大金は歴史的偉業で 8
「の、残るはあの鳥の魔物ですね。私にお任せ下さい!クリスさんとまゆもさんは少し休憩を」
「うにゅ!後でみーくんに合流するのじゃ」
「そうだね、少し休憩だ」
だいぶ余裕が出て来たようだ。鳥の魔物もリリィさんならなんとかなるだろうし…後はここでシレっと合流される前にコイツを倒せば格好がつくってもんよ
「お、おい。あの魔法使いは何者だ?この魔王軍の将軍をしてあれ程悍ましく感じる魔法はそうはないぞ」
ライオウさんから見てもそうなのか…まゆもは末恐ろしいな
「ヤマト村の将来有望な魔法使いさ」
「何!?ヤマト村の……通りで異質な訳だ。だが助かったぜ、出来ればヤマト村の人間には手を出したくないからあの女だけは見逃してやろう」
どうやら魔王軍もヤマト村の人間には手を出したくないらしいな、何となく分かります。
一見互角の戦いをしている俺とライオウだが…はっきり言って俺の方が強いのが分かった。
アエテックスパワーがここまで強くなれるのが俺にとっても予想外で多分もう一段階上げれば倒しきれると思う。
だが結構魔力も消費しちゃってるしここまでやり合っててなお食い下がって来てるコイツの強さは侮れないのでチャンスが来たら一気に畳み込もうと思う。
それに狂獣砲だけは直撃したら多分終わるから決して油断は出来ないな
「このビート様をナメるなよ!お前等全員俺が殺してやる。ウィングウィンド」
向こうはビートが空から広範囲の魔法で攻撃しているようだ 。
トイレ君は目立つ前にやられてしまったがミディといいコイツといいかなり強いな
「赤朱音」
赤い小さい何かが大量に放たれウィングウィンドを相殺しつつビートを襲う
「こしゃくな、空速」
低空で恐ろしく速いスピードでリリィさんを襲うが余裕でいなしてるリリィさん。
リリィさんがライオウ相手にしても良いのでは?でも意外と苦戦してるのか?リリィさんの攻撃も当たってはいない
「厄介ですね、所々に真空でも作ってるのでしょう、面倒なので奥の手使います。四角い景色」
そう言うとリリィさんは手で写真を撮る人がやるような四角を作る動作をした。
すると先程まで高速で動いてたビートが動きを止められた。どんな技だ?
「な、なんだこれは?身体が動かん」
「この技を使ったのは久しぶりです。あなたは充分強かったです…では」
そう言ってビートのクビを仕込み杖でハネた。淡々とやるからなんか独特の怖さがある
「あ、この技は四角い景色と言ってこの手の中に見えた所に入った敵の動きを全部その景色に固定しちゃう技です。かなり強力な魔法なので滅多に出さないんですよ」
首をハネてから解説しだしたリリィさん、もう聞こえてないですよ。
そのやってる行動と普段のお淑やかな感じとのギャップにやや引き気味のクリスとまゆもが見える。メロニィさんに至っては露骨にビビってるようだ
「クソッ皆やられちまった…なんてこった。貴様さえ殺せればあいつ等なら俺様一人でなんとか」
焦りが出たようだな、チャンスだ。一気に畳み掛けよう
「アエテックスパワー発動ぅぅ」
更にアエテックスパワーを重ね掛けして猛攻を仕掛ける。
剣が粉々になっちゃったのでライオウにも剣を離して貰い素手による猛攻を仕掛けた。ライオウも攻めては来るが俺の方が上手のようだ。
このまま押し切ろうと思ったらだんだんライオウの攻撃が鈍くなってきた。
これはイケると思ったが違う、これは罠だ。そんでもって溜めに入ってる…ヤバい、狂獣砲だ。押し切る前に放たれそうだな……なら初動では絶対勝てないので先手でこちらも放たせてもらう
「アエテックスきゃめはめはーーー!!」
きゃめはめはでトドメと思って放ったが
「超狂獣砲」
すんごいの来ちゃいました。ヤバいヤバい、火力でも押し切られかねない。
押された瞬間に終わる、これ一歩間違えたら死ぬやつだ!駄目だ、後ろに皆居るから逃げれないし、何とかせねば……こうなったら
「よんべぇーーだーーー!」
4倍になってるかなんてわからんけどもうフルパワーです。向こうも口だけでなく手でも出してる位に全力だ。
一瞬でも押されたら消し飛ぶのが分かる…躊躇は出来ないのでこのまま吹っ飛んでくれ
「ガァァァァァーーーー!!!」
古参魔王軍将軍の脇目も振らない咆哮だ。とんでもない奴だ
この必殺技の撃ち合いは相殺され何とか消し飛ぶ事は免れた。
が、ここが勝負所なので俺はそのままかなり身体に負担が出てるのを承知の上で猛攻を仕掛けた。
何かを口にする余裕もなく黙々と…そして遂にライオウが地に伏した
「……ハァハァ……やっと…倒れたか……なんてヤローだ。こんなのと戦うのはもうゴメンだぜ」
一撃必殺を持つ相手がそれ以外の戦闘でも互角に戦って来る。これが如何に神経擦り減らすか…厳しい戦いだったぜ
「や、や、やったんだねみーくん!遂に魔王軍の将軍まで……うわーい!!」
クリスが喜んで俺の方に駆けつけて来た
「悪いな、クリスにトドメをって思ってたけどそんな余裕無かったわ」
「何言ってるのさ、そんなの良いよ!そんな事よりみーくんも」
俺は戦闘中も結構な割合でみーサーチを併用して戦っている、これも修業の一環という事でだ。
そのみーサーチがライオウが動き出すのを捉えた、そして何か仕掛けて来るのを感じた俺は即座にクリスを突き倒しライオウの方へ向くと
「カァッッ」
何をされたか解らないが凄い痛みが一瞬走ると同時に何も分からなくなった
ヤバい……意識が飛んでたのか?何も見えないし聞こえないし感覚もない。でも何となく分かるのはまだ死んだわけではなく立ったままの状態な気がするという事だ。
麻痺ってやつか?色々ダメージを負ってた筈なのになんの痛みも感じない。
そうだ、俺は軽い回復なら出来たんだ。落ち着け……この場合脳か?いや、神経か?とりあえずその辺に回復的な魔法をやるイメージで………おお、光が見えて来た。この調子で…と少しずつ回復して見えて来たのはライオウが立っている姿だった。音も聞こえるようになってきたぞ
「くっ、まさかコレを使う事になろうとは…昔開発した失敗作の技だったんだがな」
何か語ってるな。トドメは刺さないのか?こっちは助かるが…
「どうだ?何も見えないし聞こえないだろう?後ろの連中は見聞き位は出来るかもしれんがな。
これは俺様の秘技、超音波咆哮だ。この技を受けたら全身麻痺状態に陥る、広範囲に効果があり基本的には防ぎようがないものだがリスクとして俺も麻痺ってしまうのだ。
だが……回復は貴様らより速いぞ、もうすぐ動けそうだ。弱点にもなりうるから出来れば使いたくなかったが幸いお前等しか居ないようだから結果として好都合だったな」
気持ちはわかるぜ、秘技だったんだな。無駄に語りたくなるのも分かるし意外と人間っぽいじゃないか。
違う出会い方してたら仲良くなれたかもな。んでどうしようか…俺も回復して来ては居るんだけどまだ動くのは……と本格的に焦りそうになった時、後ろから回復魔力を感じた。
みーサーチで感じるにこれはメロニィさんだな。動けないでいるようだが何とか飛ばしたみたいな感じか。助かるよ、小さいながらも効果はかなり強い感じがするから感覚は無いけど身体は動かせそうな気がする。
もう少し、ライオウが動き出すギリギリまで俺も回復に集中だ
「よくぞ俺様をここまで追い詰めたな、敵ながら天晴だ。腹心をやられてこんな事言うのはアレだが……違う出会い方をしてたらあるいは仲間になってたかもな。ではさらばだ」
同じ事思ってたのかよ!やり辛いなぁ〜…でも仕方無い。ここで止めるのは逆に無礼だし、最後まで戦うぜ
「最後だ、もうこれ以上俺は何も出来ねぇ、やりきろうぜ」
そう言って感覚も無く猛攻を仕掛けるが自分の身体じゃないみたいだ。
感覚が無いので完全に勘でやってるせいか攻撃自体は稚拙になってしまうのも仕方無いのでもう押し切るしかない
「動けたのか?確かにそうだな、最後だ……行くぞ!」
色々やってみたが感覚がないのでうまく攻撃が出来ない俺は何とかライオウを掴んで殴るという攻撃になった。
ライオウ側も似たようなもんなのでお互い躱す事なく殴り合う。
感覚がない同士、通常なら気を失ってもおかしくない程の殴られっぷりだが感覚がないので続けられてるこの殴り合い、ここでみーサーチは後ろの気配を捉えた。
そうだった、ライオウには申し訳無い気もするがこれは別にタイマンじゃないから悪いが終わらせて貰うよ
「スマンな」
俺はそう言って横に飛ぶとライオウは一瞬ニヤリと笑った。
なるほど、どうやら分かってたようだ。誇り高い男だな、忘れないでおこう
メロニィは俺だけでなく他の皆にも回復を微かながらに飛ばしていた。
そして近かったとはいえ俺の後ろで庇われてた形になったクリスは俺程直撃してたわけではないので動ける位には回復していたようだ
「しゅんぎり」
クリスの必殺技がライオウに炸裂しライオウは膝から崩れ落ち事切れた




