冒険者はこの街で 6
しまった、俺もつい寝落ちしてた。クリスは…まだ寝てるようなのでそろそろ起こすか。
なんか改めて考えるとこの状態恥ずかしいな。それと…考えないようにしてたけど正直ドキドキします。
だってクリスって普通に可愛いし今はバスタオル巻いた湯上がりの女性みたいな格好して俺に寄りかかってる状態なわけで…これはむしろ興奮しない訳がないんだけど下手に手を出そうものならパーティー解散もあり得るしクリスの地元に住んでるわけだからどんな噂が立てられるかわかったもんじゃない。
ここは自重するのだ、こういうので攻めるならやはりリリィさんのほうが……と言いたいところだがあの人のほうが色々危険な気がする。
ちょっと緩いというか満更でもない感が若干感じられる気がするんだけどそれを実際実行したらマジで引いてきそうなタイプに感じるんだよね、リリィさんは。
男を誘惑しちゃってる感出してるのを本気で自覚してないまである。
魔性とも違う気がするがなんというか……うん、落ち着こう。これはアレだ、俺は転生してるからかどっかオマケみたいに考えちゃってるフシがあるんだよ、無意識の内に見境なくやれるとかトライしてみようとか短絡的になってしまってるんだ。
駄目だぞみーくんよ、ちゃんとその辺は真面目にしとかないとせっかくの第二の人世が狂ってしまう
「うぅん…ちょっと寝ちゃったみたいだね。みーくんはもう体は暖まったかな?」
そんな事考えてたらクリスが目を覚ました
「おかげさまで暖まったよ、ありがとね。んじゃそろそろ服乾いてるか確認」
「駄目だ眠すぎるぅ……あと5分」
この子はそうでした。寝起きもこんなキャラでした。何となく気が合う気がしたんだけどこういう所が自分と被るからなんだろう
「よし、あと5分無になろうぜ」
30分後
「まったく、みーくんは寝過ぎだよ!確かに良い感じに暖かいけどもっと緊張感というか色々持たないとだよ」
「どの口が言ってんだ!最初に寝落ちしたのはクリスだろ、それに俺は先に起きて動こうとしました~」
耳を塞いでるクリスを置いといて服を確認するとだいぶ良い感じに乾いてたので問題無く帰れそうだ
明日から冒険者としてのスタートという事で、それに向けて今日はこの2週間の半分以上を昼頃に起きるというだらけっぷりだった事から生活リズムを治すという目的もあって早起きをしていた。
なのでまだ時間にすると14時前位だったりするのだが思ったより疲れたので今日は大人しく帰る事にした。
白鯛は帰ったらクリスの家で調理して晩飯のオカズに、結局俺が作る羽目になった
翌日、ギルド近くの公園で待ち合わせをしてギルドへ向かったのだがギルドの前に見覚えのある人が…あれはまさか
「みーくん来たぞい!一緒魔王倒す冒険ぞー」
そう叫んできたのはなんとまゆも、どういう事でしょうか?
「あ、えっと…あれ?お久しぶりです。元気してた?今日はどうしたのかな?」
とりあえず挨拶
「まゆも大人的な歳になったから来たのだ」
「いやちょっと待て、まゆもさん確か13歳だったよね?」
「ええぇ!?この人13歳なのぉ?」
クリスが驚くのも当然だろう。服はまゆもの普段着ではあるがヤマト村特有の特殊なローブ的なものでカッコいいしイイ感じに決まってる。
身長もスタイルもクリスより大きくそれでいて髪も長く綺麗で傍から見るとどう少なく見積もっても13歳には見えないのがまゆもさんなのだ
「違うのじゃ、一昨日14歳になったから大人なのでぇす」
等と供述している
「いやいやいやいや、無いから、14歳で大人は無いから。確かにこの人、クリスっていうんだけどクリスさんも驚いたように大人には見えるよ?でも14歳で大人は無理ですぞ、まゆもさん」
「はじめまして、私はまゆと申しまする。皆にはまゆもって呼ばれてる魔法使いぼぅん。みーくんの冒険者パーティーになるのでよろしくなのでぇぃす」
クリスに挨拶をして勝手にパーティーに入ってしまってる
「あ、ええっと、おう。よろしくね、私はクリス。みーくんとのパーティーで一応リーダー
をやる事になってるんだよ」
「そうなのですか、クリスお姉さんなのでぇぇす、よろしくなのじゃ」
勝手に話を進めないで貰いたい
「落ち着けまゆも、そりゃ来てくれたのは嬉しいけど…確か前話した内容だとまゆもが大人になってからって話だったよね?14歳は無理があるんじゃないかなぁ〜ほら、お父さん心配してるぞ〜。あ、あの件か?ご飯の約束だね!アレだったらごめん。まだお金に余裕がないからもうちょっとしたらでって事で」
「うんにゃ、大人なのでぇぇす。村の会議でも良いってなったのでぇす」
会議までしちゃってるのかよ。てかヤマト村の皆さんどうなってんの?そりゃまゆもは魔法強いからダメと全否定出来るものではないんだけど…まず年齢が若すぎる。
それにそんな娘の父とそれなりに親しい俺としては流石に14歳の子を連れ回すとか無理。
アレだよ、本当に俺が17歳だったら手放しでオッケーしたかも知れないけど俺の精神年齢は物理的に40超えてるってなるわけだからそうなると結構キツイものがあるんです、何ていうかこう色々とね。
これで親御さんを知らなければ或いはってなったかもだけど
「キミはヤマト村の子なんだよね?ヤマト村で魔法使いって事はさぞかし凄いんだろうなぁ〜良いじゃん良いじゃん、是非ともよろしくね」
ああ…クリス様迄お気に召しちゃったよ、どうしよ。もういいかなぁ、流れに身を任せて
「えっと…まあその…なんだ、正直14歳が大人とは俺は思えないんですけど」
「確かに大人とは言い切れないけどその心意気は汲んであげようよ」
「がんばるます!」
何この二人、俺が責められてるの?
「いやその、ええっと…来てくれたのは嬉しいしリーダーも良いって言ってるからアレだけど一応その…ほら、大人として責任というかちゃんと保護的な視点を考えるとね」
「出た、やっぱりみーくんおっさんなのかなぁ〜?」
「ばるます!」
余計な所でちゃちゃ入れやがって
「なので、危なかったら身の安全を第一に!それとまっさん…いや両親とか村長とか村の大人達の誰かが止めに入るようならその時は大人しく帰るって約束出来るかい?」
「スルーするってことはやっぱり」
「ばるぼん!」
返答になってない気がするが仕方ない、今度聞いてみるか
「スルーしてないわ、僕はピチピチの17歳なので正直そんな謂れのないこと言われても困るんですよね。それとまゆもさん、かえでさんとかシン君辺りは何か言わなかったのかい?」
かえでさんはかなり面倒見が良いし危険な事を除けばちゃんとした常識があり良識のある良い人な筈なので14歳の子が冒険者で旅立つなんて
「かえで姐さんのひと押しが大きかったのでぇす」
あの人何やってんだ、よしもう腹を決めよう。一時的なものの可能性はそこそこあると思われるし
「そうですか、そしたらその…改めてよろしくお願いいたします」
「良かったね、まゆもちゃん。これからよろしくね」
「よろしく、よろしくなのじゃぁぁぁ」
何故断末魔みたいな言い方するのぉ?




