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夏祭りはヤマト村で 19


「てい!」



クリスがとりあえず程度に必殺技を繰り出した



「なるほど。ふむふむ…あ、そうだみー、そういえば今ので思い出したが刀が欲しいって話があったな。ちょっとこっちにいいか?クリスさんもすまんがちょっと待っててくれ」



 ヨウさんが何やら俺を呼び付けて家の裏へと向かった。

 このタイミングで何を言ってるのだろう



「刀って確かおいそれと渡さない主義じゃなかったでしたっけ?」



「そんな事よりみー、アレはなんだ?お前あんな最終奥義みたいなの連れて来てどーしろってんだよ!」



 どうやらヨウさんにはクリスの必殺技が最終奥義レベルに見えたようだ



「俺も異質というか凄いとは思ってましたがそんなにですか?」



「ありゃやべぇよ、あんなのに何アドバイスすりゃいいんだよ!無茶振りもいい所だ!あれは何ていうか人間で出来ちゃいけない何かを省力してる気がしてならないぜ」



 それ程か、でも確かにそうだ。だってこっちの意思や技量で躱せる代物じゃないもんな、アレ



「転移的なものとも違うっぽいし…謎っすね」



「他人事じゃねーぞ、あんなのにどうアドバイスすりゃいいんだよ!かと言って変な事言ったらあの技が悪くなる可能性だってあるし…なるべくなんかこう、俺の威厳を保ちつつかつ、クリスさんも良い方向に行くようなアドバイスをお前も考えてくれ」



 こんなのでも腕は本物で真剣勝負になったら俺だって勝てるかどうか…まあ厳しいだろうな。

 普通に凄い人ではあるんだが何とも残念な相談をされてる気がするぜ。



 結局こういう時は下手なこと言うとボロが出るという事で妥当な話でって結論になった



「いやぁ、待たせたねクリス様」



「そ、そんな…ヨウさんまでクリス様だなんて…それよりどうでしたかね?私の必殺技は」



 クリスが目をキラキラさせながら問いただしておる、ヨウさん若干顔が引きつってますよ



「うむ、実に素晴らしい必殺技であるな。うんうん、ただ我が剣技とは異なるがゆえ下手なアドバイスはマイナスになりかねない。よってその素晴らしい必殺技に自信を持って己の道を邁進するが良いと思うのであるぞよ」



 若干口調がおかしくなってるヨウさんにせいらさんも何か察したようではあるが弄る気はなさそうだ



「あ、ありがとうございます!ヤマト村1の剣士にそう言っていただけるなんて……これからも頑張ります!」



 クリスが物凄く喜んでる。クリスの目標達成は突き詰めると今この時なのかも知れない。

 なんて俺もちょっと感慨深く感じていると、物凄い殺気が辺りを包んだ。 

 眼の前真っ暗になるような、ここに居ては絶対に殺られると言わんばかりの殺気だ。

 あまりの事に各自臨戦態勢になったり身を守る体勢になったりした。 


 やったのは当然


「クリス様、刀…剣…ダガー、武器はどんなに綺麗事を言っても殺しの道具だって事。それだけは忘れんなよ」



 ヨウさんが格好よくキメ顔で言った。おっさんではあるがこの人は確かにカッコいいんだよな



「は、はい。ありがとうございます、ヨウさん…いえ、師匠!!」



 ヨウさんが遂に師匠呼びに、対する師匠さんは…さっきより顔が引きっってらっしゃる。

 当然か、自分じゃ手に負えないという事で上手く誤魔化した相手が勝手に弟子になろうとしてるわけだから。

 それを知ってか知らずかせいらさんが畳み掛ける



「さっすがヤマト村随一の剣士っすね〜、これからもヨウさんがきっとクリスに色々指南するんでしょうなぁ〜」



やめてあげて下さい、ヨウさん青褪めてますよ



「よ、よよ、よろしくお願いします!」



クリスも尊敬の眼差しを出している



「ふ、困った事があったらいっ、い、いつでも言って来るがいいぞよ。では俺は家の中で任務があるので失礼するよ」



 なんとか逃げ切ったようだ。

 クリスの純真無垢な尊敬の眼差しに耐えきれなくなったのだろう。

 でも凄い人には違いないからきっと何かしら為にはなる筈だ



「流石ヤマト村1の剣士だったね、きっと私なんかじゃ想像も出来ないような奥義とかあるに違いないや。さて、私達は昨日それなりに回ったからアレだけどみーくんはまだ堪能しきれてないでしょ?一通り回ろうじゃないのさ」


 ヨウさんに秘奥義的なものがある事を祈るばかりだ。


 という事でようやく祭りを回れる時が来ました。

 チラ見はしてるので何となくは分かるがこれまた面白そうなのがあるので是非やってみたいと思うところ。

 まずは



「弓当てだとぅ?やるしかない!」


「お前弓使えるのか?」


「キミってば意外な特技持ってるからかなりやれちゃうんじゃないのかい?」


「この俺にかかればもうこんなもんはちょちょいのちょいよ、欲しい景品を言いたまへ」


 弓なんて初めてですが…あ、生前スポチャチャで一回やった事あったかも


「それじゃあ1等なんてどうですか?」


リリィ様ご指名とあらばやるしかない


「では行きます、1等ですね…行くぞっ……ぅぅぅやぁー!!」


 明後日の方向に行くわけでもなく真っ直ぐ行くわけもなく的に届く事無く、何の面白みも無く地面に突き刺さりました。

 1回目は肩慣らしとか適当に言って2回目も…今度は的に行くことなく奥に突き刺さりました。

 当たり前だろ!こんなの難易度高すぎだわ、素人がやれるわけないわ!っていう気持ちを抑えつつ何か突っ込みが欲しいので黙ってクリスの方を見ておいた


「こっち見んなよぉ」


 「まあ、私達クラスになると見りゃ分かるからスルーしといてやるよ」


 せいらさんとまゆもはひと目で素人と分かってたようだ。

 プッと笑ってた割に何も突っ込んで来なかったのはそういう事か。

 リリィさんも苦笑いのご様子、するとウチのロリっ子さんが動き出した


「ここは私の出番ですね!」



 おお!普通に一等当てやがった。メロニィはこういうの得意なのか?


「メロニィ凄ーぼん!アチキもやるぅぅ」


「私も私も」



 まゆもは1等こそ無理だが普通にやれてて、クリスとリリィさんもやったがちょっと当てた位で終わった


「ふふふ、これは私の独壇場なのでは?」



メロニィがドヤ顔しとる



「もしかしてメロニィなら輪投げもやれるんじゃないかい?」



ということで輪投げへ



「あの人形可愛いぼぅぅん」


「任せたまへまゆもくぅぅん、この輪投げワールドクラシックニューワールドのみーが獲ってご覧にいれよう」


 弓と違い決して技量が無くてもある程度やれそうな輪投げさんは…何の面白みもなくハズレの箇所に2つくらい入って終わった。

 せめて面白い展開があればという中何の面白みもないという何とも言えない気持ちを胸に秘め黙ってたら


「何か言いなよ!」


クリスが拾ってくれました


「みーさんも出来ない事があって何か安心です、私にお任せ下さい」


「いや待て!謙遜とか抜きに俺は出来ない事だらけだからな、ハードル上げないで下さい。後が怖いです」


「ふふふ、どうしましょうかね」


 コイツ、違った切り口から俺を攻めて来てやしないか?

 そしてメロニィがまたしても1等のぬいぐるみを手に入れた



「スゲーな、メロニィはこういうの得意だったのか?」


「初めてやるので得手不得手は分かりませんでしたがどうやら得意のようですね」



初めてでこれか。天才だな



「初めてだったのか?それならその才能を活かして弓を装備したら良いんじゃないか?私も昔は弓にちょっとハマった時期があったんだよ」



 せいらさんは弓も使えるのか、だからひと目で俺が素人って分かるのか



「流石姐御、私は昔一回やってみた事あったけど全然駄目でした」



 クリスは弓矢とか苦手っぽいもんなぁ。それにしても…獣人とでも言うのか?それにエルフとかドワーフって言うんだっけ?色んな種族の人が居られる。

 昨日も居たけど今日の方が多いね、逆に人間は今日は昨日より少ない気がする。

 多分メインは昨日だったのだろう、こういうのを見ると本当に異世界なんだなと思う



「みーさん、あちらにくじ引きがありますよ。景品に魔力回復の腕輪があります、やってみましょうよ!」



 リリィさんが無邪気に誘って来た、目をキラキラさせている。

 それ程魅力的な商品をクジに出すとは流石ヤマト村、太っ腹だ



「いらっしゃ……こ、これはせいら様!ご機嫌麗しゅう。く、くじ引きやって行かれますか?」



「久しいなトシよ。一応聞いてやるがこのクジ…ちゃんと当たり入ってるよな?」



 この世界のこの手の物も当たり無しとかあるっぽいな



「そ、そそ、そりゃ勿論ですぜ!確かに確率は低いっすけど」



「そうか、それなら良いんだが。流石にリリィ様がやるもんに不正なんてあったらヤマト村の名折れだからな」



 顔面真っ青にしているが…ぼったくりなら素直に認めといた方がいいと思う。

 せいらさんが口だけの確認で済ますわけ無いし。

 だがこの人も引くに引けないのか、大丈夫と念押ししてきた



「で、ではやってみますね。みーさんも一緒にどうですか?」



 せっかくなのでやってみたらリリィさんは6等で俺はハズレた



「ざ、残念だったなみーさんよ。ただ惜しいのが金に物いわせられると子供達が可哀想なので回数制限があるんだ。そこんとこよろしく」



 それらしい事を言ってるが多分当たりは無いのだろうな、ここは長居無用かと思ったら



「んじゃ私がやってやるよ。ほれ、一等だ。賞品よこしな」



 うわぁ~、本当に暴君だなこの人。中身も確認せず1等って決めつけやがった



「あ、え、ええ……お、おめでとう……ございます……」



 あまりの暴挙に言葉が上手く出ないトシさん。俺の実年齢を知ってる人の中では下の部類に入るので礼儀はちゃんとして来るし悪い人ではないが…素直に賞品を渡すのを見ると我々には知らない力関係があるのだろう



「よっしゃー!!流石私!ささ、リリィ様。こちらはプレゼントです。私はいくつか持ってるから遠慮無く貰ってやって下さい」



「あ、ありがとう、ございます?」



苦笑いのリリィさん。気持ちはわかりますよ



「ちくしょう〜、今日はツイてねぇぜ。と、所でせいら様、ギンさん達とは会えたんすか?」



ギン?何やら気になる会話だ



「はぁ!?」



 恐ろしい程の殺気とかつて無いほどドスの効いた声でせいらさんが返事を返す。

 どうやら禁句のようだ



「な、なな、何でも無いっす!失礼しました」



 ギンさん達とは誰の事なのだろう…でも下手に聞いたら俺も怒られちゃうから気を付けねば。

しかしちょっと気になるな

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