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始まりはいつも突然

ありきたりなお話。

 今年で18になる高校3年生、第1志望では無いけど進路も決まって現在は完全フリー。せいぜい友達に勉強ちょっとだけ教えたり息抜きに一緒に遊びに行くだけ。

 そして今日は3年生最後の冬休み、クリスマスの夜だ。彼女はいないのかだって?あいにく俺は全くモテない。1度告白したことがあったが「弟にしか思えないから無理」と断られた。いいもん!独り身の方か身軽だもん!あれ、何故か涙が出そうだよ……


「ふふんふんふんふん〜♪」


 そんな事はさておき、お気に入りの曲を鼻歌で歌いながらプラモデルを作っていく。とあるロボットゲームの機体でこの間再販したばっかりのやつ。

 ちょっと丸っこくて横に大きいため他のプラモデルと並べて飾るのは難しいがそれでも大好きな機体なため頑張って綺麗に作る。


「ふ〜ふ〜ふんふ〜ふふんふん♪」


 バリをしっかりとって1つづつはめていく。プラモデル作りで1番気を使うのはこの瞬間だと思う。

 にプラモデルを作るのは今回が初めてではなく既に10を超える量を作っている。ちなみにプラモデル作りを始めたのは2ヶ月前だ。作りすぎたな、貯金がやばい……


「新しいバイト始めなきゃな〜」


 パチリ、パチリと音をたててパーツをはめていく。先程までバラバラのプラスチック片だったものがみるみるうちにロボットのパーツとなっていく。

 着実に、確実に、俺の座右の銘だ。

 どんな事でも手を抜かない、時間がかかっても完璧なものほど後に残るものだから。じいちゃんが倒れたあと病室で言ったことだ。まぁただの貧血で倒れただけで今もピンピンしてるけど。


「え〜とあとはどうくっ付けるんだ?」


 説明書とにらめっこしながらパーツ同士を組み合わせていく。正直プラモデル作りで1番気をつけるのはここだと思う。いやシールを貼る時か?まぁどっちもだろう。


「あとはこことここを嵌めて〜」


 胴体に足、腕をつけていき残りは最後のパーツだけ。


「こ〜れ〜で完成!!」


 最後に頭を付けて完成!なかなかにパーツが多くてヒヤヒヤした。

 それにしても圧巻のデカさだ、ちょっと小さめのプラモデルが横に2つ並ぶ大きさ、細部もこだわっているだけになかなかのものだ。


「やっと終わった〜長かった〜」


 時計を見ると針がそろそろ午前3時を指し示そうとしている、風呂に入ったあとから始めたから実に6時間ほどかけて作ったのだ。


「あぁ〜疲れた、そして眠い…」


 作ったプラモデルを元々用意していたスペースに飾り椅子にもたれかかるとここまでの疲労と眠気が一気に押し寄せてきた。そらそうだ6時間ぶっ通しでプラモデルを作ったのだ、そりゃ疲れるし眠くもなる。


(もうこのまま寝ちゃうか、プラモデルの配置はまた明日いじればいいし)


 珍しく星が綺麗に見える夜、そんなふうに考えながら俺は机に突っ伏して寝てしまうのであった。



それが三入ユウヤがこの世界で最後の行動になるのであった。



―――――――――――――――

とある洞窟の中


 壁にもたれかかるひとつの影


 全身が木で作られた口しか顔のないマネキンが1つ、もたれかかっている


 まるで何処かから逃げ出した様な人形、見えないはずなのに人形は哀の表情を見せ、力尽きてもたれかかる


 突然人形が動き顔が天を仰ぐように洞窟の天井を見る、それはまるで何かを思い出すような、それでいて託す様な、見えない表情はそう映る


 そして今度こそ人形は完全に力尽きる、だが見えない表情には喜の表情があったのだった。

タイトルは人気になったら変更します()

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