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大金は歴史的偉業で 15


 店は普通にオープンしているようだ、良かった。

 中に入ると今日はいらっしゃいませがちゃんと聞こえた



「あれ、みーさん…それに皆さんも。その格好…どうしたんですか?」



一通り事情を話した



「そうだったんですか。それにしても刺客が来るなんて、私の方は特に何もありませんてしたけど…そうだ、よろしければ」



棚の奥から魔石をいくつか出してきた



「こちらを差し上げます。これは結界が入ってますので不意に襲われるような事は防げると思いますよ。壊されたりしたら凄い音がなるのでまず気付くと思いますし」



「ありがとうございます。今度ちゃんと報酬の件も含め御礼しますので」



「御礼だなんてそんな、大丈夫ですよ。今度何か御馳走でもしてくれればそれで」




 いや、実際リリィさんが居なかったら厳しかったと思うしこんなアイテムまで貰っちゃ報酬は渡さないとだ



「それでは、買えそうだったら何かお土産買ってきますね」



リリィさんの店を後にした俺達はメロニィさんの転身で王宮へ赴いた










 想像通りと言えばそうだがこういう所に来るのは初めてなので感動を覚える。

 壮大な作りだなぁ、歴史ある国ってだけの事はあるよ。周りにいる兵士も如何にもって感じだし。

 大分異世界に慣れたつもりだったけど改めて俺は異世界に来たんだなと実感させられる



「お疲れ様です、勇者導く部署のメロニィです。既に聞き及んではいると思いますが」



 ええぇ!?勇者導く部署って名前なの?もう少しなんかこう…ねぇ?

 メロニィさんが自らを白服とか組織とかしか名称を言わないのには理由があったのか



「それでしたら応接間の方へ」



「もし可能でしたら大臣にもお話があるのですが…私から大臣にと言えば察してもらえるとは思うのですが」



「承知しました。しばしお待ちを」



 なんとなくだけどメロニィさんは仕事をちゃんとやり真面目にやって来た事で信頼を勝ち取ってはいるのだろう。

 ぽっと出貴族で冒険者を連れて来たってだけでどれくらい偉いかはわからないけど大臣を所望する事に対してちゃんと話が通じてる。何となくだけどそんな簡単に謁見出来る人では無いと思うんだよな、大臣って。

 それにしても俺もだがクリスもまゆももすっかり緊張しちゃってるようだ。

 この壮観な建物に感銘を受けてるのは俺だけではないようです



「持たせたな」



見るからに偉いであろうオッサンが現れた。これが大臣か



「お忙しい所申し訳ありません、実はお耳に入れておきたい事がありまして」



「かまわんよ、君が私を呼びつけるという事は…その前にまずはライオウの討伐御苦労であった。大義であるぞ」



「お褒めに預かり恐縮です」 



 多分こういうマナーなのだろう。正直、なんか上から目線で気に食わないと思っちゃう部分も多少はあるけど、おそらくこの人は偉そうにしてるつもりすらないように見受ける



「して、私を呼ぶという事は…報酬の件であろう?」



「違うわ!」 



「へ?」



やっべ、思わず突っ込んでしまった!だって色々分かってるオーラ満載で来といてこれだもの



「み、みーさん落ち着いて下さい」



「し、失礼しました」



「い、いや構わんよ、ではいったいどういう要件で?」





ここでメロニィさんが刺客の襲撃の件を話した



「そ、それはまことか!?うーむ…ライオウを倒した君達がそのような嘘を言っても意味はないか。実はワシの方からもちょうど話しとこうと思ってた事があったのだ。こればかりは責任者レベルでどうこう言える話では無いのでな」




大臣の話はズバリこうだ


 

 魔王軍将軍の一角を落としたのがこの国主導となると魔王軍との戦争が激化しかねなくそれに伴い他国の侵略も懸念されてしまうので、一介の冒険者による討伐という体裁を通して欲しいとの事だ。

 加えてそれを周知すべく明日にでも王への謁見を行い勲章の授与、そして王都への移住の打診を断わった上での一介の冒険者としてやって行くという声明を発表する許可を得たいとの事。


 よーするに魔王軍将軍の討伐に王国が直接関与した訳では無いというのを明確にしたいって事だ。

 多分魔王軍が俺達をピンポイントで攻め入るような事があったとしてそれも関与しないって事になるのだろう、程度はあれど冒険者全般にも言える事だがその辺がより鮮明になったという事と見受ける。

 勲章の授与は外聞を良くする為の行為と言った所だな。

 俺達は王都への移住を断った事にしてとか…そりゃ勲章でも渡さないと使い捨て感満載になっちゃうもんな。

 俺はそもそも絡みたくないので正直良いんだが……さてどうしたものか




「今後の情勢を考えるとこれが最も被害の小さい流れになると思われる。決して君達を蔑ろにする訳では無いが御理解頂きたい、勿論報酬等はキチンと出すしこれ程の偉業だ、やれる限りの便宜は計る所存だ」



「皆さん、どうですかね?」



「私は……その、別に今迄と変わらなければそれはそれで良い気もするけど…みーくん、まゆもちゃん、君達はどうかな?」



「アチキも今迄通り変わらないなら大丈夫ぽん」



「俺もリーダーの思うままにって所ですぜ」



 こればっかりは無理もない事だし俺がネガティブに捉え過ぎてる可能性もあるが…多分クリスとまゆもはこの話の深いところの意味にまだ気付いてないだろうな



「もう、こんな時ばっかりリーダーって奉るんだから」



「話が早くて助かる」



こいつにはいくつか聞きたい事と言っておきたいことがある



「ちょっとお聞きしたいんだけどよろしいですか?」



「うむ、なんだね?」




「メロニィさんが言った先程の将軍格の2人は知られてないので賞金が掛かってないようですがこれって報酬は出たりするんですか?」




「そうだな、最もな意見だ。それなりな報酬を約束しよう」



「ありがとうございます」



金で解決出来るならって感じが丸出しだな。貰えるものは貰うけどね



「では明日、9時にこちらに来るように。王の謁見と勲章の授与があるでな」




「承知しました、では失礼します」



どうやらお開きのようなので



「最後にちょっと良いですか?クリスとまゆもは先に行ってて、俺みたいなやつの話をちょっと聞いときたいからさ」



「ぴにょ?」



「わかったよ、先出てるね」








「みーさん?何かあるのですか?」



「なんだね?まだ何かあるのか?」




「この大臣さんは俺が転生者っていう所はざっくりとは知ってると見受けて良いのかな?」



「はい、私達の部署がそうですから」



「では、皆さんもご存知の通り言うなれば俺はこの世界で根無し草だ。だから良いとして、まゆもはヤマト村の子だって知ってました?」



「なんと!?……そのまゆもというのはどっちの子で?」



「スタイル抜群な方」



「みーさん、言い方」



「なるほど…それは事前に言って貰えて助かる」



やはりヤマト村の人にはおいそれと無礼な事は出来ないようだ



「それでだ、ここでメロニィさんも居るからハッキリ言うがこのパーティーの主力は俺なんですよ。んでライオウと互角に戦ったのも俺、将軍格のヤツの1人を退治したのも俺なわけさ」



「にわかに信じがたいがメロニィが見てる前で言うならそうなのだろう。で?何が言いたい?まさか取り立ててとでも言う気か?」



「違いますよ、よーするに俺はある程度は強いし根無し草な訳だから最悪なんとでもするしどう扱われようが害さえ加えられなきゃ双方迷惑になるような事はないと思うのさ。だから良いんだけど…ウチのパーティーのリーダークリスは俺が知る限りは普通の街で育った普通の家の子なんだよ。

 だからさ、このパーティーに対して国は関与しないって話なんだろうけどもし俺がくたばるような事があったらその前提は無くしてちゃんとクリスも国の庇護のもとに置いて欲しい。まゆももそうだけど多分ヤマト村の人はそれどころでは無いレベルの地点にいると思うからね」



「うむ……わかった、そこは約束しよう。だが先にそのクリスとやらが殉職したとして」



「それは無い」



「何故そう言い切れる?」



「俺が絶対守る。このパーティーの皆は。でも百万が一そんな事があったとしても関与さえしてなきゃ別に八つ当たりしやしないさ」


「あいわかった、約束しよう」




「ありがとうございます。って言ってもあのクリス様はやべぇ必殺技持ってるからそんなヤワじゃないし上手いことやれば一対一ならライオウだって仕留められたかも知れないって猛者だからいらん心配だとは思うんですけどね。では失礼します、話聞いてくれてありがとうございました」



「よい、それでは明日王の間で」








 大事な事なので言ってはみたが……なんか凄い照れくさい話をした気分だ。

 メロニィさんには口止めしておこう




「あの、メロニィさん……今の話は内緒でお願いします」





「分かってますよ…でも一つ約束して下さい」



「なんすか?」



「私と結婚して下さい」

「断る!」



「なんでですかぁ!?ここはせめて濁す場面じゃないんですかぁ?」



「バカ、こんな場面でそんな約束あるか!ズルいヤツだぜ」



「賢いと言ってください、でもわかりましたよ。ちゃんと善処はします」



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