絶望には欲望で 10
んん…また気を失ってたようだ
「みーくん?目が覚めたようだね」
クリス巫女様だ!とりあえず
「クリスぅ、抱っこするから座っての」
「えっ、えぇ!?」
「ここに、座るのでぇす」
「ぅぅ…す、座れば良いんだね?」
クリス様を抱っこして、ちょっと脳内会議をしておこう。
俺とした事が…もう少し寝たふりしておけば良かった。
リヴァ様という絶望的な神獣を前に怒らせないようにかつ、気を遣い過ぎずいい感じに話を進めようと夜な夜な談義を進めたあの時間はこの世界に来て最も危険かつ絶望的で生きた心地はしなかった。
しかしリヴァ様がなんか魔法を掛けてきたらそのストレスMAXだった精神が一転して何か全てから解放されるかのような、全てのしがらみを捨て去るような感覚を覚えた。それからはもう天国に居るような気分になった。
欲求だけは爆発しそうなのを抑えつつ、それを解放するタイミングに期待を寄せてたら気付くとリヴァ様だけでなくみんなの身体に触れ合えて…長らく味わってなかった女性の肌を堪能出来た。
まさに天国のような時間だったな
そして今、俺は冷静さというか正気を取り戻してしまったという事だろう、なんかスッキリしちゃってるし先程までの欲望の衝動が抑えられないみたいな感じはもう無い。
どうしよ…朧げな部分もあるけどちゃんと記憶はあるんですよ、今なんでこんな事になってるのかも。
この後コイツ等とどう接すればいいかな?ちょっと恥ずかし過ぎるというか…これ下手すると嫌われるんじゃなかろうか?それは嫌だなぁ…なんとか許して貰え…いや待て!よーく考えると俺とて被害者な訳だからそう下手に出る必要もない、ていうかいつもセクハラ扱いして来るコイツ等にいいお灸を据えたとも言える。
そうだ、何も俺が悪いばかり考える必要は無いのだ!つまりこの後の立ち回りで下手な事さえしなければちょっとおいたしちゃったみーくんで何とか収まると思うんだよ。
と、なると…まだ正気になったとバレてない筈だからせっかくのチャンス、あんな朧げな状態ででは無くこの正気の状態でもう少し、皆の身体を堪能させて貰っても良いのではなかろうか?
さっき迄の俺は確かにやり過ぎてたけどそれを利用してその手前位の事を言いつつ少しずつハードルを下げてって、最後になんかちょっとしおらしくして謝ればなんやかんやとこの件は丸く収まると思うのよ。
そうと決まれば目標が必要だ、やみくもにベタベタ触って下手にキレられたら気まずいから巧妙に行かねば。
まずリリィ様抱き枕は絶対、そこにせいらさんも混ぜればあのおっぱいは変態だから自分もリリィ様を抱き枕に出来るかもという予想を立てて乗ってくると思われる。
リリィ様もリリィ様で2人ならまあ、みたいな感じで乗ってくれるに違いない!リリィさんの場合、下手するとこの中で1番ウブまであるから生々しくない事とか分かりにくいセクハラで攻めるべきだ。
せいらさんは…多分何も気にしないで大丈夫だろう、どーせここまでやったら後は何やろうと責められるしな。
メロにゃんはもう一回にゅぐりもんしたいなぁ、あの慎ましいながらもちゃんとあるお胸様がまたなんとも。
まゆもちゃぁんは惜しいけど触れてはあかんな。
クリス様にももっとべったりしたいけどクリス様もまあウブな子だからね、ほぺかじったら怒られそうだからそれはやめといて…こうして抱っこしてるだけでもクリスはなんか良いな。
軽く身体にスリスリしてもいい、うん。それは今やればいいか!巫女クリスにスリスリなんてもう至福!
「み、みーくん?さっきから黙ってて…どうするつもり?」
「いやぁ、クリスに抱きついてスリスリしてるだけで幸せだなって」
「何馬鹿な事言ってるのさ?……ってキミ、もしかして」
身を捩ってボクの顔を見てくるクリス、なんかこれ良い!キスとかしてくれないかな?って待て!?クリス…もしかして正気がバレたか?
「なんだいクリスくぅん?」
とりあえず身体をサワサワしてアピールせねば
「もう魔法解けたんじゃないかい?」
もぉぉぉぉ!!!なんでこの子は俺の事すぐ分かるんだよぉぉぉぉ!!!せっかくの計画が台無しになっちゃうじゃないかぁぁぁ!!!
「何言ってるのかさっぱりだよ?それよりクリス様、脇頂きます」
「やっぱり正気になったんじゃないかい?なんか遠慮してる感じあるし、君の大好きな胸を避けてるその感じ…」
「何!?あのみーが胸を避けてるだと?さっきも明言こそして無かったが容赦無くタッチしてニマニマしてやがったのにか!?そういやまゆも、魔法が掛かってるか見れたな、今分かるか?」
なんと!?まゆもくぅんは見切れちゃうの!?
「うにゅぅぅ……みーくぅんは今魔法に………」
な、何故勿体つける? 俺…もう詰んてるのか?
「どうしたまゆも?そんな勿体つける事なのか?」
「ぴょぴょぴょ、アチキには…分からんぼん…よ?」
あ、悪魔めぇぇ!!せいらさんが確認取ろうとしてる時点でまゆもが魔法を見抜ける事はほぼ確実…だがその確証が俺には持てん!ならばリスクを承知で突っ走るか…だがそれにしてはまゆもの顔が悪い顔な気がする。
どっちなんだ?何も分かってないのか、それとも俺を手の平で転がそうってのか?
「そうかー分からないかー、それじゃあ引き続きみーの欲望に応えないとだなー」
このおっぱい!?そんな棒読みでワザとらしく… 皆もここぞとばかりなニヤニヤしやがって
「アチキも、がんぼる!みーくん太ももに挟まるかえ!?」
くぅぅぅ……挟まりたい!!しかし…どのみちまゆもには流石に駄目だ、落ち着け!まだ戦況は五分な筈、逆転の目を見付けるんだ!
「また血の涙を流してるよ、この男は…」
「みーさん、許嫁の私から一度だけ、助け舟を出しますよ。ここで黙って苦悩してる時点でもう魔法の効果が切れてるのバレバレです。大人しくこの遊びは終わりにしましょう。とりあえずただのカップルにしか見えないのでクリスを解放して下さい、クリスもさっさと降りて下さい」
「おっと、つい様子見しちゃってたよ」
完全に詰んでました、なので躊躇する事なく華麗に土下座をしました。
術中の事は仕方ないとして術が切れた後も何かしようとした罪をせいらさんが責めては来たが
「私としてはせいらさんが引っ掻き回した感もあるのでそこまでみーさんを責める事でもないと思いますよ?」
メロにゃんが神だった
「い、言い掛かりだ!確かにちょっと判断を間違ったのは認めるが決して私に非は無いぞ!だいたいどう見ても一番セクハラ被害を受けたのはこの私だろうが!」
「でもぉ、満更でも無かったんじゃないすかぁ?」
「黙れ、葬るぞ?」
軽口が過ぎたか、怖いので大人しく土下座しておこう
「じゃあ魔法が解けた後に何かされた私は純然たる被害者なんだねー。みーくん、どうする?」
クリスめ…ここぞとばかりに…だが少しは反撃せねば
「クリスが巫女服似合い過ぎるのが悪い!」
「そ、そういう問題じゃないだろぉ!?まったくもう…晩御飯当番10回分だからね!」
実際の所俺もある種の被害者だったというのは皆も理解してくれたようで、思ったほど責められる事は無かった。
ただ…
変態かつエロな事を公言してる俺は本来なら今回の自分の行動に対して然程気になるとは思ってなかったけど、あんな醜態を皆の前で晒す事は生前含め初めての経験であり、思い返すと恥ずかしいというか生き恥と言うか…絶対嫌われるとか引かれちゃうとか色んな感情に苛まれフラッシュバックが起きたりと、最終的には皆に慰められる程にヘコんでいた
いくつになっても黒歴史って作っちゃうもんなんだな




