私の好きな人は中二病
私の好きな人は・・・中二病だ。
碧井優、真名は「碧眼のバーニング・バースト・ドラゴンナイト」らしい・・・よくわからないけど。
どうして、こんな人を好きになってしまったのかって?
普通に出会っていたら、きっと好きになってなかったと思う。けれど、優とは世間一般では『幼馴染み』と言われる関係。
好きになるのも、おかしな話ではないと思って納得しているし、あんな馬鹿を好きになったのも仕方ないと諦めてもいる。
好きになったのは、よく覚えていない。
怪我したのをおんぶしてくれた時から?かもしれないし、消しゴムを忘れた時にかしてくれた時なのか?
色々こじつけは出来るけれど、何にせよ!家も近いし、いつも一緒にいる愛着というやつなのだろう。
今日も一緒に帰る予定だったのに・・・
────「優先輩!!好きです!付き合ってください。」
なんで、こんな状況に立たされているのだろう?
優を好きになる人が私以外にいるなんて思ってもなかった。
たしかに顔は悪い方ではないけど、奇妙な行動ばかりしているのに?この前も「うおおおお!!俺の右腕の封印がぁああああああ!」なんて事をクラスで叫んでた優を??
胸が苦しい。
多分、数秒の事なんだろう・・・でも凄く長く感じる。
イエスなんて言わないで!私は何も出来ず神に祈る。
────『ふっ!この俺が好きだって?おいおい、プリンセス、俺に恋すると火傷するゼ。』
痛い…痛々しすぎる。いろんな意味で聞いてる私が火傷を既にしている。
────「真面目に答えてください!こっちは本気なんです。一目見た時から優先輩の事好きだったんです!!」
なるほど・・・一目惚れか、なら優を好きになってもおかしくないかな?
そして、優もあれが真面目な普通の返しなのだ。
────『俺はこれでも真面目に聞いてるつもりだゼ、プリンセス。これが俺らしさってやつだ。』
「真面目?こんなの!おかしいですよ!異常です・・・それが本当の姿でも隠して生きるべきです。」
『おかしい?どうして、他人の目を気にして今の自分を受け止めることが出来ないんだよ。おかしいのはプリンセス、あんたの方だ。自分の本当を愛せないやつが他人なんて愛せるかよ。じゃあな』
今、優を好きになった理由がわかった気がする。
人は誰かによく見られたいって思いながら、生きてるのに優は自分らしさを大切にしてるからカッコよく見えてしまうのかもしれない。
私も随分と中二病らしい。
「優、一緒に帰ろ。」
「おお、我が同士よ。共についてくると?今日は、魔神の書を手に入れなければ・・・」
「はいはい。本屋さんの寄り道がしたいのね。付き合うよ。」
けれど・・・まだ、少しだけ隠させてくれないかな?いいよね?
────私の恋心。