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猫様の下僕日記  作者: 鮎川 了
黒猫様の下僕日記
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猫様夏の入浴



 さて、“日本一猫様を風呂に入れるのが下手な下僕”として名高い私だが、最近その栄冠を返上しなくてはならなくなった。

 ……かもしれない。


 熊吾郎は黒猫なので汚れが目立たないし、そもそも今のところ外には出していないので汚れない。しかしやっぱり風呂に入る練習的な事をしておいた方が私にも熊吾郎にとっても後々役に立つんではないかと思い、ある日お湯をはった洗面器に静かに入れてみた。


 最初は 不安げに鳴いていたが、お湯を静かにかけていたら観念したのか鳴かなくなり、しかもゴロゴロと喉まで鳴らしている。

 一説によると、猫が喉を鳴らすのは気持ちが良い時ばかりではなく、緊張を緩和させたい時も鳴らすのだと云う。

 するとさしずめ熊吾郎は

「落ち着け……! 落ち着け俺!」

 と、自分に言い聞かせているのだろう。

 何だかそう思うといじらしい。

 しかし、風呂上がりの熊吾郎は満更でも無い様子で窓から入る風に当たり、涼をとっているので、もしかすると風呂が好きなのかと思い、週一のペースで風呂に入れている。


 思えば、今までの猫様達には“猫様の入浴”に気負い過ぎて、私自身が緊張していたり、キレイに洗おうと躍起になっていたからそれがいけなかったのもしれない。

 熊吾郎には本当に軽い気持ちで、

「はーい、ちゃぽーんしてみようねー、はいおわりー」

 みたいな感じでやってるので、熊吾郎は入浴に対する変な恐怖を感じずにいるんでは……? と、勝手に思ったりする。

 

 

 


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