活躍は戦いで 3
引っ越しを終え、ちょうど良かったのでこの街にあるお高めのまゆもの持ってた紙の店へ行きまゆもに御馳走する約束を済ませておいた。流れ的に仲間外れっぽくなりそうだったのでクリスにも奢ったので地味に出費が痛かったが。
それから街の探索をしたり修行したりと冒険者稼業をちゃんとやるようになったのもあり心にそれなりな余裕を持って過ごせるようになったのは大きい。
禁断の地であるカジノにまゆもも連れて行ってそれなりな勝ちを得たり、クリスだけ追い過ぎて負けた残念会でまたしてもクリスの顔見知りに煽られ喧嘩になったり、クリス家でお泊り会をしたり、釣りリベンジしたり、まゆものひらめき魔法で大事になりかけたりと充実した?日々を過ごしていた
「ちょっと、うるさいから静かにして!私は忙しいの」
俺達の住んでるアパートはシオーニも住んでるのだが…夜ちょっと音をたてるとこんな感じ。俺一人の時ですら突っ込まれた時があったのだから俺達が俺の部屋で喋ったり游んだりしてるとそりゃ言われますよね。
21時でそれはしんどいんだよ。事前に言ってあるから俺達はそんなうるさくはしてないのだけど
「ぅぅ…やっぱり越して来たの失敗だったかなぁ」
「うにゅぅ……まだ寝るには早いぽん」
駄目ではないけどやはり21時に寝るのはちょっと早い。その感覚は間違いではなさそうだ。
そして翌日、街の外でいつものように修行している時、俺はこの街に来てからちょっと考えてた事を発表した
「お店やりたい」
「え?今なんて?」
クリスが突然の俺の発表に絶対聞こえてたと思うけど聞き直してきた
「アタイお店やりたい」
「お、おおう。それは唐突だなぁ…ええっと何のお店かな?」
全く、そんな何でもかんでも決まってなきゃ言っちゃ駄目なんてルールはこの世にはないんだぞ〜
「知らぬ」
「は?いやいや待って。ちょっと頭が追いつかないよ。みーくんは何かお店がやりたいのかな?」
「お店、ええのぅ…まゆももやるぅぅぅ」
流石まゆも、よく分かっておられる。この場合クリスも強制だと俺は言いたいがまず人の話は聞くことの出来る、私だよ
「そうなのだ。どっかにそれなりな物件を借りるか買うかして店をやりつつ冒険者稼業をやるというハイブリッド方式を提案したい、私だよ」
魔王がどうかとか知らないけど…ある程度自由に縛られる事なく楽しく生きていきたいと考えているのだ。
俺は料理や商売には精通してる部分があるのでその経験や日本のアレコレを取り入れつつそれなりにやればやれないこと無い気がする、私だよ
「キミはそんな事企んでたのか。うーん…悪く無いね、私はスイーツ食べたい」
スイーツはそんな上手く作れる自信はない。が、こういうのは否定するのではなくそれをどうするかというのを考えるのが大事
「スイーツか、良いではにゃいか。ではスイーツはクリスが担当ということで決定しようと思う、私だよ」
クリスに丸投げにした
「うわーい、クリスがスイーツ作ってくれるぴょぉぉ」
まゆもの食付きとノリの良さは流石です
「ちょ、ちょっと待ってよ。私そんなお店に出すようなのは作れないよ。みーくんのが料理は上手いじやないか、ここはみー先生がやるべきじゃないかな?」
クリスめ、面倒事は地味に俺に押し付けるのが定着化しつつある気がするぜ
「僕は具体的にその店をやるにあたってメインに何をやるか決めたらそれに力を注がなければならぬ。ゆえに担当出来るか分からないと思う、私だよ」
実際のところ本当に何の店をやるかなんてまだ分からんです
「楽しそうではあるけど…もう少し具体的に決めていかないとだね。まだまだ先の話になりそうじゃないかな。って私もその店やるって事はもう決定なのかい?」
何を言ってるのかこのリーダーは
「リーダーが僕等を見捨ててお店をやらないなんてありえないと分かってる、私だよ」
「りーだーのお力ぼぅぅぅん」
「こんな時ばっかりリーダーとか言って。まあ面白そうだから付き合うけど…でもあんまり無計画だと困っちゃうからね。私そういうのは疎いから力になれる気がしないし」
クリスは基本的に常識人であり要所はしっかりしてると見受けられる。なのでクリスの意見は結構大事なのだ
「分かってる、なのでまずは物件を!と思ってる私だよ」
ここで本題をぶっ込む
「いや待って、何でそこで物件なのさ?やる事も決まってないのに…それってもう失敗の可能性がプンプンするんだけど」
ごもっとも。ここで俺の考えを提示しようか
「ふっ、そのくらい俺とて分かっているさ、俺の考えはこうだ。まず店舗に出来そうな物件を探す、そしてそれは2階が居住区になるとかだとかなり便利だと思わないか?よって俺はいずれ住む場所はそんな物件にしようかと考えているのだ」
この意見にクリスとまゆもは目を光らせた
「つまり、私達の引越し先をそういう物件にって事?」
そこはどちらでもいいのだがそうとも言える
「住まいの強制はしないさ、特にクリスは実家から通えばいい訳だからね。ただ…知っての通り今の物件はアレがしんどいからさ、とっとと出て行きたいと改めて思ってるんだけどパーティーメンバーで同じ場所に住めるって土台は悪く無い気がするのよ。プライバシーも大事だから多干渉は良くないけどその辺もアパートなら解決に等しいし。
引っ越すならそんな店も出来そうな物件が良いなぁとか思ってるのさ。皆はどうか分からないけど俺は冒険者稼業一本だけでずっとやってくなんてのは現実的ではないと今のところ思ってるんだよ。かと言って自由が無くなるのも嫌だし、ざっくりとしかしてないけど将来のビジョンはそんな形になんて考えてる、私だよ」
まだ全ては分からないとした上で俺はそんな考えがモヤがかりながらもイメージしている
「いいね〜、確かにずっと冒険者でやってくというのも無理があるかも知れないね。A級になってお偉いさんに囲われるのはちょっと嫌だし…面白そうじゃないか〜。キミってばやるねぇ!そんな事考えてたのかぁ、家のギターで弾き語りやった後に、アタイこれで食ってくとか言い出した時は突拍子もない事言い出すと思ってたけどちゃんとした事も考えられるんじゃないか」
この案にウキウキしてくれてるクリス。この子もノリがいいけどきっと要所は全部丸投げされそうな気がする。でも俺よりクリスを頭として立てておいた方が上手くいく気がするからそのままリーダーで行ってもらおう
「冒険者稼業は魔王討伐がゴールぴょい?」
「そうだね、そう都合良く行くかはわからないけど冒険者稼業のゴールは魔王討伐か、冒険者稼業が厳しくなってからかな。もちろんこんな大雑把な計画は決定事項では無いしこれから先もっと面白そうな事とか美味しい話なんかあれば常に話は変わるかもしれないからまだ固める必要もない。ただ、多分今の我々は共通して引っ越したいという見解が一致してると思うからここは引越し先の1つの案としてそういう物件を狙うって話よ」
要約すると一緒に引っ越すならこんな狙いもアリだぜって話です
「採用!リーダークリス様はその案を採用するよ」
「まゆももぉぉぉ!早く探すなのでぇす。それよりみーくんは弾き語り?」
まゆもが弾き語りに食い付いて来た。今度聞かせてみよう、どんな反応するだろうか。
クリスのじいさんは同じギター好きという事で反応は良かったがクリスはそこまで反応良くしてはくれなかったが無理もない。俺が弾く曲は何一つ知られてない訳だから
「ギターを趣味としている、私だよ。そういえばヤマト村って楽器は盛んだったりするの?」
俺が居た中では音楽的な物はあまり見かけなかった気がするけど細かく全部見たわけではないので何とも言えない
「うにゅ、ピアノや太鼓、琴とか得意な人はおるぼん。祭り前になったら盛んになるやも」
「まゆもちゃん気を付けなよ、この男は一回弾き語りしだすと止まらなくなるからね」
人聞きの悪い、でも否定はできない
「今度まゆもちゃぁんにも披露するぜ。それにしてもヤマト村の祭りか、いいねぇ」
「ヤマト村の祭りって面白そうだね。私も行ってみたいなぁ」
「リーダーの指示のもとヤマト村の祭りに参加しようと思う今日この頃ですな」
「みんなでいーく!後2ヶ月もすれば祭りだと思うのでぇぇす」
何でも詳しい日程は都度決めてるらしく毎年恒例だが不定期ではあるようだ
「そういえば明後日にはヤマト村の人達が遊び来るんだよね?俺も早く転身を会得したい」
未だに転身を会得出来ない俺、才能無いのか




