第14話 "創造"された村の正しい使い方
「そんなに落ち込むなよ!プリーモス、あんた前は『神の力』を持つ有名な英雄だったんだろ?」
ヘフィスは敬意に満ちた目でそう言った。
「『神の力』を持つ英雄?」
私は少し興味を示す。ヘフィスは小さく笑って続けた。
「そうだよ、玉秀。玄離大陸ではね、
神の加護を受けた人は、その神の力の一部を使えるようになるんだ。
そういう人を『神の力』を持つ者って呼ぶの。
もちろん、それがなくても世界に功績を残すことはできるよ。
でも力を持つ者は全体の数値が高くなる。
だから難しいことにも挑めて、その分だけ功績も得やすい。
功績があれば英雄になれる可能性がある。
英雄になれば信徒ができる。信徒が増えれば、神になる道も開けるんだ。
ちなみにプリーモスに加護を与えた神は、私と同じタイジーラだよ。
あ、もう一つ。
彼はあの鳥人と原始人類の戦争で、猿人族の村を二つも救った英雄なんだ。
すごい人だと思わない?」
私は思わず、ソファに座っているプリーモスをこっそり見た。
さっきまでは男らしい口調だったのに、今はどこか抜け殻みたいな顔をしている。
さっきの子どもみたいな不満も含めて、
とても「伝説の英雄」には見えなかった。
私の目の迷いに気づいたのか、ヘフィスは静かに続けた。
「ちょうどその頃は、人類と鳥人の戦争の末期だった。双方とも被害は甚大だったよ。
プリーモスは鳥人族の英雄として、人類の英雄ゴリスと和平を結んだんだ。
人類は占領地から撤退し、鳥人は捕らえていた人質を解放した。」
ヘフィスはそばの飾りを整えながら、灰黒色の陶器でできた樹を見つめる。
「でも戦争の爪痕は大きすぎた。
腐敗した遺体から疫病が広がり、各地で結界も壊れた。そこに魔獣が入り込んだんだ。
あの猿人の村は、黒幕の森の縁にあった。
村の成人男性は家を守るためにほとんど戦死し、子どもや老人も疫病で多くが命を落とした。
そこへ巡回中だったプリーモスが通りかかったんだ。
彼は結界を張り直し、七日間村に留まり、さまよう魔獣を討ち払った。
本当にすごい功績だよ。」
話を聞き終えたプリーモスは小さくうなずいた。
その表情は少し落ち着き、ゆっくりと「神」としての自信を取り戻していくように見えた。
「そこはその後、俺にとって最初の猿人族の信仰拠点になった。
村に残った女たちに、痩せた土地でも焔華草を育てる方法を教えたんだ。
ははっ!あの植物は生命力が強い。すぐ育つし、食べられる。
残った根は土の養分をしっかり留める。
強さの象徴みたいなもんだ。俺はあれがけっこう好きなんだよ。」
私は話を聞きながら、プリーモスが広げたアルバムのようなものを見る。
それは空中に浮かび、私たちの前でページがめくられた。
現れた模様は、さっき私が身にまとっていた毛布の花と同じだった。
あれが焔華草なんだ。
私はふと、プリーモスは意外と優しいのかもしれないと思った。
口は悪いけど、どこか気遣いがある。
胸が少しだけ高鳴る。
ヘフィスは楽しそうに、その先を続けた。
「その村はその後、とても栄えたんだ。
プリーモスが村を再創造したと言っても大げさじゃないよ!
後に生まれた子どもたちは神族の血を引いていたから、丈夫で病気にも強かった。
村全体のプリーモスへの信仰は、とても強固だったんだ。」
するとアルバムが数枚めくられた。
そこには赤い髪と黒い瞳を持つ五、六人の子どもたちが、
元気に笑いながら手を振っている姿が映っていた。
……私、何か聞き逃した?
どうしてその村に生まれた子どもが神族の血を持つの?
私は首をかしげ、困惑した目でプリーモスを見る。
彼はわざとらしく咳払いした。
「ごほん、ごほん!とにかくな、
俺はお前の『生物との親和』の魅力値を上げてやれる。
調教師は冒険では重要な職業だ!
強い魔獣を従えて、破壊じゃなく役目を与えることもできる。
それか発明家になるなら、創造属性を強化することもできるぞ!」
「じゃあ……創造の数値を上げたい!」
私が興奮して言い終えると、プリーモスの左手のひらに柔らかな光が灯った。
そしてそっと私の体に触れる。
次の瞬間、頭の中に水が流れ込むみたいな感覚。
蛇口が全開になったように、発想が一気にあふれ出す。
創意が止まらない。
私は驚きながらも、夢中で考え始めた。
「玉秀、まず何を作るつもりだ?」
プリーモスが、きらきらした私の目をのぞき込む。
「あるよ!カメラの原理は外光の反射を捉えることでしょう?
さっき言ってた『光の精霊』を使えば、光を回折させて、衣服を通らずに……」
言い終わる前に、プリーモスの左手がまた光った。
無機質な光点が私に当たる。
私は瞬きをする。
「……あれ?今、何かひらめいた気がする。
何を発明しようとしてたんだっけ?」
「玉秀、生活の基本的なことで困っていることはないか?」
「じゃあ……私があなたたちに会うときは、毎回『訓練用戦闘服』を着てもらうとか?」
プリーモスは苦笑し、ヘフィスと目を合わせる。
無言で「それでいい」という空気を交わす。
「それなら……まあ、いいだろう。
玉秀がいったいどんな不思議な発明を生み出すのか、私もとても気になります。




