魔王軍参謀チートについて学ぶ
【チートは】
ズルをするという意味の(解読不能)の(解読不能)である。
そこから転じてそこから転じて、(解読不能)における(解読不能)改造を意味する言葉として使われるようになった。
チートを使う人物を指してチーター(Cheeter)と呼ぶこともある(動物のCheetahとは綴りが違う)。
使用目的は様々であり、(解読不能)という社会人から、「(意味不明)」したいという人、(解読不能)の詳細な調査などの例が存在する。
(解読不能)あれば各々の判断に委ねられるところであるが、オンラインにおけるチートは利用規約で禁止されていることが普通である。アカウント凍結、最悪のケースでは(意味不明)という事もあり得るので絶対にやめよう。
「何をしているのだ?」
自室で調べ物をしていたトヨヒサルスは正面から声をかけられ、ようやく部屋に人が入って来たことに気が付いた。
「なんだリトリアか。ちょっと調べ物をな」
トヨヒサルスは読んでいた分厚い本を見せた。
「我々が魔王マイルズ様に仕えていることは知っているだろう?」
「異世界よりお前が召喚したという偉大な魔王だな。見た目は単なるスケルトンのような魔術師だが、絶大な魔力と知識の持ち主だ。で、マイルズ様がどうかしたのか?」
「そのマイルズ様が時折、『チート、チート』と奇妙な呪詛の言葉を口にするのでな。マイルズ様の書庫から魔術書を持ち出して調べて見た」
「で、どういう意味なのだ?」
リトリアは尋ねた。
「あくまで私の推測だが、これはマイルズ様の魔力を高める為の呪文なのだ。代償はともなうが」
トヨヒサルスは『アカウント凍結』の部分を指さした。もっと具体的に言うと、後半部分の。『凍結』を指さしている。
「どうやら冷気魔法によるダメージを受けるようだな」
「それなら心配ないな。マイルズ様は炎、聖属性、及び打撃武器には弱いが、冷気は無効化できる。なんのデメリットもない」
女騎士であるリトリアは魔術は専門外だが、それくらいはわかっていた。
「そういう事だ」
トヨヒサルスは魔術書を閉じた。その魔術書のタイトルは『ワールド オブ ペガーナ マニュアルガイド 運営 マグナスウシャイ チーム』。
「それで何の用だ?」
トヨヒサルスはリトリアに尋ねる。
「兵の訓練を行いたいのだが」
「それならお前達が使った訓練所があるだろ」
「そうではなく、マイルズ様が異世界から持ち込んだ兵法書を使いたいのだ。それがあれば優秀な兵が教育できるだろう?」
「ならそうしろ」
「マイルズ様の蔵書庫には奇妙なカギがかかっていて入れないのだ」
「なんだ。あそこはマイルズ様が人間であった時の名前を入れれば鍵が開くパスコード方式だぞ」
トヨヒサルスは教えた。
「ツキシマ・マイゼンと入れても開かなかったぞ?」
「それは偽名だ。本当の名前は」
トヨヒサルスは一枚のカードを見せた。
「このクレジットカードに書かれている『マスダ・ヒトシ』というのが本名だ」
「くれじっとかぁど?」
「マイルズ様がこの世界に来た際に私に下さった魔法の品だ。このカードに数字が刻まれているだろう?」
「確かに刻まれているがこれが何だというのだ?」
「これはこのカードに残された魔力の力の残量なのだ。このカードを掲げてほしい物を望めばなんでも好きなものが」
ぽこん。
トヨヒサルスの事務机の上の『高速戰姫クラインハート』と描かれた、色鮮やかな鎧を身に着けた女戦士が魔物と戦っている本?のような物体であった。
女騎士であるリトリアは、どちらかといえば文系であるトヨヒサルスより運動神経に優れいてた。彼が出現した物体を手にする前に『高速戰姫クラインハート』を掴み、その裏面を確認した。
「あ、いう。お前」
「トヨヒサルス参謀」
ビックリするほど優しい声だ。
トヨヒサルスは見た目は二十歳くらいの成人男性だが、上級高位魔族である彼の実年齢はその十倍近くある。
その彼の経験が、本能が、こう告げている。
あ、これヤバくね?
「これは異世界からの品で間違いないですね?」
「おそらく」
「これとそのクレジットカードは我々オルタナティヴナイツで保管します。何しろ魔王マイルズ様から与えられた貴重な魔法の品ですから。異存はありますか?」
「いや。ないな」
トヨヒサルスはクレジットカードを手放した。




