2話 「お城にいました」
調子に乗りました
僕は本日何度意識を失ったんだろう?数えきれないこともないくらい意識を失ったな。
「また森なのかな?」
僕は状態を起こすとそこはフカフカなベッドの上だった。えっ?何処ですかここ。
もしかして全て夢落ち?
……んなわけないよね。
あんなリアリティーのある夢を落ちに纏めるなんて。神様言ってたなこの世界の歴史を歪ませた原因を探れって。
「目が覚めましたか?」
僕は驚いてその声の主を見る。その人は桃色の綺麗な美しい髪をしていた。いやこの場合は美しいというよりは可愛らしいという言葉が似つかわしいかも知れない。
瞳の色も髪と同じ色をしている。そうだこの世界はハーレム世界だった。僕は何故か女の子を見てそんなことを思い出した。
先ほどの女の子と髪質をスラスラと現すならこの女の子はふわふわだ。
髪型はほぼ同じっぽいし。この子の方が少し短いかな?
身長も見る限りはあの子より小さ目だし。というかあの女の子はどうなったんだ?
聞きたいことが山ほどあるがまずはここからだ。
「お友達で」
「はい?」
聞き返された。選択を間違えたのか?こういう場合はお友達から始めれば恋が発展すると相場は決まっているとゲームに聞いたが?
というゲームの主人公と同じ考察をしてみる僕。
「わたしの名前はルミリアです。あなたのお名前はなんですか?」
何て優しい口調なんだ。僕はこの子を最初に攻略しよう。って目的をを見失うとこだった。
「僕は荻野。荻野和人だよ」
「荻野さん?」
「和人って呼んでくれると嬉しいよルミリア」
「あっ」
ルミリアは顔を俯かして頬を赤く染めていた。あれ?なんか僕したかな?
「男の人に名前を呼ばれてしまいました///」
かわええ。この子かわええ。
しかもこれは二次元ではなく現実。何てうれしい現実。
「あのぉ…和人くんはやっぱり男の子なんですか?」
「僕は男だよ。股の間に刺さった聖なる剣がその意味さ」
自分で言っておきながらなんだけど。これは女の子に言う台詞ではない。僕は遥かに高い次元で後悔した。これは好感度ガタ落ちかな…。
僕はそんなことを気にしてるとルミリアは言葉を続けた。
「凄いです!この世界に男性はいないと思ってました!」
いやまぁ絶滅?したと聞きましたがね。そうだついでだからルミリアに聞いておこう。
「どうしてこの世界に男性はいないんだ?」
「すいませんわたしが生まれた頃に男性は死に始めたと聞いたので知らないです」
死に始めた。ということは突然消えたなどの現象ではないようだ。これにより世界同時の男性誘拐の線はなくなった。
そもそもそんなことができるわけがない。
「そうだ!倒れていた和人くんを運んでくれた子を紹介しますね」
「えっ?それって…」
物陰から姿を現したのは湖の金髪少女。僕は先程見た体のラインなどを思い出した。
「おぅううう!!」
「どうしたんですかっ!?」
ルミリアに本気で心配されてしまった。
「ふんっ。あんたなんか男とわかっていればあんな羞恥な姿は…」
この子はあれだな。世に言ってしまえばツンデレだな。僕はツンデレキャラの攻略は最後に回す派なんだよな。
でもイベントはこの子からだったからな。
僕は初めにイベントを行った相手を落とすという精神を持っている。それに乗っ取るべきなのか。好みを取るべきなのか。
ていうかこれはゲームじゃないし。うん!やっぱりルミリアだな。
「キョウちゃん抑えてください」
「まぁいいわ。私はキョウよ」
「和人だ」
向かい合って何も特徴的なことがない自己紹介が終わってしまう。
「じゃあね」
キョウは金髪を少し振り払い背を向けて部屋を出た。
「和人くん。この世界の女王に会いに行きましょう」
「それってこの世界で一番偉い人?」
「はい!」
「まぁ行きますか」
僕はベッドから立ち上がった。生まれたままの姿でした。
「うぉおおおお!!!」
僕はすぐに布団に包まった。
「どうしましたか?」
「服がない」
「あそこに畳んでありますよ」
ルミリアさんの笑顔で自分の羞恥を忘れることにした。
服を着た僕はこの世界の女王の前にいた。
女王様は碧眼の眼で碧い色の髪をしていた。種族はエルフと呼ばれる種族らしい。というかこの世界には種族まであるのか。攻略の幅が広がるぜ。
「男が消えた原因は私は魔族による物だと考えています。和人。あなたはもしかすると魔族を倒すためにこの世界へ現れたのかもしれません」
勇者ポジですか僕。
探りだけだと思ってたのにめんどくさいことになってきたな。まぁハーレム世界だからいいや。
「それでは和人に魔族討伐の任務を課します!」
と、女王さまに命じられた僕は町の宿にいた。
さすがに城に長居はできなかった。一応勇者なのに。