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猫様の下僕日記  作者: 鮎川 了
フリーの下僕日記
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こだわりのクロぶっちゃん



 もう自分の家に居る時間より、私の家に居る時間の方が長いんじゃないか? と、思われるクロぶっちゃん。

 当然、ゴハンも御馳走しているのだが、好き嫌いは無いので大変楽である。

 激安カリカリでも文句を云わずに食べる。しかし、よく考えて見れば自分のウチで食べている筈なので食べる物には困っていないのだ。

 クロぶっちゃん宅にはクロぶっちゃんのお母さん猫も居るし、何だって我が家に入り浸るのかが不思議だ。

 しかしまあ、クロぶっちゃんのお陰でQ太郎の死を引き摺らずに済んでる面もあるのでよしとしよう。


 さて、そんなクロぶっちゃんには密かなこだわりがある。

 一体何にこだわっているのかと云うと“水”である。

 別に

「水道水はカルキ臭くて厭ニャ」とか

「天然水じゃなきゃ厭ニャ」とか

「エビ○ンとか六○の美味しい水を用意するニャ」

 とか、そーゆーしちめんどくさいこだわりでは無いのだが……


 ウチの猫様用の飲み水は専用の入れ物に入れて、いつでも飲めるようになっている。ペットボトルに水を入れて逆さにしてセットすると猫様が飲んだ分だけ補充されるというアレだ。

 勿論、マメに新鮮な水を入れ替えているし結構頻繁に洗っている。

 なのに、クロぶっちゃんはソコからは水を飲まない。最初は飲んでいたのだが、いつしか頑として飲まなくなった。

 ならば、どこから飲むのかというと台所のシンクの食器などを洗うとき使う桶から飲むのである。

 食後、食器を水に浸けている状態のを飲む。

 衛生的に良くないとは思うのだが、クロぶっちゃんにとってみれば、猫用の水飲み場の無味無臭の水より、肉や魚の味の付いた食器を浸した水の方が美味しく感じるのだろう。

 昔、テレビでアフリカのジャングルに住んでいる人達が「透明な水より泥水の方が栄養が有るし味が有って美味い」と云っているのを観たことがあるが、それと同じ理屈らしい。

 しかし自然豊かなアフリカのジャングルならいざ知らず、シンクは洗剤や漂白剤等の有害な化学物質も使うので、あまり感心しない。

 なので茶碗や布巾を漂白する時は、クロぶっちゃんが飲まないように何かで蓋をしなければならない。

 ウチに入り浸っているとは云え、他所様の飼い猫なので何かあったら大変だ。

 食べ物では全く苦労しないのにまさか水で苦労する事になろうとは。

 トホホである。

 

 

 

 

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