表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫様の下僕日記  作者: 鮎川 了
Q太郎様の下僕日記
24/65

猫様列伝・ぷー太郎



挿絵(By みてみん)


 ぶっちーの子でミケコの兄。Q太郎から見れば叔父にあたる。

 ぶっちーが初産で取り乱し、臍の緒を付けたまま廊下に放置していたのがこのぷー太郎である。

 毛色はぶっちーと同じキジトラのブチ。しかもぶっちーの模様の付き方とほぼ同じなので大きくなってからはたまに私も間違える程だった。

 ぶっちーと決定的に違うのは尻尾で、ぶっちーは短いキンクステイルだがぷー太郎は真っ直ぐで信じられない程長い尻尾の持ち主だった。


挿絵(By みてみん)


 妹のミケコとよく遊んでやっていたし、近所に子猫がいれば面倒を見ていた。子供好きらしい。


 実はこの「猫様列伝」で今まで登場した猫は今はもうウチに居ない猫達で、このぷー太郎も一昨年天国に召された。

 亡くなった時の事は思い出すと泣きそうになるので割愛させて頂くが、ぷー太郎の死後暫く経って夢をみた。


 大きな家の前で、私はしきりに猫に話し掛けている。

 どうやら引っ越しの最中らしい。

「ごめんね、○○、新しいウチにはお前を連れていけないんだよ」

 するとその猫の思考が私は手に取るように解った。

「うん、俺待ってる。オマエが帰って来るまで。オマエが無理ならオマエの子供達が大きくなって帰って来るのをずっとずっと待ってるから」

 

 そう、細部は違うが、拙作「家守りの猫」の冒頭部分である。

 目覚めてから、「ぷー太郎が死んだのが悲しくてこんな夢を見たのだ。しかし、随分印象的な夢だな」と思い、文章ファイルに打ち込み、保存しておいた。あの作品を書くときも常にぷー太郎の事を思い出していた。

 虎太郎は総キジトラの猫と設定したのにも関わらず、あの作品の中にのみ、ぷー太郎が生き返っていた。

 

 猫に限らず生き物を飼うと云うことは常に“別れ”を覚悟しなければならない。

 事故や病気で短い生涯を閉じてしまう事も勿論だが、天寿を全うしたとしても彼らは我々よりずっと寿命が短いのだ。

 その短い生涯を“幸せだった”と感じてもらうか否かは私達下僕にかかっているのだ。ぷー太郎が幸せだったと思ってくれたかは解らないが。


 湿っぽい話になってしまったが、次話からは通常通りQ太郎のおかしな日常を書くつもりだ。

 そして、最後に私の一番好きなぷー太郎とミケコの写真を見ていただきたい。


挿絵(By みてみん)


 画質は悪いが、仲の良い兄妹のある夏の日のひとコマである。

 乳製品が好きなこの二匹は、特にアイスが大好きで食べかけのアイスをやると、このように仲良く食べていた。

 私は、腹を壊さないだろうか? と心配しながらもこの姿が見たくて棒付きアイスを買ってきたものだ。

 



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ