秘奥義は最強で 5
俺が生前愛してやまなかったバンドのライブ終盤の煽りコーナーで、ファンが最も熱狂的に盛り上がる曲と言われたら相応のファン歴がある人なら大半がこの曲を上げるだろう。
事実、ボーカルさんも一番煽って来る曲な気もするし。
このバンドの活動期間は俺が生まれる前からやってる程長く、この俺をして期間で見れば中堅位がいいところではあるがこのバンドの熱狂的ファンに分類される人ならば多分誰でもそうなると思うがこの曲でブチ上がってる時、我々ファンはきっと演者側だって無敵状態になるのだ。
勿論、言うまでもないけどね
俺の正真正銘の秘奥義は…この曲を脳内でライブするかのように流す事。ライブ映像と自身を照らし合わせてると言ってもいい
使用する事は無かったが生前から気持ちの上では存在してた秘奥義で、これを発動すると俺は本気になりかつ無敵状態になるのです。
思えばヤマト村でのアコギライブの時も無意識のうちに発動してたのかも知れない。
今生では勿体つけるのはやめだ、出す時は出してやるよ!何処まで強くなるかは俺にも分からんが…なんか楽しくなって来た、やるぜ!!
「ちょっと踊ってくるわ。秘奥義、ぼりぃすぺしゃるとぅー!!!」
来た来た来た!
「みーくん今なんて?」
「ジャジャジャッジャジャ、ジャッジャ、ジャッジャジャ♪」
「呪文!?なんか言い出したよ」
「なんだなんだ?何する気だ?」
「なんだそのエネルギーは!?」
「わ、私達も初めてなので分からないですが…」
「そういえばみーくんとキューちゃんの会話で秘奥義がどうとか言ってたぽん」
皆何を狼狽えてるのだろうか…まあいい、行くぜ!
「ろっけんろーー!!!」
なんかスゲーパワーアップ来ました!
「これってもしかして…前にライブで水掛けまくってた歌じゃない!?」
コケッコの集団に飛び込む俺、てかクリス良く気付いたな。ってアレか?みーサーチがオート化していて話がよく聞こえるぜ。
今俺はライブ中なのです。脳内では歌いつつもコケッコ達をめちゃくちゃにしてやってます。
武器が無いので鉄鶏とか言われてる奴の足を掴んで振り回したり、とりあえず殴りまくったり抉りまくったり、みー弾を撃ちまくったり…自分でやっててアレだけどすげぇ。
魔力が切れる気がしない。
「ういぇー!!」
「そこまで再現するんだ…」
「みーさんの中ではライブ中なのかと思われますよ」
「みー様すごーぼぅぅぅんっ!!」
歌はあくまで俺の中でしか歌ってないけどクリスすげぇな。よくここまで拾えるよ
「コケッコが…スライムみたく千切られたり粉々になったりしてやがる」
「鉄鶏がワンパンだぞ!?」
早速絶鶏だかをボコりにいきますか!
「おういぇぇ!!」
「絶鶏がタコ殴りにされてやがる」
「あ、絶鶏の攻撃が!?」
「おうのー!」
「「え!!?」」
なんだ?何故今声を合わせて驚いたんだ?
「み、みーさんあの攻撃効いてないの?凄い音したよ?」
「み、みーくんはその…頑丈なんだよ。正直私も意味は分かんないけど」
引くなクリス様!とりあえずトドメだ!体感ではギガビーストより厄介くらいなもんだからなんとかなるな。このまま滅してくれる
「おういぇぇ!!」
「遂に絶鶏を素手で殴り殺しやがった!!」
にしても数が多い…面倒くさいから広範囲に何かやるか。
それから…みーサーチのレベルが上がってるせいか、地下に水が流れてるのが分かる。
なので地面、イっときますか!
「なんかコケッコを大量に結界で閉じ込め出したよ!?しかもいくつかの箇所で」
「何する気でしょうか?」
「今度は地面にみー光殺砲を撃ち出したにょ、何する気かにゃ?」
「あ、多分ギターソロのパートっぽいよ」
だからクリス分かり過ぎだって、なんか怖いわ!
「皆さんはアレが何か分かるのですか?」
「いや、もう何も分からないよ」
クリス様は充分分かってらっしゃるだろ!
よし、準備は出来たのでやるか。魔法が効きにくくても俺の火魔法は高速回転による摩擦からの火なので燃えるはずと思ったら案の定燃え出したぞ。
結界に閉じ込めたコケッコは燃えさかっておる
「えげつない事やるんだな…」
「まあ、みーさんですから」
メロニィからすると俺ってそんなキャラなのか!?だが今更やめれん。よし、解放!
燃え盛るコケッコ達が一斉に蜘蛛の子散らす様に走り出した。
火がどんどん広がってるねぇ〜!からの…天帝波で地盤を壊して地盤沈下に巻き込んでやる!!
「もっと来いやぁー!!天帝波!!」
思った程地盤沈下は酷く無かったけどそれでもそれなりには沈んでくれた。
更に燃え盛るコケッコ達がどんどん火の海を作り、そこにみー弾や結界で圧縮したみー爆弾を投下してコケッコ共を粉々にする俺。だがまだ結構居るな
「うわぁ……地獄絵図だよ。さっきまでのあの決死の話からまさかこんな事になるなんて…」
言うなクリス、俺も地獄絵図というか酷いという自覚はあるんだよ!でもまだまだ行くぜ!
「ジャジャッジャジャッジャジャー、ジャジャッジャジャッジャジャー」
「多分ここから更に来るよ…なんか悪い事してる気分になって来たよ」
クリスって俺の頭の中見えてんの?
「絶鶏がどんどん倒されていく」
「今の、蹴り1発で仕留めなかった!?」
「厄介そうだった鉄鶏が雑多になってる」
「もっとこんか〜い!!」
「あれ?絶鶏が何か口に溜めを」
「なんか撃つ気だ!」
「みーさんヤバい、避けろ!」
「かぁなしいもんくじゃ、おうのー!!」
「ま、まさかのスルー!?」
「何事もなかったかの様に攻撃を続けてるぞ!」
「鉄鶏やコケッコ達は貫かれて地面に穴まで空いてるのに効かないのか!?」
おや?コケッコ共が…逃げ出してないか?逃がす訳にはイカン。
てかアイツ等見てないで手伝えってんだ!あらかたやってるからもうイケるだろ?
「お前等サボってんじゃねーぞ!おーどろよぼりぃすぺしゃっ!おういぇぇ!!」
「お、俺達に言ったのか?」
「た、確かに逃げ出してる気がするから取り零しを狩ろう」
「うむ、では行くぞ!」
動き出したか。まだ絶鶏が1羽居るからヤバそうならフォローするか
「まだまだぁー!!!」
みー弾を連射してあの辺の塊粉々にするか
「カリーネ、コイツ等魔法耐性があるから矢尻そのものには魔法を纏わせないでやる方がいいぞ!」
「了解、師匠!見せてやる、五月雨100番!」
ベルーガさんって冒険者としては超有能なんじゃねーか。言っちゃ悪いがりりぃさんパーティーよりなんか頼れる気がするぜ
「カリーネ危ない!!」
お!?
「ランス!?わ、悪いわね。助かったわ」
遠目だから熱さは感じないけどアレって結構良い場面だったんじゃないか?これは新たな恋の始まりが!?
「みーさんはもう人間やめてますね」
「あちきもぶっ叩くなり!」
「よぉーし、みーくんばっかり頼ってられないね。あの絶鶏、倒してくるよ!」
大丈夫か?って思ったら本当に首落としやがった。
クリス様やっぱパネェな!んじゃそろそろフィニッシュの超天帝波をお見舞いしてやろう!
「みーさんが上空に上がったぞ!!」
「なんだあれ?何か溜めてるのか?」
「アレは俺達もヤバいんじゃねーか!?」
「け、結界の中に避難だ!」
よし、避難完了したな。結界はやらないように…ぶっ放してやる!!
「超天帝波!!!」
若干取りこぼして森の方に逃げた塊はいたけど殆ど滅する事が出来ました。
自分で言うのもアレだけど…秘奥義やべぇな。
これならなんとかキューちゃんとも戦えそうなレベルだぜ。
でも流石に乱用は出来ないからまた暫くは封印しておこう。とりあえず皆の所に行くか
「みー様すごぼぉぉーん!!!」
ま、待て!まゆもっこさんが大胆にも抱き着いてきよった、と思ったら高い高いして来やがった。かなりパワーあるなこの子
「まゆももよくぞほぺぬーもしたぞよ!」
「うにゅ!」
「みーさんお疲れ様です。流石私の許嫁だけありますね!人間やめてるレベルでしたよ」
「みーくんの方が魔王、じゃなくて大魔王だって錯覚したよ。でもありがとね!」
「それじゃ晩飯の支度押し付けた残り5回、チャラにしてよな」
「仕方ないなぁ〜!これだけ頑張ってくれちゃったら何も言えないよ」
やった、別に晩飯の支度は苦じゃないんだけど押し付けられると地味にダルかったから助かるわ
「あ、あの…みーさん…その…ありがとうございました」
いやいや、待て!この子はもうちょっと馴れ馴れしかったじゃん。今更それはやめて
「カリーネさん、そんなよそよそしい感じやめて下さいよ」
「いやぁ…あんなの見たら無理っすよ。私なんてただの狩人っすから」
「みーさん…いえ、師匠!流石でしたよ!」
ランスさんまで弟子面か!?弟子はコルトくぅんだけで充分だ
「なんとか無事に済んで良かったっすね」
「いやみーさんよ、そんな強いなら最初っから言ってくれよ!なんか命掛けようとしてた俺達が恥ずかしいじゃねーか!」
「俺なんかここぞとばかりにいい顔しちゃってたよ」
「そうですよ、俺なんか全て悟った笑顔みたいな顔しちゃってましたよ、恥ずかしい」
それはなんかごめんな
「すんませんな、如何せん俺もこの秘奥義初披露だったからどんくらい強くなるかは把握してなかったのですよ」
「みー様、あの秘奥義の強さなら確実に姐御やかえで姉さんより強かったと思うぴょ!ヤマト1やでぇ!!」
まゆもっこさんがここぞとばかりにくっついて来やがる。
この子こんなスキンシップ激しかったっけ?余程お気に召したのかな、それにしてもおっぱいでけーな
「ってまだ後始末があるよね。師匠…じゃなくてみーさん、こんなに働いて貰った手前申し訳ないんだけどコケッコの残党狩りも参加して貰っていいかな?俺達のパーティーは森のここから見た正面を探索するよ…ベルーガさん達は村の方に向かって下さい。そのまま明日まで滞在する位がいいと思いますよ。みーさん達は北の方、お願いします」
面倒くさいという顔は出さずに涼しい顔で引き受けた俺達。
一緒に暮らしてそれなりに期間が経ってるからか、俺の涼しい顔の裏側を皆は何となく察知してるようだった




