持ち家を手に入れて 12
いよいよ引越し当日、アパートに集合したら最近見掛けなかったシオーニが現れた。
二人はかなり萎縮してしまってるがそこまでの事言われたのか?
「お久しぶりです、みー様。ちょうど良かったです、実は大事なお話があるのでよろしいですか?」
みー様!?何だコイツ…何企んでやがる
「えっと…俺にですか?」
「そうです。あんたら二人はとっととどっかに行ってくれないかしら?」
どうなってやがる?
「あ、あの…」
「何?邪魔しないで貰いたいんですけど。まあいいわ、ハッキリ言わないと分からないでしょうし」
何がどうなってるのか?とりあえず聞いてみよう
「とりあえず話は聞きますがこれって俺達の話ですよね?」
「そうです。単刀直入に言いますが私が新たにみー様に相応しいパーティーを見付けて来ましたのでそちらに行きましょうって話です。A級のパーティーなので不服は無いと思いますよ」
コイツは何を言い出してるんだ?どうしてそうなった?
「あの、いきなりそんな事言われても困るんですが。俺はクリスのパーティーなので」
「そこです!この二人、先日あなたが居なかったのでこの二人にパーティーとしてクエストをやって貰ったら…まあ話にならないじゃないですか。一人は魔力が少なくて2発が限度、ヤマト村の人だからって全部が全部優秀とは限らないでしょうし、年齢も若い事を考えたらまだ許せる部分も無くはないですが…もう一人の自称リーダーさんはなんですか?戦士のくせによく分からない必殺技しか無いわ硬直しちゃうわ、普通の戦闘は全然頼り甲斐がないしで酷いったらありゃしない。こんなのあなた様の力を利用する寄生虫じゃないですか。なので先日もそんな人間が優秀な人の足を引っ張るなと言ってやったんですよ。なのにまだ寄生してるとは厚顔無恥とはこの事ですわ。厳しいようですけどこれくらいハッキリ言わないと駄目ですからね。それと私は回復等のエキスパートです。私とA級パーティーとあなたが組めば」
俺は
生前は色々おかしくなってたのかアホだったのか…酷い事を目の前で言われてもその場でキレずに飲まれてしまう事が結構あった。
後からフラッシュバックで腸煮え繰り返る癖に、何人も人を殴ったり傷付けたりした事もある癖に、そんな訳だから罪だって相応に犯してる癖にだ。
おかしくなってたとしか思えない、本当は最初から気付いてたんだろうけど歳を経て認めたみたいな感じだ。
そしてこの世界に来てギルドやこの女に舐めたマネされても然程怒る気も無かったのは多分前世のそういう影響もあるとは思うが…転生して第二の人生で異世界ってなると何処かオマケじみてるというのがあり怒るほど感情移入していなかったのも大きい。
俺は透かしながらヤレヤレ的な感じの性格ではないし喧嘩するならやるぜってタイプだけど感情移入が無いので何処か他人事みたいな感じだっただけなのだ。
それはこれから生きてく上でちょうどいい脱力な気がしてたら良いかとも思ってたり。実年齢がオッサンだから可愛い子や美人と仲良くなれそうな感じでも距離感を気を付けられる位には達観してるし。
なのでこんなのも適当にやり過ごしてやろうと思ったが
「うぎっ……くっ……」
無理だわ、無理だったわ。やはり怒るべき所は怒らないとまた何か狂ってしまう。同じ過ちは犯さない。
大事な仲間を侮辱されるってのはこんなに頭に来るんだな。
あの店のオープン後の二人の様子が頭に過ると余計に来る。
気付くと何も言わずにこの女の首を締めていた。後ろの壁がメキメキと音を立てて壊れそうになってるが止まれない
「み、みーくん!みーさん!?こ、ここ、これ以上やったらこの人死んじゃうよ」
クリスが必死に止めてきた。そしてまゆもがちょっと怯えてる感じの表情をしてるのを見てなんとか冷静さを取り戻した
「……っぷはぁ、ハァハァ…あ、アンタァ……こんな事して」
とは言え怒りはおさまらない。このどうしょうもない怒りというか殺気とでもいうのか、それらをこの女にぶつけてやった
「なんだ?こんな事したら?」
「ひぃっ…な、なな、な、何でもありません」
下を向き限りなく土下座に近い正座を勝手にやりだしたが許さない
「こんな事したらどうなるんだって聞いてるんだよ?」
「あ、あの…すみませんでした……わ、私はその」
その気になればグチャって出来るとわかるくらいに力を入れて頭を掴んでみた
「お前何かの組織だったな?いいよ、お前には手を出さない。だからその組織の名前と仲間、後は家族か、それから王宮がどうだったって言ってたな。お前の行動に責任が及ぶ奴全員言え、お前の目の前でお前の尻拭いだと説明した上で殺す。ちゃんとその後組織や国が維持できるよう生かすヤツは生かすから安心しろ」
自分がやられて済むなんて思わない事だ
「い、いえ、これは私の事で……いっ……も、もも、申し訳ございません、ゆ、許して下さい…」
ちょっと力入れてやった。震えが凄いな、もう一押ししとくか
「この場でお前に何の決定権があるんだ?決めるのは俺だよな?ちゃんと言わないなら王宮の人全員対象になるぞ?そこからお前の家族とか仲間も見つけ出す。然るべき制裁をそいつ等に与えてやる。お前は指咥えて見てろ、言っておくがお前が見た俺の強さはまだ全てではない、瞬間的にならまだ数倍以上は強くなるぜ、俺は。王宮に居る連中がどれほどのもんかは知らんが必ず後悔させてやる。ウチに喧嘩売ったんだからな」
「な…な、何卒お許しを」
ここで一つ、秘密にしてた訳では無いが披露して無かった戦い方を見せる事にした。
俺の戦い方というか魔法ってか気みたいなのか
、それを知ってるなら出来ない事は無いと分かる戦い方だ。
幸いここは広めだから大丈夫だろう、という事でコイツの頭を掴んだ俺は気を込めて……
思いっきりジャンプした
「きゃぁぁぁーーーー」
そして高度の維持、これが実は結構燃費が悪いので空を飛べるとは言い切れない。
なので推進力的な感じで横に飛んで誤魔化すが…これ本当に燃費良くないな。
そろそろ戻るか、そして元いた上空に来た所でコイツを
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!本当にすいませんでした!何でもします、お許し下さい!!」
離した
「いやぁぁぁぁーーー!!!」
先に下に到着して上手くキャッチ。一連の流れをスムーズにやってるように見せたいので限りなく透明に近いねばのーる君で誘導してるのは秘密。
そしてキャッチした後に地面に寝かせて地面を思いっ切り殴ってやった
「いいからテメェの仲間とかの事言えっつってんだろーが!!」
暴力丸出しにはならない程度に、物を扱うかのような雑な扱いをする。
決して手を緩めてるわけでは無いと思わせるためだ
「は、は、はは、はひぃぃ」
目に見えてわかるレベルでガクブルし遂には漏らしてしまったようだ。この辺にしておこうか
「俺の仲間を侮辱したら絶対に許さないからな」
声が出せないのか頷いては居たが、まだ動けないようだ。もう用無しだしどうでもいいか
「み、みーさん…声掛けて大丈夫?」
「ぴぴょ?」
やめて、二人にそういう態度取られるとなんかへこむのよ
「大丈夫だよ。それより二人にそんな感じの対応されるとなんかへこむからやめてあげて」
「そんな事言ったってしょうがないじゃないか、私達はか弱くて可愛い女の子なんだよ。あんなおっかないの見たら恐れ慄くのも無理ないだろぉ」
「うにゅ、アチキ達はか弱いおなごなのじゃぞい」
か弱いとは到底思えない気がするのですが
「悪かったよ、ちょっと怒っちゃっただけさ。では改めて引越しの準備を」
「聞いた?この男、アレでちょっと怒っただけとか言ってるよ」
「うにゅ、アレはちょっとじゃにゃいなのでぇぇす」
こいつ等…元はと言えば流れはよく知らないけどこいつ等の為に怒った感じだと言うのに
「お前らなぁ、俺はお前等が侮辱されたから怒ったんだぞ〜、そんな仲間思いの俺にそんな言い草はないのではにゃいかい?」
自分で言ってて恥ずかしくなって来た
「分かってるよ、ありがとね。お陰でスッキリしたよ。普通にドン引きだったけどキミが私達の事大好きだっていうのも分かってるしね〜」
このアマすぐ調子に乗りやがって。ってドン引きだったのか、気を付けなければ
「うにゅ、みーくんありがとうぼぅん。あんまり言われたらアチキもちょんぱしちゃう所だったぽん。おかげでスッキリなのでぇぇぇす」
よし、ここらでやめとこう。俺は恥ずかしがり屋なんです
「んじゃここまで。何か照れくさいというか恥ずかしいからもうこのくだりおしまい。クリス様万歳ってことで」
失言だったか
「そういえばキミって結構な恥ずかしがり屋っぽいよね?そうだよね?照れ屋なのかなぁ〜?」
「みーくん照れ屋さんぼぅん、そういう時はシレっとを忘れずになのじゃぞい」
そう、シレっとやるんだ。ヤマト村のカッコつけは奥が深いぜ。
と、このまま行こうと思ったが伝える必要もない気はするけど一応アパートを無料で貸してくれてた事もあるので引っ越しの件は伝えておく事にした
「というわけで我々はここ出てく事にしました。以後いちいち絡んで来ないで下さい。んじゃお世話になりました」
何か言いたそうな素振りもあったが力が抜けてるのかオロオロした感じになってるシオーニだったがもう無関係という事でそのまま立ち去った。
幸いなことに全員荷物はなんとか手で持てる位で済んでおり往復する事もないだろう。
このアパートも別に悪くはなかった、アパートさんありがとねと一礼して新しい家に向かった




