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持ち家を手に入れて 5

 

 せいらさんと合流して早速店を見に行ったが流石というかなんというか、一見すると何かの会社かな?って位なもんで知らない人が入るような感じではなく、それでいて夜の店特有の怪しさなどは微塵も感じない作りになっていた。

 流石仕事が早い、これなら知る人ぞ知るみたいな感じになるし入るのに抵抗もない。

 ここを利用する人にとっては出来れば人に知られたくない事柄なのでこのカモフラージュはかなり良いと感じだと思う。



「流石っすね、こうも見事に利用者側の気持ちを汲む作りになってるとは。仕事も早いっす」



「私にかかりゃこんなもんよ。従業員はウチんとこの若いのにやらせる手筈にしてある、店長はガントだ。ほら、先日私とギルドで会うまで一緒に居た奴だよ。アイツはあんな見た目だが意外と頭は悪くねーんだぜ。一般的冒険者視点なら腕も立つからな。もう全て出揃ってるから明日にはオープンする予定だが…ちょっとアジト戻るぜ」



 せいらさんのアジトは何回か行ってるけど見た目は意外と質素というか普通。でも中はそれなりにゴージャスだ



「アジトになんかあるんすか?」



「まあな、来ればわかる」



せいらさんのアジトに着いた。そして奥のせいらさんの部屋…になんと隠し階段が



「こんな仕掛けがあったんすか?皆は……多分知らないですよね?」



 階段を降りた先は特に何が重要そうなものが置いてある感じはしないこざっぱりとした部屋だった。

 だが床には魔法陣的な物が書かれている、これはなんだろう?




「特に何があるってわけでもないが一応秘密の部屋だ、私以外知らない。そしてこれは簡単に言うと転送魔法陣だ。人も行けるが物品だけでも行けるぜ。既にヤマト村の連中とは話がついてるからメモ書きに必要事項でも書いて送ってやれば必要なもん送り返してくれるだろうよ。みーにはここでヤマト村との物資の管理をやって貰いたい。しょっちゅうあるようなことでも無いしどうしてもタイミングが合わないって時は私がやってやるから良いだろ?」 



商品の管理をやれって事か、別に良いけどこのくらいなら自分でやれそうなもんだが



「いいんすか?俺は全然良いですけどそんくらいの事でこんな秘密度の高い所まで教えてくれて」



「今更他人行儀はやめろ。この件に関してこの地下室を教えられる奴はお前しか居ないんだよ。それに男共が戯れる物品になんかにゃ出来れば触れたくないんだよ」



 確かにそうか、やり取りする物品は魔石と魔符になるとは思うがそれでもこれらは男達の欲望に使われる代物、そんなもんに触れたくないという気持ちもわかる。

 俺だって生々しい想像した上でだとキモくて触れたくないし



「わかりました、その辺は引き受けさせて貰います。なんかすいませんね、なんやかんやと初期投資結構掛かっちゃってる感じですよね?すぐはちょっと払えるかわかりませんがちゃんと払いますので」



 まさかこんなトントン拍子で進むとは思ってなかったから投資に関しての俺の認識が追いついて無い状態です



「その辺りはもう村長とキモデブに話してあるから安心しろ、順当に儲けが出れば私が損する事はないように手配済だ。それよりお前には一応私の代理って立ち位置になって貰うがいいか?勿論報酬も出す」



マジですか?



「俺がっすか?ど、どんな事をする立ち位置なんすかね?」



「安心しろ、たまに顔出しする位なもんで大丈夫だ。冒険者稼業に支障は出ないだろうよ。こういう仕事は腕が立つ奴か顔が利く奴が後ろに居るって形にしておいたほうがいいんだ。というより私は表立ってこんなのに関わりたくないって気持ちは拭いきれねぇんだよ。私を慕う仲間には女も多いからな。だから関わってるって知られたとしても後ろ盾になってるって程度の認識にしたいのさ。余程の事で無い限り、明らかに利益を損なうようなアホなことさえしなけりゃある程度はお前の裁量でやっちまっていいからよ。やれるだろ?お前なら」



 文字通りオーナー様なわけだが面倒があった場合は相応にこちらで極力対応しなければっていう丸投げとも捉えられる感じがする。

 ただ…これは一番最初にヤマト村の人達と俺とで話した理想の流れとかなり一致してるので好都合とも言える。

 むしろ俺が浅はかだったな、まだここまで考えてなかったもの。この理想な流れを組むには俺にも相応の責任がついて回るわけだ。

 トントン拍子過ぎてついて行けてなかったとは言えせいらさんより一回り歳上な俺がこんなだとは情けない、気を引き締めていこう



「わかりました。やるからにはキチンとやります。何から何までありがとうございます。もうこれアレですね、せいらさんの事ボスぅぅって呼んだほうが良いっすね」



「アホなこと言うな、私が勝手に進めただけの事だ。嫌なら断ってもいいからな?それと、御礼を言わなきゃだし」



御礼?なんかしたっけ?むしろ色々やって貰ってるんですが



「まゆも、ウチの姪が色々世話になってるからな。兄も感謝してたぜ、ありがとな」



いやぁ別に世話はしてないんですけど…どうしよ



「えっと、別に世話はしてないですから大丈夫ですよ。仲良く遊ばせて貰ってますし、まゆもちゃんには救われてるのもあるし…だからそんなお礼とか言われると困っちゃうみーさんです」



「まゆもがな、結構な大金を家に入れたんだよ。知ってるよな?お前がそうしろって言ったんだろ。聞くところによるとギガビーストは一人で退治したらしいじゃないか、ちゃんとまゆもやクリスには逃げ道を与えつつ。その上で金までくれて家に入れろってまでして貰っちゃったらこっちとしては御礼するのも当然だろ。それになんかまゆものミスで起こした問題とかも解決したとかも言ってたしな」



 まゆもめ、それ言っちゃったか…黙ってて良かったのに。

 俺は……生前クソだったからね。ちゃんとした人間というかそれっぽい事をしたってだけなんだけど…恥ずかしいから黙っておこう。

 てかせいらさん絡みって大体いつもなんか喧嘩みたいな軽いノリになるのだがこの空気はやめてほしい



「いや、一応歳上として当然の事したまでですよ。お気になさらず」




「まあお前って実際の所結構な歳だろ?深くは追求しないでおいてやるが…この前帰った時まゆもはお前の話ばっかしてたからな。随分懐いてるとは思うが、もしこれが恋愛的なもんだとしてそんな関係になったとしたら…ロリコン認定してやるからそれまではこの感謝も素直に受け取っておくがいい」



それは心外だ、俺は断じてロリコンではないしまゆもの見た目はロリコンにはなり得ないだろ



「お強くてカッコいい3つ上のお兄さんに恋しちゃってる可能性があるのも無理はないけど3つならロリコンじゃないでしょうよ、てか恋愛とかは無しですよ。同じパーティーじゃ気まずいですし」



「何抜かしてるんだこのおっさんは。ロリコン扱いが決まったら頭に変態って付けてやるからな。見た目があんな上玉だからなぁ〜まゆもは。兄が心配するのも仕方ない」



せいらさんまでおっさん扱いしてきやがったか。そんなのはクリスだけで腹一杯だ



「おっさんとは誰のことだ?それに俺がロリコンはあり得ないね!お姉さん的なのが好きなんですぅ」



「見た目だけならまゆもはお姉さんって感じだからなぁ〜、てかお前お姉さん的なのがタイプなのか?てことはザ・姐御の私みたいなのがタイプか…まあ私の美貌を考えたら無理も無い。美しすぎるのも困り物だよなぁ〜」



 確かにエロという視点においてせいらさんは凄い良いと思う。

それはもうリリィさんと並ぶ双璧なのも事実



「鼻フックしたらどうなるか見てみたいですね」



「ふぁっ?は、鼻フックだとぉ?こ、この私に……な、なんてこと言いやがる。こ、この鬼畜が!そうだ、お前は鬼畜だったんだ。なんかおとなしい対応してたから忘れてたが…鼻フックしたからって私は負けないぞ」



 やはりドMで変態入ってらっしゃる。普通ならそんな応対になりません。装着するのが前提になってますもの



「言語も制限したら面白そうですねぇ〜せいらさんもその方が嬉しいだろうし」



ちょっとイタズラ心で煽ってみる



「な、何をバカな……制限ってどういう事だ?」



 ここは密室で秘密の部屋、そこで二人きりの状態です。

 これ以上話が進むとちょっとヤバい、心無しかせいらさんの顔顔赤いし雰囲気がもう…ね。後が大変になるのでこの辺でやめとこう



「ブタっ鼻になるわけだからぶひぃが妥当かと」



イカン、ブレーキとアクセル間違えた。変な空気がより濃くなってしまうではないか



「ぶひぃ、だと!?この私が!?ぶひぃぃしか言えないのか?何言われてもぶひぃぃでは…言ってる側の思い通りにしか解釈され……くぅぅ、この外道め!やはりこんな外道は捨て置けん!私が見張らなくては」



何言い出してるんですかね、この人 



「見張られるのか見張るのか?どっちかなぁ〜」



俺も何言い出してるんですかね



「くっ、私は決して屈したりはしないぞ!ぶひぃぃしか言えなくても負けやしない」



駄目だ、なんで鼻フックもぶひぃぃもちゃんと従うつもりなんだ。そろそろ本気でやめておこう  



「今度謂れのないおっさんやロリコン扱いしたらそうなりますからね〜」



「この変態ロリコンおっさんが」



はい、お仕置き



「このド変態姐御がぁ〜」



実際にやったら取り返しがつかなくなるのでほっぺみにょーんの刑で止めとく



「や、やめやがれぇ〜!そんなに、そんなに引っ張ったら…くぅぅっ、この鬼畜め!ついにこの私にまでこんな事をぉぉ〜」



あ、ダメだ。喜んじゃってる



「いやぁ、良いほぺでした。んじゃそろそろ宴も酣ということで」



「くっっ!もうおしまいか?しょせんはその程度よ」



この人割とマジでド変態だな、心配になってきた



「今度みにょーんする時は手足が自由の状態だとは思うなよ」



「な、な、なんだとぉぉ」



やりませんよ



「ではそろそろ行こうかと思うんですが」



「えっ?あ、ああ…そうか、うん。お前の事だからそのまま手足まで拘束して来ると思ったが」



「しませんからね、何にしてもありがとうございました。これからもよろしくお願いします」



 やってみたいのは正直やまやまなんだがこの人パーティーメンバーのいとこでさらに顔も広かったりと、今後の冒険者稼業というか生活そのものに支障をきたしまくりそうなのでちょっと残念だけど止めておく。ハッキリ言って地雷でしかないと思う



「コホン、まあ待て。顔合わせも兼ねてこれから飯行くぞ。ガントと若いの数名でな。それにそんな他人行儀になるな。こっちも姪が世話になってるんだから持ちつ持たれつさ」




密室での話し合い及び大人のちょっとしたお遊びは終わりお食事ヘ



「は、はじめまして。俺はティッツです。よろしくお願い致します」



同年代位〜少し上位の兄ちゃんだ。若干柄悪そうにも見えるが許容範囲内か



「俺はハイメルです………よろしくっす」



この人は、見た目は全然普通だが愛想があまり良く無さげか?



「おぉい!お前これから接客業やるのにそんな愛想でいいと思ってるんか?」



怖〜い、さっきまで鼻フックで喜んでた人のオーラじゃないですぅ



「す、すいません。よ、よろしくお願いします」



あら、一転して変わったよ。俺としては今後付き合いにくいってのが無ければ何でもいいが



「私はルーミっていいます。よろしくお願いします」



 女性も配置はさせるんですね。この辺の配慮が凄い。

 最初から分かってはいたけどせいらさんって物凄く優秀な人だな



「コイツがみーさんだ。主に商品管理と私の代理を努めて貰う。ガントも私の関係者って事で顔が利くから大概何とでもなるだろうが単純にやべぇのがってなったりしたら私かコイツを頼れ。このみーさんはな、一人でギガビーストをフルボッコに出来る猛者だ。ヤマト村の奴らと比べてもなんの遜色もない戦士さ、間違っても怒らせんなよ?」



ヤマト村の人達と比べても遜色が無いって言われると素直に嬉しいです



「せいらさんとガントさん以外ははじめましてですね、みーです。よろしくお願いします」



「俺の方からも後でアニキの事はよく言い聞かせときますぜ」



すっかりアニキ扱してくるようになったガントさん。見た目からすると明らかに逆なんだけど







 仕事の流れや方針、無理のない程度の仕事の形をとりつつ運営して行くという感じで話は進んだ。

 この若い二人は精神面で肉体労働系には向かないそうなのでこっちの仕事に来たらしい。

 接客のノウハウなんかを話しつつ利点などを説明し、仕事的には大した事をやるわけではないのでお客さん対応なんかはしっかりやるよう、かつ客側の心理等も考慮する事を話しておいた。

 せいらさん一味との食事及び飲み会だったのでもっと豪快なものになると想像していたが顔合わせというだけあり思った以上に真面目な会合となった

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