持ち家を手に入れて 6
「また飲んできたな、この飲んだくれ」
帰宅したらクリスとまゆもが俺の部屋に来た
「どうした?何かして遊ぶかい?」
「何して遊ぼうかにょ」
「違うよ、まゆもちゃん。お話しに来たんだい」
何かあったか?
「なんだ改まって、まさか何かやらかしたのでは?」
「違うよ、私達をそんな問題児みたいに言うのはやめてもらおうか。アレだよ、家の件だよ」
あれからなにか思いついたのかな
「家の件はとりあえず保留だったはずだけどなんか良い策でも思いついたのか?」
「そういうわけじゃないんだけど…もし買う場合になったとして、その時の支払いはやっぱり均等に3等分にしようよ」
その件か、なんか煮え切らない顔はしてたもんな
「それは嬉しいけどね」
「もう決定さ!リーダー権力行使してやるんだからね」
「うにゅ、ここは皆、皆、平等じゃぁぁぁ」
あらあら、それは何とも横暴な気もするけど助かる話でもあるから何とも言えぬねぇ。
それにここで良かれと思って丸め込もうとしても多分折れないだろうし口論になりかねないか。
にしてもまゆものその断末魔的な言い方の使い所の基準はどうなってるのか気になる
「それはありがたいけど…でも良いの?」
「良いも何も、どう言っていいか分からないけどそんな買い方されたらなんか寂しいじゃんかよ」
「うにゅ、ワレワレハナカマデアルジャ」
それは宇宙人的な言い方!?この世界にもそんな概念が?
でもそうだな、確かによそよそしくしてしまったかも
「わかったよ、ありがとね。んじゃ明日明後日はちょっとせいらさんの手伝いで離れるけどまた明後日の午前中にでもあの不動産屋と話しておくよ。もしある程度話が上手く行くなら失敗覚悟で…買っちまうってのもアリだな。3人でなら失敗しても精神的には何とかなりそうだし」
「そうだよ!わかってくれれば良いのさ。とはいっても話聞いて即決とかはやめてよ?私達も一応は聞きたいし」
「仲間パワーですよ、みーさん。皆で協力し合いましょう」
うわっ!?まゆもがまたまともに?これ焦るわ〜
「ま、まゆも…さん?まゆもさんだよね?何これどうしちゃったの?私の知ってるまゆもちゃんじゃなくなってない?」
「まゆもは稀にまともになるのだ。ビックリするぜ」
「うふふ、みーさんもクリスさんも何を言ってらっしゃるのですか?普段から普通ですよ」
今回はどこまで持つか
「えぇ〜……ま、まゆもさんは普段の喋り方とこっちはどっちが素なんですか?」
クリスがそこまで敬語になってしまうのも無理はない
「素も何もいつもこうですよ、クリスさん。さあ話も済みましたしトランプでも……にゅぁぁぁあ〜もう限界ぼぅぅん」
「ふだんまゆもに戻っちゃったか、また来いよ〜」
「うにゅぅぅぅ〜」
返事からしてもう普段のまゆもになってしまった
「ふだんまゆも?固有名が存在しちゃってるんだね。それにしても驚いた」
ふだんまゆもは今つけたばかりのネーミングだがまあいっか
翌日、俺はせいらさんの所へ行きオープンに立ち会った。と言っても開店祝い等は表には出さず中にだけで飾り、お客さんはせいらさんが声を掛けた人達だけだそうだ。
所謂プレオープン的な物だと思われる。その中には魔石をこちらに流すのに重要な人物も居るので今日と明日はせいらさんと俺も顔出ししておく形となったのだ。
まだ明確にオープン時間は決めてないけど今日は朝から来て準備からのプレオープン、明日以降のオープン時間は13時〜という形で行こうと思っている。必要とあらば24H体制のちょっとした宿泊施設も兼ねられるようにする考えでそれが可能なようには既にしてあるが最適化されてるとは言い難いのでここからは実際の様子を見つつだ。
それにしてもせいらさんのセレブ的なドレス姿は実に良い、良いですぞ。
俺も何とかせいらさんの協力のもと正装的な服は手に入れたがせいらさんがこんなドレスを着てくるとは想像以上だった
「せいらさんが素敵」
つい魅入ってしまった
「や、やめろよ!こっち見んな!こんなの別にそこまでレアでは無いからな?確かに私の美貌を考えれば魅入ってしまうのも無理はないにしてもだ」
照れてるせいらさんもまた良き、こういう時は歳下だって感じる
「お前もアレだな?中々良い感じじゃねーか、スタイル良いしな。生前は結構遊んでたんじゃねーのか」
それは無い。堅物でも全然遊んでなかった訳でもないが
「それはないです、みーくんいい子です」
「どの口が言ってるんだ!でもそうだな、お前みたいな鬼畜で変態な外道は遊べなかっただろうよ。いや〜悪かった、変な事聞いちまったな〜」
このアマ
「お客さんの応対中に引っ張りますよ、それともお客さんの応対中に言語制限させたほうが良いかな?」
「お、お前は…なんて事を。それでは説明が出来ず…こんな時になんて事言うんだ貴様は」
失礼な。先に変な事言ってきたのは自分の癖に
「あ、あの〜そろそろミーティングを」
ナイスルーミさん、この格好のせいらさんとあやしい雰囲気になったら俺止まれないかもです
最初に来るのは魔石を動かす事の出来る貴族で結構な大物らしくお忍びで来るらしい。
その後に来る人もそれ繋がりの貴族だったりとなんか疲れそうな面子だな。これに慣れないとなので従業員は頑張れって所だが流石に貴族相手って事でかなり緊張してる4人、何とかほぐせないものか
「オメー等、何シケた面してやがる?安心しろ、ちゃんと呼んでる客には貴族のしきたりとか身分がどうとか不慣れな人が対応するって言ってあるから気楽にやれ」
「へ、へい」
そうは言っても簡単な話ではなさそう
「客が来たら時間と魔石と該当する魔符を渡す、金を受け取る、アンケートを渡す、帰りにアンケート回収、やる事はそれだけさ。そんでもって部屋に関しては基本的に拭くだけでいいよ。ティッツ君の書いた遊び方の絵を全く守らない人はまず居ないと思うから余計なゴミなんて出て来ない筈だし。いいかい、これは男なら分かる事だけど下手に女買うよりかなり恥ずかしくなりかねない事なんだよ。なので問題なんかむしろ起こしたくないってのが大体の客側の心理だと思われるのだ。困る話ではあるが揉め事にさえならなければ、来た客が不快に思った場合は次から来なくなるだけって話の可能性が極めて高い。なので変に気張る必要はないよ。本当、こんなのやってるってバレたらと考えるとかなり恥ずかしい筈だからね」
そもそもこの人型スライム的なのはまだまだ発展途上の域にある。なので来てくれるお客さんはある意味共にこの事業を成長させる同志なのだ、同志相手に緊張する事もあるまい
「そうだ、私は来た時の挨拶と帰りの見送りだけしかしねえけど事後の話なんかは女性にゃ言い辛いだろうからな、その辺りはお前等に掛かってる。みーも頼んだぜ」




