やっぱりマグロが好き
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前話がグロ過ぎたので、今回はほのぼのと食べ物ネタで行こう。
いや、前回だって食べ物ネタだったんだが……猫にとっては。
さて、Q太郎はマグロの中落ちの刺身を常食している事は以前書いたが、下僕として気になるところもある。
栄養面だ。
人間だって同じものばかり食べていると健康を損なう。
毎日マグロだけではいつか健康障害的なものになってしまわないか? と危惧している。
しかし、市販のキャットフードなどを見ても高確率でマグロが使用されている。
“マグロとしらす”“マグロとチキン”“マグロとカツオ”など、別の物も入っていたりするが、ベースは殆どマグロだ。高級キャットフードにも激安キャットフードにもマグロ。
たまにベースがカツオになっている物もあるが、ほんの少数である。
マグロは高級魚だと思っていたが、このように湯水のように惜しげもなく激安の猫缶にも使われていると有り難みが無くなる。
中落ちのようなあまり高級でない部位を使っているのかもしれないが、それにしちゃ猫も杓子もマグロを使っているのが気になる。
アメリカの猫が出てくる小説を読んでいたら、猫にレバーを食べさせるくだりが出てきた。
ふむ、アメリカの猫の常食はレバーなのか。と思ったがそんな訳は無い。
まあ、勿論、他にも色々やっていて、その時たまたまレバーだったのだろう。
牛レバーなのか豚レバーなのか、はたまた鶏レバーなのか気になるところだが、いづれにせよ、毎日では無いだろう。愛猫家の方々ならご存じだろうが、猫に魚を食べさせないでいると健康を損なうどころの騒ぎではなくなる。
猫は体の中でタウリンと云う栄養素を作る事が出来ない。
なので猫がタウリンを多く含む魚類が好きなのは必然なのだ。
キャットフードにも必ずタウリンが配合されている。
早い話、犬にキャットフードだけを食べさせ続けても肥るだけだが、猫にドッグフードだけを食べさせ続けると死ぬらしい。
マグロは魚なので、取り合えずタウリン不足で死ぬと云うことは無いだろう。
しかしイワシには入っていてマグロには入ってない栄養素などもあるかもしれない。
なのでマグロの中落ちと良く似たカツオの中落ちを買って与えてみた。
しかし。
結果的に云うと、カツオの中落ちもQ太郎は良く食べた。
だが、カツオは足が早いと云う事を忘れていた。
別に“足が早い”と云っても、カツオが百メートルを十秒弱で駆け抜けたと云う話ではない。
傷みやすいのだ。
マグロならチルド冷蔵しておけば三日ぐらいなら生で与えても大丈夫だが、カツオはもう翌日にはもーこりゃダメだろーな感じに変色している。
さりとて、予め火を通してしまうとQ太郎は不満のようだ。
カツオに比べるとマグロの鮮度のなんと長持ちすることか。
なんかヤバイ防腐剤でも使ってるのか? と勘ぐりたくなる程だ。
もしかして、冒頭で書いたキャットフードの原料にマグロが多い訳はそこらへんに理由があるのかもしれない。
そしてQ太郎は今日もマグロを食べる。
そういえば、最近私はマグロの刺身を食してないな……ううう(泣)




