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第04話 謎の声と初戦闘?

 どこか安心感のある声が頭に直接聞こえる。

 まるで少し難しい事にチャレンジする我が子を見守る親の声のような、それでいて救いをもたらす救世主のような暖かさ。

 思わず呆けてしまったが現状を思い出す、目の前で人が襲われて…


『其れなら問題ない、崖下を御覧』


(問題ない?なんで?)


 そう思い崖下を見る。

 さっきと変わらず青髪の人が背中を切られてフードの人が一人のピンチ、そしてタイミングを狙う山賊の様な人達、だが違和感を感じる。


(なんで誰も動かないんだ?)


 誰も動かない、まるで時間でも止められたかの様にピクリとも動かない。

 その時後ろから先程の声が聞こえた。


『魂とは刻に縛られない崇高な物、魂で話をするのだ、周りが止まるのも必然だ』

『あぁそれと安心してくれ、声を出さずとも聞こえているから』


 声の聞こえた方に振り向く。


(さっきから声をかけてきますが貴方はいった…!?)


 振り向いた先、そこには牧師の服を着た男がこちらに向いていた、ただ普通の牧師ではない。

 頭が砂時計となっている牧師だった。

 明らかに人間じゃない異形頭に一気に警戒し、俺はいつでも逃げ出せる構えをした。


『大丈夫、私は君を傷つけたりはしない、ただほんの少し話をしに来ただけだ。だから警戒を解いてほしいのだけれど』


 そう言いながら男は攻撃しない意思表示か軽く両手を広げ武器も何も持っていないことを示す。


 正直胡散臭いし不気味な雰囲気を周りに放っているが、かと言って無視するのもダメだ。

 さっき魂だのなんだの言っていたから何となくわかるが今、俺の魂はあの男に握られている。

 俺は渋々警戒を解いたが油断はしない、警戒とはまた違う形で逃げ出せる用意はした。


『…まぁいいでしょう、確認は出来ましたし』

『ここで話すのもアレだし、場所を移そうか』


パチンッ


 男が指を鳴らした次の瞬間さっきまでいた森から一変、真っ白で何も無い空間なっていた。


『そういえば名乗っていなかったな、いくつか呼び名はあるが私の名前はアインだ』

『君は名乗らなくていい、名前も含めて全て知っているからな』


 男、いやアインはそう名乗った。

 俺の全てを知っている?どういうことだ?気になる事は多いがまずはこれを聞かなくては


(俺に一体なんの用だ、全部知ってるなら俺から聞くことは無いと思うけど?)


『なに、君が困ってたから声をかけたのさ』

『君、あの状況をどうにかしたいと考えているだろう?私ならそのどうにかする方法を教えれる』


 さっきまではアインが何を言おうが聞くつもりはなかった。

 だがこれは話が変わってくる。あの人達に思い入れがある訳じゃない、正義感からでもない。

 まだ親元を離れて居ない一人を知らない子供が見ず知らずの地で見つけた初めての人間、この世界での存在を確立できていない。

 役割を求める現代人の子供にその言葉は劇薬であった。


(その話、もっと詳しく)


『やっと対話をする気になったか、最初に疑うのはいいがね』


 アインはそう言い、どこからともなく椅子を取り出して腰掛け、話し出した。


『ただそのまま伝えるつもりもない、知識を得るには対価が必要なものだ』


『この知識の場合対価として君の名前を隠す、それでも聞くかい?』


 知識の対価、まぁタダで教えて貰えるとは思っていなかったが対価は俺の名前…だが1つ気になる点もあった。


(隠すってことは名前を忘れるのか?それとも名前を失くすのか?)


『当然の問だ。今回の場合は名前を忘れるものだ、これからの君の人生で思い出す事もあるだろう』


(要するに一時的に名前を忘れると言うことか?)


『君の努力次第だがね』


 努力次第で思い出せる、ならば答えは1つだろう。


(教えてくれ、その方法を)


『……君の考えはわかった、では始めよう』


 アインは椅子から立ち上がり右手で砂時計の上部分を持つ。


『これから君の記憶に直接方法を書き込む、これが終わった時にあの刻は動き出す。頑張るんだな』


 砂時計が回転して上下が逆になる。

 その瞬間俺の中に知らない記憶が流れてくる。

 この場を打開しこれからを生き抜く方法とその力について。だが何故だろう?自分のモノと言う感覚がしない違和感…

 そして言葉で言い表せない体内、いや魂から何かが見えなくなっていく感覚。

 一気に流れ込んできた記憶によって意識が遠のく中、アインの声が聞こえてきた。



『行ってらっしゃい■■■』



――――――――――――――――――――――――


 流れ込む記憶が収まり目を開ける。

 さっきまでアインといた白い空間では無く森の中に戻っていた。


「レオンッ!!」


 アインが話しかけてくる前に聞いた叫び声が聞こえてくる。

 崖下を見るとさっきとは違いみんな動いている。

 助けるのはあの2人組、見た感じ山賊達よりは話が通じそうだし。


「ふぅ…やるか」


 俺はさっき得た記憶を元に動く。

 左手の手首より先のパーツを取り外す。

 腕の断面は真っ暗となっており中は見えない、違和感は残っているが記憶を元にやるしかないか。


 腕に力を込める、すると断面から何かが出てくる。

 シュルッと布同士が擦れたような音とともに1本の糸、それに続くように何本もの黒い糸が空中に大量に吹き出す。

 出した糸に意識を向けると空中をまう糸がその場で止まり考えた通りに動く。


「よし…行け!!」


 ヴァッと糸が山賊目掛けて飛んでいく、何本も束になって山賊を絡め着実に無力化していく。

 突然の事で山賊が対処出来てなさそうなのが良かった、感覚的には数枚のタオルを重ねて縛り付けてる様な感覚しかないし。

 これを少ない本数の糸でやればスマートでかっこいいんだろうけど感覚が分からないからやってることはただ出せる感覚そのままにぶちまけてる糸の濁流だ、練習するか。


「全員捕縛できたかな」


 2人程逃げちゃったけど目視で確認できる山賊は全員捕縛できたっぽいので俺は糸で坂を作り下に降りる。

 青髪の人やフードの人がすっごい警戒してるし山賊もめっちゃ睨みつけてくるからちょっと怖い…


(でもこのままだと話しかけてもだし解放するのもなぁ…そうだ!!)


 ここは一芝居うってみよう!!


――――――――――――――――――――――――

レオンside


 迂闊だった、まさかヤンの"認識領域"に引っかからずに近づい来るヤツがいると思ってなかった。

 何とか反撃で首を跳ねたが正直俺はもうまともに戦闘できる余裕は無い。なんならヤンも能力使いっぱなしで体力的には限界ギリギリだ。


 山賊ども、俺が戦えない事とヤンがギリギリな事に気づきやがった、明らかにさっきと違う目をしてやがる。

 次来たらもう守れる気がしねぇ…せめてあの親子だけでも…


 「………行け!!」


 誰の声だ?そんなふうに考えてるとどこからか黒い波、いやこれは糸の塊?

 飛んできた大量の糸によって山賊どもがあっという間にサナギみたいになっちまった…

 崖の上からさっきの糸が坂になって降りてきてその上を何かが歩いている。

 きっとすげぇ実力の冒険者だろう。そう思い見上げるとそこには服を着たドールが歩いていた。


 能力式人形(スキルドール)?でもそれなら近くに人形師(マスター)がいるはずだが…


「……今逃げるならその…殺さないけどどうする?」


 こいつ今喋りやがった!義体か?いや全身義体なんて聞いた事がねぇ!!どうなってる!!


「…レオン、今子供だけなら逃がせる、どうする?」


 ヤンの声で我に返る。そうだ俺達は護衛をしてるんだ、依頼人を1人でも逃がせるならそうすべきだ。

 あの全身義体?は山賊を逃がすために向こうに意識が向いてる、チャンスは今。


 ヴァサァ!!


 その時山賊を絡めていた糸の波が弾けるように解けて山賊どもが一斉に逃げて行く、全身義体?かこっちを向いた。

 剣を取りたいけど届かねぇ、確か東の方では万事休すって言うんだっけな、まずいな。

 全身義体?が口を開いた。


「あの…大丈夫ですか?」


 全身義体?が声をかけてきた、それも心配する口調で。もしかしたら俺の警戒は杞憂だったかもしれないな。


――――――――――――――――――――――――

ステータス

名前:■■ ■■■     ■■■

種族:人形?

属性:不明

称号:始まりの■■■■ 

所属:無し&■■■■

魔法:無し

固有能力:耐性【完全防腐】

     分類不明【名称不明】

能力:熱耐性IV

   冷耐性Ⅲ

   打撃抵抗Ⅱ

   撥水Ⅰ

今回から■■■くんが能力を得たのでステータスが着きます。

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