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猫様の下僕日記  作者: 鮎川 了
Q太郎様の下僕日記
34/65

鈍感な猫様



 私が庭の草取りなんぞをしていて、ふと横に目をやると、草むらの中にQ太郎がいて何かをずっと見ていた。

 虫か蛇でもいるんかな?

 と、私がそーっと近づいても気が付かないのか気付いているのか、視線は草むらに向けたままだ。しかし、そこは(私が見る限り)何も居なかった。

「なんだ、何もいないじゃん」

 あまりにも拍子抜けして思わず口に出してそう云うと、Q太郎はやっと私に気付いたようで

「下僕! いつの間にそこに? 」

 と云った風にガチで驚いていた。

 警戒心の塊のような猫に気付かれずに至近距離に移動するなど忍者か妖精でもなければ出来ない芸当だと思っていたのだが……私は妖精だったのか。今後私の事は“フェアリー鮎川”と呼んで貰おう。

 ……いや、やっぱりいいや、こっぱずかしい。


 ところで、人間には気付かない音や匂いやその他諸々を感じとると云われていて、災害を予知する事もあるらしい猫様方だが、私の周りにいる猫様達はそのような能力は持ち合わせていないように感じられる。

 東日本大震災の時も特に変わった様子も無かったし、その後一ヶ月後の夜に起こった大きな余震の時もぶっちーは白川夜船だったし。(当時いたのはまだぶっちーだけだった)


 取り合えずQ太郎が予知出来るのは雨が降るか否かぐらいらしい。猫が顔を洗う時、耳の後ろまで洗うと雨とか云うアレだ。

 しかしそれは気圧の変化による頭痛持ちの私にも予知出来る。というか、天気予報を見れば良いだけの話なので無用の長物である。


 話は元に戻るが、自分より数倍も大きな動物(私)に背後から近付かれても判らないとは、Q太郎は鈍感過ぎる。

 地震予報も天気予報も出来なくていいから、もう少し警戒心を持ってくれないと心配だ。



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