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楽しみは不意打ちで 1


 この世界の気候は驚く程に日本と大差無い。

 夏は俺がくたばる頃の酷暑程暑くなることはなく、今の季節である秋はちゃんと秋をしていて心地良いもんだ。

 今日は見事な秋晴れでメロニィの誕生日にはまさにうってつけだと思う。

 貴族が集まる誕生パーティーとかなければ完璧だったのに



「こんな良い天気にはピクニックがしたい」


「気持ちは分かりますが今日は大人しく付き合って下さい」


 そう、俺達だけでなくメロニィ一家もこの誕生パーティーはしんどいのだ


「アチキのこの前髪の一部がくるりんしたらみーくん来るのじゃよ」



 え!?



「ま、まゆもちゃんなにそれ!?前髪操れるの?」


 クリスが驚いてるが俺とメロニィも驚愕していた


「不思議な・こ・と♪」


 不思議なっこっと♪頂きました!じゃなくて


「お、落ち着け、まゆもだから何が出来ても不思議ではないが…なんだそりゃ!?どうなってんだ?」


「数ヶ月一緒に暮らしてて初めて気付きましたよ。まゆもは相変わらずとんでもないですね」


 本当それ


「昨日出来る事に気付いたのじゃ。この部分だけだけど」


「うん、なんか昨日出来たって所がもうまゆもちゃんだね」



 結局仕組みは分からなかったけど時間になったのでメロニィ誕生パーティーの会場?に向かった。

 城にある客間とかそんな所を貸し切ってやるらしいです

 





 会場に着き受付を済ませて入るとそれっぽい感じになっていた。

 リンガーの祝勝会程大きくはないけどちゃんと豪華というかいい感じに用意されてるね。

 主役であるメロニィはまだ一緒に居るけど親御さん達は見当たらないな、まだ始まる前の準備タイムなのだと思われる。

 すると女性集団がコチラにやって来た



「メロニィさん、誕生日おめでとうございますわ。」


「相変わらず可愛らしくて羨ましいです」



 かなり豪華なドレスを着た貴族丸出しの女性が声を掛けて来たけど、考えてみればメロニィって普通に貴族として真面目に働いてたんだから他の貴族達とも一定の仲にはなってて当然なんだよな



「あ、ありがとうございます。本日は私の誕生日パーティーに来て頂きありがとうございます」



 メロニィがかなりよそ行きメロにゃんに?本人も言ってたけどコイツは相当猫被ってたな



「何言ってるのですか、私達友達でしょう?友の誕生日を祝うのは当然の事ですわ」


「お連れの方々は同じパーティーの人達ですかね?友として、御足労頂きお礼申し上げます」


「あ、いえいえ、コチラこそ御招き頂きありがとうございますです」


「ありがとうなのです」


 流石貴族様だ、品のある挨拶に俺達はタジタジですよ



「コチラの御方が前に仰ってたパーティーメンバーで主戦力とされる戦士のみー様ですか?」



 え?俺知られてるの?



「は、はい」



「はじめまして、いつもメロニィ様にお世話になってるみーといいます。よろしくお願いいたします」



 とりあえずそれっぽい挨拶をしておいた



「ふふふ、素敵な殿方ですわね。魔王軍将軍を圧倒したと聞きましたわ。よろしかったら詳しくお聞かせ下さいまし。あ、私はリーネと申します、お見知りおきを」


「リーネ、ずるいですわ。私にも是非聞かせて下さいまし。私はチョコと申します」



 アレ?なんか俺モテモテ?



「まずは私からでしょうに、私はライラと申します。よろしければ今度我が家に招待しますのでゆっくりと語らせて頂きたいですわ」


「ライラ様ったらズルいですわよ」


「抜けがけはいけませんわ」



 何このモテ期、悪い気はしないけどどう見ても持て余しちゃいそうな…こんな明らかな貴族丸出しの人達相手にちゃんと出来る自信がないっス。

 それに実際の所、偉業を成したパーティーの主戦力にツバ付けとくか位のノリだろうし。

 てか普段なら突っ込んで来たり俺の服弄り回してたりしそうなクリスとまゆももその貴族圧にやられて何も出来ないでいるな



「今度メロニィ家伝いで使いを寄越しますので是非に。メロニィさんもよろしいですよね?」



「は、はい。みーさんも喜ぶかと思われます」



 アレ?いつものメロニィなら許嫁をどうこう言うくせに…そうか、貴族間の力関係とか分からんけどメロニィ的には頭が上がらないんだな。

 そう言えばそんなような話はたまに言ってたし…でもなんかそんな弱気なメロにゃんは見たくない気もする。

 なのでどっかでメロにゃんの格を上げてやりたい所だが



「メロニィ様、そろそろ始まりますのでコチラに」


 コレだ!


「め、メロにゃ〜ん!ぼ、僕を、僕達を置いて行かないでぇ。貴族様が沢山で緊張してしまいまするぅ」


「み、みーさん!?なんのキャラですかそれは?」


「こういう時は僕を面倒見るのがメロにゃんだろぉ?」


「し、しし、仕方ないですねぇ…それでは多分ポロッコが親と一緒に居て退屈してると思いますので構ってあげて下さい」


「はぁ~い!戻ったらちゃんと僕の面倒もメロ見るんだよぉ」



 なんか凄い笑いを堪えてるかのような顔をして行ったメロニィ。

 何にせよこれでメロニィは皆が誘いたがる男を面倒見てるポジションになるので、見えない格が上がると思われる



「み、みー様はいつもメロニィさんに面倒見て貰ってるのですか?」


「そうですね、特にこういう威厳ある場所ではメロニィ無しじゃ生きていけないです」


「そ、そうなのですね。所でメロにゃんというのは?」


「呼び名の一つです」


「ず、随分と仲良しですね」


「で、では私達もこれで。今日はお楽しみ下さいませ」



 なんだろう、なんか哀れんでるというか引いてるかのような目で見られた気もするけどそこまでの事はやってない気がするの



「みーくん残念だったね〜、貴族令嬢さんと親しくなるチャンスを棒に振ったようだよ」


「いい感じのキャラだったやでぇ」



 2人が笑いながら言ってきた、そんなに酷いというか情けない感じだったか?



「そんなに情けない感出てたか?」


「うーん…私達はもうみーくんの性格ある程度把握してるからなんも気にしないけど初対面の人からしたらかなり情けない感じだったと思うよ?」


「アチキはみーくんの暴れっぷりとのギャップが凄いから嫌いじゃにゃいぼんよ?」



 どうやら思った以上に情けない感じだったようだ。でもそうやった意図は説明するまでもなく2人も分かってる…筈。

 なんて話てたら後ろからポロッコ君がやって来た


「みー兄さん、お姉ちゃんから遊んであげてって頼まれましたので来ました」



 メロニィめ…俺の意図分かってないんじゃないか?



「よーし、ボチボチ美味しいものが出てくるはずだからどっちが美味しいもの発見出来るか勝負だ!」


「分かりました、頑張ります!」


「所でポロッコ君、最近はどうだい?」


「はい、お姉ちゃんや皆さんに習って強くなろうと精進しております」



 なんていうか普通に良い子ちゃんだなぁ、ってポロッコ君と話てたらクリスとまゆもがお若いお貴族様に声掛けられてるではないか!?

 くっ…俺のクリスとまゆもに…って言いたい所だけど邪魔しちゃいかんか、こういう所で良い男と出会えるかも知れない訳だし。

 メロニィも言ってたけど貴族の方が変に擦れてない分、性格的に良い場合が多いとか何とか。

 事実、先程の女性陣も礼儀正しかったし嫌味などもなくちゃんと取り繕えていたもんな。

 これから先皆が誰かとくっつくってんなら経済的にも精神的にも色々余裕ある良い人とくっついて貰いたいからここは我慢するしかない。

 でもまかり間違って貴族の誰かがいずれ巫女クリスやまゆもにスリスリするなんて想像したらこの世から抹消してしまいそうだ



「みー兄さん、何考え込んでるの?」



 おっと、つい脳内会議に力を入れ過ぎた、ってまゆもの前髪がくるりんしておる?釣られてか知らないけどクリスも手でくるりんしている。

 よし、助け舟と行こうか



「クリス様にまゆもくぅん、ポロッコ君が挨拶しつつ一緒に遊びたいと申しておられるぞい」


「うにゅ!ポロッコクラッシュを教えるのじゃ!」


「それじゃあ私はみーくんの小賢しい戦い方とか伝授するよ」



 小賢しい言うな!そんな言うほど小賢しくは無いだろ?


「よろしくお願いします!」


「ちょっと待て。ポロッコ君、この女はテキトーな事ばっか言うから信用しちゃ駄目なんだよぉ。僕は全然小賢しくないのだよ」


「お姉ちゃんがみー兄さんは搦め手が得意でボクにもいい勉強になるって言ってました」


 コイツ等揃いも揃って…そこは賢いって言って貰いたい所だぜ。

 とりあえずクリスのほぺに軽くお仕置きしておいた




 ポロッコ君と戯れてたらメロニィ一家や主催と思わしき人達が出て来て挨拶するとパーティーが始まりました。

 メロニィが各所に挨拶回りしてるのを見て大変そうだなぁなんて思ってたらなんとなく大物そうな集団が俺達の方にやって来た。



「はじめまして貴女が魔王軍将軍を倒したパーティーのリーダー、クリスさんですか?」


 良い所の坊っちゃんって感じもする青年だが何用かしら?



「あ、はい。そうです、貴方は?」



「私はグランで勇者をやってるフィードと申します、以後お見知りおきを」



 勇者?この世界ちゃんと勇者様居るんだ。なんか選ばれし者なのかな?



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