夏祭りはヤマト村で 5
広さを見て、思った以上では無いとわかり予め魔石に大きな防音結界を張れるよう仕込んでおいたのでそれを使う事にした。
防音機能に関しては魔符を絡ませる訳だけどゆっこさんもといヤマト村魔符が如何に高性能か今度他所ので検証してみようかな、俺がまともに魔符を使った事あるのはゆっこさんの魔符だけだから実は違いがよく分かってないんです。
因みにこんなデカいのを当日に出したら魔力が心配だったので用意しておいたのだ
「お前いつの間にそんなの使える様になったんだ?」
「ぶっちゃけ結界の失敗作何すけどね、音以外素通りでしょ?でも反響具合とかは良くなるからライブには良いかもってとこです。早速その魔道具を試してみますのでちょっとこちらに来てもらっても良いですか?」
せいらさんに来てもらい魔道具をギターに仕込む
「何すりゃいい?」
俺は結界の端っこに行って音を聞く事に
「ちょっと適当に音鳴らして貰ってもいいっすか?」
「こうか?」
良い感じ、ギターはこのまま行こう。という事で次は音声か。
という事で試してみたがどれも音声はデカくなりすぎるので小さくてかなり弱めな結界に魔道具を入れて調整。よし、悪くない
「今ちょっと試して見ますので印した所で音聞いて貰っても良いですか?」
「わかった……細かい違いとか専門的な事は分からんが良いと思うぞ。こういう経験が無いから何とも言えないけどかなりデカい音でやるんだな」
「俺の居た所でのライブはこんな感じでしたよ、どうすかね?うるさくて抵抗あるとかでしたらもう少し落としますけど」
「みーが大丈夫ってんなら良いんじゃねーか?その辺に注意書きでちょっとうるさいかもって書いときゃ大丈夫だろ」
流石に音拡張を全て防ぐのは無理で結界外にも聞こえてはいたがまあ許容範囲内かなと言うことで…準備はほぼ終わりました。
何だかんだと多少は楽しみにもしてた俺はセットリストというか曲名が分かってもらえるように紙に大きく書いた物を用意しておいたのだ。
ノートを横にして一枚ずつめくるイメージのやり方です。
これを回転の魔法でめくる様にする訳だが……実はこれが出来てない魔法を除けば過去一苦労した魔法の調整だった。
少し回転力と幅を間違えるだけで上手くめくれないのでギターより練習したんじゃないかってくらい苦労した。
別になくてもいい物に…なんならそこまで持たずにギブアップする可能性のほうが高いんだけどこういうのは一度気にするととついやってしまうのよ
「準備OKだな。後1時間位か、なんか私も少し緊張して来たぜ!みー様ならきっと30曲以上耐えきってくれるんでしょぉねぇ〜」
このアマ…罰ゲームノリでやってたくせによく言うわ。ってヤバい、ちょっとマジで緊張して来た……これはアカン、少し一人になりたい
「ちょっと……精神統一という事で一人になって来ます」
「みーさんともあろう御方でも流石に緊張するか〜期待してますよ、みー様!!」
ドS側のせいらさんが絶好調だな
人気の無い所に移動し精神を落ち着かせる
たまにあるんだよ、今回は勿論この無茶振りライブから来る緊張なんだけど、それ以前に…こればかりは経験者以外には分かり難い気がするから何とも言えないが…
このふとした時に襲って来る孤独感。仲間やヤマト村の人達は皆良い人だと思うし仲間と一緒に暮らしてる訳だから孤独?って思うかもしれないがそういう事ではない。
死んだ事がそもそもの原因だとして自分が生まれ育った世界ではないという感覚とでも言おうか、良し悪しはともかく自分が歩んで来た人生の積み重ねが存在していない世界、言葉は難しいがふとした時にそういうこの世界に俺の痕跡は何も無いって孤独感が過ぎる時があるんだよ。
大体は寝る前とかなんだけど…どうしよう、ちょっと震えて来た。
こればっかりは共感出来る事でも無いからなぁ……凄く怖くなるんだけど……仕方無い……か。
思えば俺の人生はいつもなんか前を向こうって気を起こした時、決して大きい事とかでは無く地味になんだけどいつも挫いて来る何かがあった気がするなぁ、ちょっとした嫌な事があって精神的に邪魔して来る的な。
精神的に凹んでてそれを前向きって時にそうだとダメージがデカかったりするんだけど……そうだ。そうだよ、いつもの事だった。
んじゃいつも通り、足掻くか
「みーくんまゆもが戻ったぞい」
まゆも……
「ヘタレみーくんだからあまり見られたく無いんだなぁ〜」
「アチキが居るから大丈夫ぼぅん」
この世界は携帯やTV、ネット等は無い。それに準ずる物も一切ない。
なので夜がとても深い感じがして寝ましょうねって感じが日本とは比じゃない。
そんな中での生活は普通にする分には自ずと健全になるのでこの世界に来てからの最初は夜はぐっすり寝れたものだった。
この世界に来てからすぐ死にかけ、そこから慣れて行き夜更かしがそれとなく出来るようになった時、こんなふうに孤独感に襲われた時がある。
寝ればおさまるもんだがその日はもう何とも言えない気になる訳だが…そんな時に一緒に居たのがまゆもだった
「そうだな、まゆもが居れば大丈夫!ありがと。何、よく考えりゃ罰ゲームみたいなもんだから途中でギブアップしても笑い位にはなるだろうよ」
「みーがんばるなのでぇぇす」
ごちゃごちゃ考えるのはやめよう。それにもう世界が違うんだから変に挫かれる事もない。むしろこうやってパワーアップされるようになろうではないか




