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秘奥義は最強で 4


 魔物化されたコケッコを含み、全てのコケッコを牧場的な所に解放した職員達。

 周りに何もない平地で管理はしやすいが…数万もいるコケッコとは、流石に圧巻の量だな。

 これがあの養鶏場に全部詰め込まれてたと考えると環境は劣悪なんだというのが分かる気がした


「魔物化したのはこちらです」



 なるほど、魔物化すると大きくなるのか。1m弱といったところか。心なしか黒くなってる気がする。職員さんが槍のようなもので抑えつけてるけどそのまま退治しちゃくれまいか



「このコケッコを退治して、しばらく様子を見ればこの仕事はおしまいよね?雨じゃなくて良かったわー」


 カリーネさんの言う通り、雨の場合要所にテントを立てるとかでちょっと大変になってたらしいが今回は大丈夫っぽい。

 ランスパーティーのグロッグさんがコケッコを仕留め様子見する事になった。

 が、ハッキリ言ってもうほぼ俺達の仕事は終わりという空気が流れており、各々が今後の話や雑談をしだしたりしている。



「この仕事が終わったら俺…アイツに結婚申し込もうと思うんだよ」


 ん?


「俺は今年はこれで仕事納めにして家族とゆっくり過ごすかな。最近遠征ばっかだったからまだ小さい子供にちゃんとパパだってアピールしないとだ」


 いやいや、まさかな…


「これ終わったら帰りに王都でパーッと飲もうよ!美味しいもんも食べてさ!」


 だからクリスは本当やめれな?キミは何か変な引きが強いというか引き寄せる性質なんだから!





 そんなフラグ?が乱立してると不安が的中したかのように職員達の悲鳴が聞こえた


「きゃーー!!!」


「ぼ、冒険者の皆さん!ヤバいです!!いっ、一斉に……」



 するとまゆもが口を開いた



「みーくん、この感じヤバいぞい。逃げるかえ?」



 あのまゆもが逃げの進言を…それを聞いた俺達パーティーは一気に血の気が引いた


 何にしてもとりあえず叫び声が聞こえた場所に向かうと…視界に入る全てのコケッコは皆魔物化してると思われた。

 大きくなり、心なしかどす黒い色に変質しているではないか



「職員さん達は皆避難して下さい。この量はヤバいです。養鶏場は無いものとして、最悪の事態になった時の避難する村があったと思いますのでそちらに向かって下さい。急いで!」


「わ、分かりました!」


 ランスさんが職員達に指示をしてからコケッコに対峙する俺達。これもう全部やっちゃっていいって事なのか?


「まだ魔物化したばかりでじっとしてますが、聞き及ぶ話ですと近くに居る人間を主に、居なければ生き物相手に一心不乱に攻撃をしてひたすら食ってくるのが魔物化コケッコだそうで…」


 メロニィは相変わらず詳しいな!てりまーんって言ったら怒るかな?てか元ネタも分からんか


「今のうちにやっちまうか」


 と話してる途中、我等がまゆもさんが魔法をぶっ放しました



「ぐらびとぅーん!!」



 かなりの量を押し潰したと思われるがそれ以上に圧巻な数、まゆもの魔法が規格外でヤバいというのは瞬時に察したと思われる各パーティーだが、それと同時にこの物量への絶望感が理解出来てしまった瞬間でもあった



「俺もぶっ放すぜ、きゃめはめはー!!」



 それ相応のコケッコが消滅した…が、ある事にに気付いた。

 まずまゆものぐらびとぅーんで内臓が出る程のエグい死に方をしたコケッコが居ない事、それに俺のきゃめはめはが放たれた線上に居たコケッコの何匹かは虫の息とはいえ生きてた事。


 つまりこいつ等…そこそこ頑丈なんだ。


 今の攻撃で一斉にこちらに向かって来たコケッコ。

 人に襲いかかるという事でコチラも守りが必要なので大きめの結界を作った。

 だがどんどんクチバシで突いてきて怖くなった俺はコケッコより結構上に来るように自分達が入る結界を設置したら上を向いて突っ込もうとするばかりでなんとか結界へのクチバシ攻撃は収まった。

 コイツ等自我が無いと見える



「偉い事になっちまったな…どうすんだコレ?」


 本当それな


「コイツ等全部魔物化したのか…こんなの野放しにしたら村1つや2つじゃ済まないぞ。タイミング次第じゃ王都だって危うい」


「どうするランス?これはもう手に負えないぞ、撤退して応援要請…」


 ランスパーティーのランダさんがランスに話してるその時、コケッコの一部がさらなる変化を遂げていた



「アレが…文献にある鉄鶏ですか?…あの大きさに見るからに頑丈そうな外面、ヤバいですよ」



 メロニィが恐れおののいている。俺達はまゆもの逃げろの進言で他の皆よりビビっております



「みー、この上って出れるのか?とりあえず高さに対しては対処出来ないっぽいからよ、上から高火力で攻めてみようぜ!話はそれからだ」


 ベルーガさんの意見に賛成という事で、火力持ちの各々がコケッコ達に向かって技を放つ。

 見た目と異なり魔法の類は遠距離だと極端に威力が下がる傾向にある訳だがそんな事は言ってられないので各々やれる限り技を出した



「きゃめはめはー!!!」


「火かばぁー!!」


「ブラックレイン!!」


「ダイヤモンドダスト!!」


「ホーリーランス!!」



 弓矢のブラックレインって技かっけぇ!なんてかベルーガさんは色々カッコいいな!実年齢だと歳下なのが驚きだよ。

 それにダイヤモンドダストもやりよる、俺もあんな技使いたいのぅ。

 因みにランスさんが放った凄い突き技のホーリーランス、これはゲームとかでありそうな名前だけどそういうのではなくランスさんは技名に自分の名前を入れると威力が上がったと言う事から名前を入れてるそうな。そう聞くとカッコ良さ半減なのは秘密の話



「鉄鶏が来るぞ!あの大きさだと下手すりゃ俺達に届くかもしれん」



「俺がやる。きゃめはめはーー!!」



 大ダメージを与えたとは思うけどこれで仕留め切れないか。

 距離もそんな遠く無かったのに…こんなのがこの量って考えると本格的にやべぇな



「分かったことがある。多分だがあの羽根か?魔法攻撃を軽減してるように見えるぞ」


 成る程、それなら効きがイマイチなのも納得だ


「あ、あっち!なんか森から魔物が出て来たよ!」


「アレは…オークとオークジェネラル」


 なんか強そうな名前かと思ったら即座に骨も残らず食い尽くされた。

 いや、これ本気でヤバいしエグい!なんていうかこう…逃げよっか?


「A級推奨の魔物の中じゃ弱い部類とはいえあのオークジェネラルが一瞬で…」


「だがオークジェネラルの斧攻撃で2匹程首が飛んでた所を見ると、物理攻撃は有効っぽいな」


「しかし突入したら骨も残らんぞ。多少耐えたとてこの物量…無理がある」



 それにしてもベテランさん達すげぇな。こんな時でも分析が的確だしちゃんと見ておられる。

 なんて思ってたら…誰でも分かるレベルの悍ましい気配がした。

 そしてコケッコが鉄鶏よりも大きなヤツに進化しやがった。

 これはアレか?昨日話してた絶鶏か?



「あの大きさにあのオーラはヤバい!この結界の上も安全じゃ無くなるぞ!」



 これは確かめとかないとな。燃費悪いけどひとっ飛びするか



「ちょっと行ってくる。倒せるならいいけど、とんでもないのブチかましてくるから観察しておいて」



 そう言ってひとっ飛びして絶鶏の近くに結界を作りそこからアエテックスパワーを発動し



「天帝波ーー!!」



 思いっきりかましてやった……が、大ダメージを与えたとは思うけどまだ生きてる。

 これはヤベェ、頑丈さというかタフさだけならライオウやバスティーに引けを取らなそうだ。とりあえず戻ろう



「どうでした?なんかわかりました?」


「あ、いえ…凄いとしか」


「まだそんな高火力出せたのか?流石だなぁ!」


 ベルーガさん以外がなんかちょっと引いてるけどやめてもらえませんかね?一生懸命なんですよ。

 すると更に何箇所かで絶鶏が発生しだし、オマケと言わんばかりに鉄鶏も増殖している。

 コレ詰みじゃないか?



「…皆さん、逃げましょう。これはもう依頼失敗とか以前の問題です。早急に王都のギルド並びに軍に応援を要請するのが賢明です」



 当然の意見だと思うが流石に高ランクの冒険者達。矜持があるのか、簡単には返事出来ないのか、沈黙が続いた



「……そうだな。んじゃ俺達が殿を務める。お前等はダッシュでこの場から離れろ」


「え?いや、転身で逃げれますので皆さん一緒に」


「いや、多分転身は使えないぜ、これ。あまり専門的な事は知らねーが邪悪な感じが濃い場所とかそんなオーラを放ってる規格外レベルの魔物がいる場所ってのは転身が通らねぇのよ。なんてーか聞いた話だが転身の通り道的な魔力が阻害されるような状況下じゃ使えなそうだ。ここはまさにそれだろうよ」


「そ、そうだったのですか?初めて知りました」


「コレばっかりは仕方ねーよ、経験上としか言えねーし、ちょっと離れりゃ使えるだろうし、何より転身なんて隙だらけな事、ヤベェ敵の前でやる事なんざそうそうないからな」



 ゲームで言うところのボスからは逃げれないに似てる気がするよ。

 まゆもの方を見てそれとなく聞こうとしたらコソっと話してくれた


「概ね間違いないぽん。瘴気とは似て非なるものだけど邪悪な魔力が凄く広範囲に濃く充満しておるぴょ」


 この子が魔力の根源的何かを見れるのは秘密だった筈だから黙っておこう


「それに、色んなパターンがあると思いますが…これは所謂スタンビートの一種と見て間違い無いでしょう。こんなのに当たったら…運がなかったと言うしかない」


 ベテランは本当に慣れてると言うか凄いな、誰一人取り乱してないよ。

 ランスパーティーだって多少なり狼狽えてるというのに


「つー訳だからよ、俺達が殿務めるからお前等は逃げろ!んで一刻も早く応援を頼む。俺達も無駄死にはごめんだ、なるべく引っ張るからよ。頼むぜ!」


「いや待って下さい!それならやはり皆で逃げましょう!頼って申し訳ないですがみーさんの火力と結界、俺達の火力もあればこの辺りから逃げる事自体は可能な筈です!何も死に急ぐ事は」


 ランスさんの言葉を遮るようにベルーガさんが喋りだした


「今、コッチに大きくコケッコが関心を示してるのはメビンのデコイが発動してるのも大きい筈だ。

 それで、今この場を離れたらどうなると思う?近隣の村を襲うだろうよ。

 そこは…俺達の故郷だ。これだけ言えば分かるだろ?そうでなきゃ俺達だって申し訳ないが逃げてるよ。

 …俺達に付き合う事は無い、それに実際応援の要請にも人が居るはずだ、数パーティーなんて規模じゃねーからな。だからとっとと行け!ここ任せろ!みーさん、悪いが行く前にいくつか高さのある結界を頼む」



 何とも重い空気です。ベテランパーティーの決死の決断か。

 こういう空気苦手なんだよぉ


「師匠、私も残る!!私だってあの村の出身なんだから!!」


「馬鹿野郎!お前が残ってなきゃ誰が村の連中に俺達のカッコいいとこ話すんだよ!村の出身者以外が語っても社交辞令にしか見えんだろうが!この結界の中でも意外と安全なのはラッキーだったな。おいお前等、我等ペロペロキャンディーズの底力見せる時が来たぞ!じゃあそろそろ」


「私も残るよ!うちのパーティーのリーダーとして、参加したからには作戦に貢献しないとでしょ!」


 驚愕なパーティー名を聞いて一瞬頭が真っ白になったと思ったら…おいおい、クリスが何か言い出したぞ


「クリス、流石にそれは…」


「うにゅ、アカンのでぇぇす!」


「大丈夫だよ!ベルーガさん、私はライオウにトドメ刺したり出来る技を持ってます。乱戦は苦手だけど…きっとあのデカいコケッコの首を落とせる筈です。一人でも多い方が皆さんも助かる可能性高まりますよね?」


「しかしだな、リーダーさんよ…」


「メロニィは王宮に話し通しやすくなるし転身も使えるから除外、まゆもちゃんはちょっと特殊だからこの戦闘にはあまり向かないかな、ランスさんのパーティーは王都で顔が利く筈だからギルドには絶対行って欲しいし、みーくんは…切り札みたいなもんだからね」



 馬鹿が…そんな震えながらここぞとばかりに流暢に喋りやがって。

 知ってたけど御人好しが過ぎるんだよ!!しゃーないか



「却下!俺達パーティーは俺が肉の壁となって皆を守るって契約で成り立ってるんでね。クリスが残るなら俺も残るよ」


「何言ってるのさ!それにその話は冗談だろ?もしまた変にヤバくなったらそれこそキミの力が」


 うるさいので手でクリスの口を閉じた俺


「ベルーガさん、その作戦の前に一つ、俺に試させてくれないかい?」



 こんな重苦しい空気も、皆の暗い顔も、クリスの無理矢理作った笑顔も見てられん。

 こうなったらこれはギャグかって位爽快にコイツ等滅ぼしてくれる



「試すってなんだ?」



「ちょっとガチで本気出します。秘奥義発動しますぞ」



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