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勇気の悲劇

いきなり現れた鬼龍

彼の目的は一体

静かな時が過ぎる

静かにしている訳ではない

恐怖で口がきけないのだ

「お……お前…」

恐々と勇気が話しかけた

「助けてくれて、ありがとう

おかげで森羅は無事だった」

「…………」

鬼龍は喋ろうとしない

「なぁ、俺らと一緒に

山おりようぜ、

お前がいてくれれば

俺らも心強いからさ」

気さくに喋りかけているが

鬼龍は一切反応していない

「なぁ、一緒に行こうぜ?その方が安全……」

「…ぅ……ぃ……」

「え?聞こえねぇよ

一緒におりてくれんのか?」

「うるさい!!!!」

鬼龍の右足から繰り出された

強烈なローキックを、勇気はまともに受けてしまった

「ぐぇっ……かはっ……」

「おい勇気!!!大丈夫か?」

智子が駆け寄って勇気を助け起こす

「てめぇ 何すんだよ!!!

勇気が何したってんだ!!!」

すると鬼龍は、

一歩勇気に歩み寄り、

フン、と鼻で笑ったあと

右足を後ろへ振り上げ

容赦する事もなく、勇気の脇腹めがけて

蹴り飛ばした

ベキッッッ

「うあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

鈍い音と勇気の叫び声が山にこだまする

「………うるせぇんだよ……」

よく聞き慣れたセリフが

僕の耳には生まれて初めて聞いたような

そんな恐怖に襲われた

「 俺はお前らを助けた訳じゃない

あの化け物は邪魔だったから殺したまだ……

そこだけ、勘違いするなよ」

ヒュッと風を切る音がした途端

鬼龍はもう、そこにはいなかった

「おい勇気!!!生きてるか?

おい!!!返事しろよ!!!」

弱々しい声で勇気は

「へへっ……だいじょーぶ

俺は体だけは……丈夫だから」

そう言って勇気は気を失った

どうすればいいかなんて思いつく訳がない

勇気は重傷で動けないし

森羅と明日香は怯えているし

智子はその2人を慰めるので大変だった

「くそっっ!!!

青風、あいつなんのつもりなんだ!!!!」

そんな怒ったとこでどうにもならない

とにかく今はここから動けない

ずっと思いつめていると

「お手伝いしましょーか」

と、何処からか声が聞こえてくる

ふと周りを見回しても人影はない

「やだなぁ、そんなとこに居ませんよー」

声の主は木の上にいた、

それもメチャクチャ高い木の上に

よっ、と木から降りると

白い髪そして

短めの木刀、

白尾松瑩だ

「手伝ってやろうか?そこの奴運ぶの」

「本当か!?助かる、」

白尾の協力があって

無事にテントにつく事ができた

「あ、ありがとな」

お礼を言うと

白尾はにっこり笑って

べつにいいさと言ってくれた

「でもひどい怪我だね

なんかしたのか?」

僕は白尾にさっきあった事を

全て話した

鬼龍が勇気をこんな目に合わせた事

森羅を助けてくれた事など

聞き終わった途端白尾は真面目な顔になった

「うーん、鬼龍を怒らせちゃったんだね

あいつは俺らでも扱いが難しいんだ

さりげなく言った一言で喧嘩になったり

だから、次に鬼龍を見かけたら

話しかけない方が身のためだよ」

そう言うと白尾は

じゃあね、と言って

テントから出て行ってしまった


今日は山を降りるのは無理みたいだ

様子をみて、明日、明後日には

どうするか決めようと思う翔だった


鬼龍が勇気を襲ったわけ

特に意味は無いようです

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