夏祭りはヤマト村で 15
「「ワッショイ ワッショイ」」
この掛け声は日本と一緒なんだ、だが熱の入れようがハンパない。
俺も世界は違うが日本男児の端くれなのでこういうのは火が付くぜ
「みーくんが来た!みーくん裸になってるぅ、頑張れ〜」
クリスが俺の姿見て笑いながら応援してきた。下手に照れてる感とか出すと後で弄られそうだから堂々としておこう。
それにしても結構重いしかなり疲れるな、こんなに重いものなのか?
要所を回ると花火が放たれたりとかなり本格的、てか花火綺麗
「試練の坂に来たぞ!お前等、気合入れろぉぉ!!」
「「おおおーーー!!!」」
この坂やべぇ……超キツいんですけど。
因みにルールなんかは一切説明されて無いけど分かった事がある。
それはこのお神輿、皆魔力なんかは一切使わず運んでるのだ、つまり自力です。
自力だとこれはかなりハードな部類に入るな
「よーし登ったぞ!!」
上まで着くと花火から太鼓から色々始まった。とんでもない熱量だ、俺も心が燃えてくる。
後は一直線でゴールっぽい所に向かうようだな。
因みに神社から横に行けば割とすぐの場所ではあるが…大きな石があるのを覚えてるけどそこがゴールなのだろうか?
「よくぞ来た、これより1年の成果を見せし時来たり」
村長が待ち構えていた。そして魔石のような物を投げて祈りを捧げるや否や、その岩から膨大な魔力が発せられ魔力の塊が出て来た
「皆、気合を入れろぉぉぉ!!!」
「「おおーーー!!!」」
ヤバい、皆目がイッちゃってる
ここ一番の花火と太鼓等の音楽、そして祈祷をする巫女さん達。
かえでさん達は居ないのでここに居る巫女さんは多分本物なのだろう。
あたりが静まり返る
見物客達も満員で皆こちらに注目している、何が始めるんだろう?やる側なのに何も知らない俺……大丈夫かな ?
「皆の者、力を開放しろぉぉぉ!!」
村長がそう言うと魔力を出す者は出し、そうでない者は力を込め出した。
よし、ここで全力を出すんだな、俺も出すぜ!
「ティメッツぱわーー!!」
皆に負けないように俺も全力を出す
「「おおーー」」
「スゲーな!ライオウを倒したのは伊達じゃねーな」
やめて、なんか恥ずかしくなってきた。落ち着け、ここはしれっとだ
「突撃ーーー!!!」
「「うおぉぉぉーーーー!!!」」
合図と同時に皆で魔力の塊に突撃した。なるほど、ドーンって訳ね。
それにしてもこの塊スゲーな、気を抜いたら飲まれるぜ
「いける!!今年はいけるぞ!!突っ切れーー!!!」
「「うおぉぉぉーーー!!」」
皆脇目も振らず剥き出しにして全力で突撃を行ってるので俺も真似しておこう。
正直皆のこの目のイッてる感じとかはっちゃけてる感には少し引いてしまいそうになるけどここでノッてないと逆に浮いてしまう。
俺もはっちゃける事にした
「もう一息だぁぁ!!」
「「がんばれーー」」
かれこれ5分くらいせめぎ合った後、遂に魔力の塊が爆散した
「「おおーー」」
「神秘的」
「綺麗」
どうなんだ?これって勝ったのか?
「勝ったぞーーー!!!」
「「よっしゃーー!!」」
「見事じゃ」
どうやら勝ったようだ、それにしても……もう限界です。疲れました
ある意味一戦を終え皆で休んでいるとお手伝い巫女さん達が飲み物を持って来てくれた
「お疲れみー、やっぱ今年はみーが参戦しただけあって勝ったね」
そろそろ仕組みとかを知りたい所なのだが
「ありがとうかえでさん。ところでほぼ説明無しだったんだけどあの魔力の塊ってなんだったの?」
「ちょっと待って。おいお前等、ちゃんとみーにも説明してあげなさいよ」
かえでお姉さんの説教が始まるのか?
「い、いや待ってよ。俺はちゃんと説明したぜ!なぁ?」
「ああ、俺も補足で説明したよ」
レン君とトウ君からされた説明をそのままかえでさんに伝えてあげた
「全く…この3バカは。全然意味わからんだろーが!ごめんね、バカばっかりで。
この神輿はね、簡単に言うと儀式みたいなものであの岩に去年やった時の魔力というか強さみたいなのがそのまま保存されるのよ。
それと力比べしてこの一年の成果を見るみたいな感じなんだけど…負けたらあの爆散するのは見れないんだ。
今年は危なげなく勝てたから良かったよ、これが決まらないとなんか締まらない気がするしね」
なるほど、あの魔力的な塊は去年の皆の力だったのか。
仕組みは分からないけどなんかスゲーな。
因みにシン君には説明内容すら聞こうとしない所を見るとやはりある意味でシン君が断トツなのだろう
一大イベントが終わり神輿勢は打ち上げで神社で飲み食いする事になっていた。
別に参加しちゃ駄目という訳では無いがパーティーメンバーはまゆも家に帰っていった
「先に戻ってるから、みーくん飲み過ぎ無いようにね」
神輿を担ぐ人達は男な訳だが基本的に戦闘タイプの人がやる習わしらしくマッさんなんかは不参加らしい。
昔は参加してたそうだけど確かにマッさんは戦闘タイプっぽく無い
「いやぁ~今年は勝ったぜ!やはりみーパワーが効いたっぽいな」
「来年が大変になりそうだが…みーも鍛錬を怠るなよ」
あ、やっぱ来年も参加確定なんすね
「来年はさらなるパワーをどーのこーのしますぜ」
それにしてもヤマト村で振る舞われる料理は美味い。
かえでさん達が作ったのかな?という事で巫女さん達に絡んでみようかしら
「この料理って皆で作ったの?」
「そうだよ、美味しいでしょ?沢山あるけど残したらお仕置きだからね〜」
ヤマト村の人って皆良いお嫁さんになれそう
「みー気を付けるんだ、かえでさんはお仕置きって言ったら本当にやるぞ」
マジっすか?
「バカ、お前そんな聞かれるような距離で忠告とかすんなよ。なんでお前はそうなんだよ」
「ちゃんと食べ切るんで安心して下さい。ほら、みーもジャンジャン食うぞ」
3バカの恐れっぷりから察するに本当に何かされてしまうのだろう、おっかねぇ。
それにしてもシン君は結構な爆弾キャラだな
「てかお前アレだよな、前からだけど大人組とやたら仲良いよな?」
おっと、気を付けないとこいつ等にまで年齢を疑われちまうぜ
「色々世話になったからねってだけの話さ」
「確かにそうだよね〜、なんかかえでさんも言ってたけどもしかしてみーって」
あら、いきなり後ろからゆっこさんが話に入って来た
「何を言ってるのかよく分からないけど…ゆっこさんの巫女服もまた良いですなぁ〜」
テキトーに濁す、でもゆっこさんの巫女服は本当に良き
「なんだゆっこ、お前は何か知ってるのか?」
「いや、知らないけどかえでさんと謎のやり取りをしてるのを見掛けたんだよね」
「ほう、それは気になるな」
そういやゆっこさんもトウ君達と同年代なんだ。
あんまり3バカ達とゆっこさんは絡まないから忘れてたけど同年代で連携されて来ると厄介だな
「何?みーが何か隠してるって話?俺にも教えてよ」
「アンタはとっととシホの所に行って来なさいよ。勝手ににんにくの効いた食べ物持って来たとかで怒ってたって聞いたよ」
やっぱり怒ってたんですね。俺までとばっちりこねーよな?
って俺もこのままではピンチだ、とりあえずここから離脱するしか無い。
ここにかりんさんなんか現れた日には
「何々?みーの秘密を暴くんだって?ゆっこも遂にみーに本格的に興味を持ち出したな」
現れちまった
「違うから!ちょっと気になったってだけの話だよ」
いよいよ追い詰められるか?って時に横から酔っ払いが絡んできた、ヨウさんだ
「おいみーよ?楽しそうにしてるぢゃねーか、それりしれもお前のあのパワー、良かっらぜぇぇ」
酒臭い、顔近い、体くっつけ過ぎだ。このおっさんホモか?見た目はカッコいいダンディな感じだがそこそこなマッチョなのがまたキツい。
やめてあげて、俺にそういう趣味はないから
「ヨウさんもそう思いましたか?俺もあのパワーは良いなって思ってたんですよ!みー、どっからそんなパワー出してるんだ?それに着痩せするんだな、結構なマッチョじゃないか〜」
シン君まで…だからお前等顔が近いし体くっつけんなよ
「うわぁ~」
ほら、あのかりんさんが引いてる程の絵面になってるよ
「みー、アンタまさかそっちの毛があるの?」
「何言ってるんだ、俺はバッチリ女好きだい」
そう言ってゆっこさんの背に隠れる俺……ってやべぇ、今俺達は上半身裸のままだった
「ちょ、ちょっとみー、こんなところでその格好であんまりこう……ねぇ?」
「ご、ごめん。自分の今の格好忘れてた」
「ああ!?みーが遂にゆっこを襲った〜!かえでさんに報告だぁ」
やめろめんどくせー
「お、俺知らねー」
「お、俺は止めたからな?」
レン君よ、いつ止めたんだよ?息吐くように嘘つくな
「おいみー、話がある」
かえで様降臨しちゃいました
「……はい」
素直についてく俺
「アンタって節操無いわね〜、そんな格好でゆっこに襲い掛かるなんて」
「ち、違うんですからね!シン君とヨウさんに密着されて顔まで近くて困り果てた俺はそんな中ホモ疑惑を投げかけるゆっこさんの疑問を晴らすべくどーのこーのなんですぅ」
「その格好じゃなきゃなんて事無い話なんだけどねぇ〜」
くっそ~、俺はある意味被害者だと言うのにぃ
「よぉ〜く考えて下さいよ、あんなマッチョなダンディおっさんと無駄に色白で良い感じの細マッチョのシン君の2人に両サイドからくっついて来られたらホモっ毛皆無の男からしたら逃げたくなるのも当然だろ?」
「それはまあ分かるけど……でもアンタも結構良い体つきしてるわね」
何その流れ…あんまりジロジロ見ないでくれないかなぁ…てかかえでさんは筋肉好きか?
「かえでさんは筋肉好きなのかな?かえでさんなら大歓迎ぞ!」
「な、何言ってるのよ!バカ!バカバカ!そ、そんなんじゃないんだからね」
あら可愛い、ヤバい…イタズラ心が
「きゃー、かりん様〜かえでさんに襲われちゃぅぅ」
「なにぃ!?かえでさんがみーを襲ってるだとぅ!?」
かえでさんもめんどくさい子に弄られてしまえ
「アンタって人は〜!かりん、それは誤解だからね、あんまり変な事言わないの!」
なんとか逃げ切った俺
「お、お前気を付けろよ。かえでさんは躊躇無しに来るからな」
そうでした、そんな話でした。逃げてたらどうなるか分からないからちゃんと話は済ませておこう
「とまあこんな流れでゆっこさんを襲ったなんて話にされたわけさ。なので僕は無罪なんですぅ、分かって頂けたかな?」
「ぅぅ……なんか腑に落ちないけどそんなもんだろうとは思ってたからいいさ。かりんもあんまり人をおちょくらないの」
よし、話は綺麗に片付きそうだ
「なんらみー?かえれとよろしくやってるのかぁ〜?かえれは良いかららしてるからなぁ〜。ほら、あっちに人気のない所があらからいちゃこらして来ればいいれぇぇ」
この酔っ払いが!せっかく丸く収まりそうだったのに
「ヨウさん、酔い過ぎですよ。ちょっとした戯れだっただけっすから」
「そうかぁ〜、かえれの方もその熟れた体を持て余して」
うわぁ~、それはヤバいやつだ。これは流石にかえでさんも怒るのでは?
「みーちょっと離れてて」
かえでさんのスイッチ入っちゃった。皆一斉に離れていく中酔っぱらったヨウさんはそれに気付く事なく絡み続けてる
「辞世の句は聞いてやるよ」
「じせく?せく…セックスだとぅ〜!?いくら俺が魅力的でかえれは熟れた体を持て余してるからってそれはマズい……マズくないか?でも俺には妻子が」
ヤバいヤバいヤバいヤバい……一度だけ見た事あるんだ、かえでさんの隕石。
辺り一帯消し飛ぶぞ、規模次第では村が消滅しかねない。
ヨウさん、何とか正気に戻ってくれ
「ヤマト村随一の剣士、記憶の片隅には置いといてやるさ」
「なんだぁ〜おいらとやるっていうのかい〜?それにしても凄い魔力…凄い魔力を練ってますね。あれ?あの……かえでちゃん?その……あの……なんで僕にそんな魔力を向けてるのかな?さっきの話かい?やだなぁ冗談に決まってるだ」
「ノスドラダーム」




