夏祭りはヤマト村で 11
お昼何食べるなんて話をしつつ徐々に祭りの出店が完成していくのを見てたら3バカとドン君がやって来た。
因みに人によって3バカの3人目はシン君かドン君で別れるが俺が絡んで来た人の視点ではシン君が3バカ扱いされていた。
もう4バカで良いのではないかと思う
「みー、昨日はとっても良かったよ!俺は感動して泣いちゃったよ。まさかあんな心打たれるとは思っても見なかった、良いもの見せてくれてありがとう!」
物凄く顔が近いです。シン君は熱くなると周りが見えなくなる感じが見受けられる
「確かに感動したな、あれで最後の方のマンピーが無きゃ女ウケも100%だっただろうぜ」
「レンは何を言っているんだ、あそこでマンピーをやるからこそだろ!みーらしい選曲じゃないか、そんなマンピーを持ってくる選曲をするみーにも感動したよ。うん、マンピーにも感動だ」
マンピーマンピー連呼するな。シン君の3バカっぷりは下手すりゃ断トツまであるな
「シン…お前くれぐれも女の前でマンピーの連呼はやめとけよ?下手すりゃ村に居場所なくなるぜ」
トウ君がまともなアドバイスをしておる
「そういやみー、今日の神輿だから17時に神社な。遅れんなよ」
なんて?
「トウが勝手に参加者として挙げてたぞ。俺は予定があるから行けないが…それにしても昨日のは感動したぞ、正直曲はよく分からなかったがなんというか魂にくる感じだった」
それはありがとう!じゃなくて何言ってるの?
「またやるかもしれないからその時はよろしく!って何?俺神輿担ぐの?」
嫌……では無いけど強制なんすか?
「レンがみーならこんなの参加するしかないって言うに決まってるって言ってたから俺がみーも行くって言っといたのさ」
いや、僕は屋台とか回ろうと
「そういう訳だからクリスさん、ちょっと夕方からみー借りますね」
レンくん?何故俺には無許可の癖にクリスには許可得ようとしてるの?
「了解!みーくんはこういうの好きだろうからどんどん参加させちゃって」
クリスめ、イタズラっぽい顔してこっち見てやがる、俺が戸惑ってるの分かってやがるな。
嫌ではないんだよ?でもなんかこう順序ってあると思うの。
なんてやり取りをしていたら定食屋のおっさんがドン君を呼びに来た
「ドン、急で悪いが屋台やれるか?」
「え?何で急に?」
どうも屋台用に頼んだ外注の麺が手違いで300玉程余ったとの事。
ヤマト村で料理をやる所は基本手打ちなのだが祭りの時は相応に需要があるので手打ちでやるのは無理があり他所から妥当な麺を取ってるのだとか
「し、しかし今日は……」
「屋台やれそうなやつは大体やっちまってるから代わりがいねーんだよ、これでも皆もそれなりに大目に貰った上でやっと300玉まで減らせたんだ。なんとかならねーか?」
これは難しいな、他にもやれる人が実際居ないことも無いのだろうがわざわざ屋台なんてやろうと思う人はそうは居ないだろう。
急でなきゃ大丈夫だったとは思うが
「みー、ちょっと来てくれ」
ドン君に呼ばれ路地裏へ
「みー、たのむ!代わりに屋台やってくれないか?あの麺はそんな日持ちしないからすぐ駄目になる。ヤマト村で料理に関わる身としては結果駄目になるとしても何もしないで駄目にするなんて出来ない……だが今日はダメなんだ」
その心意気は買いたいが何か用事があるのか?
「気持ちは分かるが……差し支え無ければ今日はダメな理由を聞いても?」
「その……弟子……と言うわけでもないのだが俺の武術に興味を持った子がいてな、そいつと神輿と少し打ち上げる花火や魔法を見る約束をしてだな……」
「して、その子はおなごという認識でよろしいか?」
頷いた
何その青春、羨ましい!このドン君は武道一筋で真面目でお堅め、でも不器用ながら優しい。
という感じの性格にあまり知らない人からは見られててその通りの部分も確かにあるが…実際は割と本気でエロ丸出しかつ堅いわけでもないおバカさん的キャラなのでトウ君同様女っ気は無い子だったりするがそんなドン君がまさかね
「麺って焼きそば専用みたいなやつだよね?他の食材も欲しいから何処で仕入れられるか教えてくれ」
「みー……すまん、恩に着る!」
まさか本当に屋台をやる事になるとは…とりあえず仕入れだな
「緊急事態という事で急遽僕は出店する事になりました、屋台ですね。というわけでこれからちょっと仕入れやら打ち合わせして来るので皆さんは祭り楽しんで来て下さい」
「すまん、みー。恩に着る、この借りは必ずや返す」
「良いって事よ、早速だけど他の食材と…後はいくつか聞きたいことがあるんでちょっと打ち合わせをお願いします」
「みーがやってくれるか!助かるぜ、流石あんなライブをやるだけの事はあるな」
「17時から神輿があるらしいのと、そもそも即席な訳だから完売出来るとかは期待しないでね」
「わかってる、気楽にやってくれりゃ良いさ」
時間が惜しいのでお昼は皆でとも思ったがここで俺は別行動する事にした
「みー屋台やるのか。面白くなってきたな、後で行ってやるからとりあえず17時には神社に来いよ」
「では私達は祭りを堪能して来ます。一緒に回れないのは残念ですが頑張ってください」
「アチキは友達の所行って来るぼぅん、後でたぺに来るにょだ」
最初にこの祭りで出てるこの麺を使う料理について聞いたが予想通り焼きそばのようだ。
多少の違いはあれど使う調味料等もほぼ皆一緒らしい。
この辺は本業とかではなくオマケ的側面が強いので新商品がどうとか考えるという思想がない感じだな。
麺が妥協されたものという時点で多分ヤマト村の人達特有の凝り性もオフのままなのだろう。
だが、それでもこの人達はきっと各々が美味しくは作るのはわかるのでコチラも手は抜けない。
そして仕入れ可能な店へ。ヤマト村の店ではなく行商とでも言おうか、出張市場的なのが祭りという事で来ている。
食材は……なるほど、キャベツは殆ど無いがモヤシとネギはある。にんにくとニラもあるな、肉もひき肉はありそうだ。
因みに日本というか元居た世界の食材とは若干違うし名前も違うのだが俺が一通り食材を食べて認知したら勝手にそう訳されるようになった。本当に便利だなこの語訳魔法。
それにしてもアレだなぁ、食材的に普通の定盤の焼きそばはちょっと弱い。
豆板醤的なのが確か定食屋にあったな、後は片栗粉も。
ならスタミナ餡掛けでも作って焼きばにするか、今思いついた物だがこの手は悪くない。
他の店に勝つ要素が無いと見る以上勝つには同じものでは駄目だ。
とするなら新商品と販売力に賭けるしかない。かなり厳しい気はするがそれなりに人が入るならやれるはず。一か八かやってみるか!
「すいません、店にある豆板醤的なのと片栗粉お裾分けしてもらっても良いですか?後余ってたら鶏肉さんも」
「おう、遠慮なく使ってくれ」
「ありがとうございます、ではもやしとネギ、にんにく、ニラをあるだけと生姜……これもあるだけ、それからひき肉あるだけと塩2袋、砂糖は1袋
醤油、酒、油は2個ずつだな、それと容器と箸か……これは?」
「マニョール貝ですね、バターなんかで焼くと美味しいやつです」
マニョール貝…初めて聞くが俺の認識が入ればそれっぽい地球の食材の言葉に変わりそうだな。旨味成分が取れると期待して
「んじゃこの貝も全部貰おう」
正直貝は少ないが出汁的な役割を担当だ、コイツ次第でかなり変わって来る。
ホタテっぽく見える気がするがホタテに似てれば御の字よ
屋台の方に来ると既に出来上がっていたので後は調理だけ、といきたい所だが鉄板はあるがフライパンが無い。
この世界にも上海鍋っぽいのがあるので出来ればそいつが欲しいという事で頼んでみたら近くに住むおばさんが持ってるようなので貸してくれた。ありがたや
最初に可能な限り間取りを弄りやりやすい土台を作る。
この世界の火の元は魔石なので動かしやすいのは助かる。水は魔法で出す、魔法の水は飲んでも全然OKどころか安全なので水魔法は結構重宝するらしい、初めて知った。
ここまで来たら後は計算だ。餡かけ焼きそばに必要分の食材を確保しスープ量に対して仕込みに使う食材を割り出す。
よし、何とか美味しそうなスープは取れそうな量だ、と言うことで全部ぶっこんでスープ作りから入る。
貝は塩と砂糖を適量入れてそのまま煮込む、コイツは旨味成分担当、味の素的なたちいちになるかな。
そういや鶏肉も少し分けてもらったのでこいつも旨味成分担当という事で入れてしまおう。
量が少ないのでスープの方に入れても多分大して旨味は出ない、なら適量を後乗せするイメージだ。
ここさえ出来れば後は消化試合みたいなもの、まず麺を茹でるお湯を塩分濃度1%強にする、この辺はもうパスタ的なノリで行い最初に最小限の味付は完成させる。
その後茹で上がった麺を鉄板で炒めて焼きそばにするのだがここにスープと絡めて炒める。この時の味付は最小限で大丈夫。
スタミナ餡かけはにんにくが効いてて美味しいには美味しいが祭りを回ろうって人がそのにんにく臭さを気にして敬遠するかも知れぬ…となると塩味の焼きそばもやっておくかという事で買ってあるのがもやし。
こっちはにんにくがスープに混ざってる最低限の量しか無いので大丈夫だと信じたい、スープに少しぶっこんじゃったから今更だしね。
なぜにんにくかというと匂いだ。こっちは食欲をそそられる匂いで攻める予定なのだ。
なので屋台という事である程度は作り置きするけど餡かけに関してはひたすら鍋をふる作戦です。
こうでもしないと売り切りは厳しいだろう、人の入りがどれくらいかは知らないけど多分ただやってるだけでは他の店に食われてしまうだろう。
ここはヤマト村だからいくらオマケ的な事だとしてもボーっとしながら最低限やれりゃ良いみたいなノリでやる人は居ないと見といた方がいいしね




