂した拳を一瞥しつつ、オーガに向けて手をかざした。


『隙だらけだ』


 直後、シナヅの手から無数の鉄の粒が射出された。

 身体に蓄えていた金属を散弾の要領で放ったのである。


 鉄の粒はオーガに食らい付き、その肉体を引き裂いた。

 大きく仰け反ったオーガは鮮血を噴きながら仰向けに倒れる。


 ただし、動けないながらも呻いているので死んではいないようだ。

 後で執拗に痛め付けるために、シナヅがわざと威力を加減したらしい。

 オーガのそばを通り過ぎたシナヅは、襲い来る魔物を瀕死に追い込み始める。


「さすがシナヅさん……でも、僕だってやれるんだ」


 シナヅの奮闘を見守るルフトは、静かに意気込む。


 先ほどのスライムとの戦いでは臆したせいで叱責を受けた。

 その挽回をせねばならない。


 気持ちを固めたルフトは大剣を構えて駆け出す。

 奇声を上げるゴブリンゾンビを蹴飛ばし、首を刎ね飛ばした。

 迸る赤い噴水を避けながら、死体を跳び越えて進む。


「エイヤァッ」


 全身が鱗に覆われた蜥蜴の魔物――リザードマンゾンビの噛み付きを真正面から斬り伏せる。

 大剣を以てすれば、生半可な魔物なら一太刀で殺害可能だった。

 マジカルアーマーによる膂力向上効果がそれを実現する。


 シナヅに負けず劣らずの勢いで順調に魔物を倒すルフトだったが、戦いの途中で唐突に足を止めた。

 遠方から人間による鋭い雄叫びが聞こえてきたからだ。


(どうして門付近のエリアで人間の声が……? ゾンビ化した生物しかいないはずじゃ……)


 怪訝に思ったルフトは、雄叫びの方向に目をやる。

 そこには、武装した人々が魔物に挑む姿があった。

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